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pass 〜四宮一菜side〜

「…………っ!そうだ!」

こんな事してる場合じゃない。

私のカンが正しければ……香坂さんが危ない!


バンッと乱雑にドアを開け、香坂さんの部屋まで夢中に走る。


バンッ

乱雑にドアを開ける。


「香坂っ……さ……ん」

遅…………かった。

無残に抉れた左目と首から、血と羽を流してベッドに横たわる香坂さんの姿。

血の臭いは充満していない。

けれど、傷口付近の血塗れた羽と、その血が羽へと変わっていく光景が、惨く綺麗で、吐き気を催す。


さっきから吐きそうになる事が多い。

いっそ吐いてしまった方が楽かもしれない。

…………何とか堪える。


部屋に足を踏み入れる。

「四宮さん」

突如右耳に吐き出された言葉に驚き、体が床に落ちる。


「あ。そんなにびっくりした?」

楽しげに笑う、私を驚かした正体は

「……有路……さん」

「やだなぁ。そんな目で見ないでよ」

色々な負の感情が混ざった表情をしているのだろう。

自分でも今、こいつに対して抱いている感情が何なのか分からない。

「……………っ!!」

有路さんの襟元に、赤い斑点が見える。

よく見れば、学ランのカフスボタンや腕にも見える。

肝心の両手は背中の後ろに隠していて見えない。


「……貴方が、香坂さんを……皆を殺したんですか」

「さぁ? どうだろうね」

そう言って両手を下ろす。

その手は……特に利き手であった右手が血塗れていた。

「なんで……なんで!こんな……っ」

涙が一気に溢れ出す。


「…………じゃあ。話そうか」

そう言って淡々と語り始めた。

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