Dream-12「学園祭準備期間?! Part?」
「えぇ〜、これから学園祭に関するホームルームをしたいとおもいまぁ〜す」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「良いぞー!!委員長!!」
「いよいよ来たぞぉぉぉ!!学園祭だぁぁぁ!!」
委員長の気の抜けた声にも関わらずクラスのメンバーはハイテンションだ。
俺はてっきり委員長は悠介一人と思いきやさっき委員長に呼ばれてた美希って子も一緒に教壇の上でやっていた。
「え〜今年の文化祭は例年通り妨害工作など激しいバトルが繰り広げられると予想されます。だから皆気を付けろよぉ〜」
バトル?!
学園祭の準備で激しいバトルが繰り広げられるってどんな学校だっっっ!!
と口に出して委員長に多いに突っ込みたかったがそんな勇気も無かったので心のなかで叫ぶ。
そんな俺の心の葛藤をよそに委員長コンビは淡々と事務的な口調で説明を続けている。
「今年はこの校舎が全生徒たちの作品展示に使われますので、私たちはこの校舎を使えませんわ、ですので二年生は旧校舎B棟301と302を使うことになりましたわ」
「だからこれからの一週間は登校したら旧校舎のほうに直接向かうこと〜、わかったか?みんな?」
「ほぉ〜い」
「了解〜、委員長」
などと皆が勝手な事を言ってる間に一つ・・・・・・。
"旧校舎B棟301と302"ってどこ??
今日だってこの教室にたどり着くのに優華に道を何回聞いたことか・・・・。
って事で前の和真に当然質問。
「なぁ、和真?旧校舎B棟301と302ってどこ?」
「あぁ、あそこら辺だよ、、」
と言って和真が指差したのは委員長達が喋ってる所の少し右横・・・・委員長達は真ん中で喋ってるので黒板の端の方だ・・・・。
「何処だよ、黒板じゃん」
「甘いな、甘すぎる。目をよく凝らして見てみろ」
そう言われてもう一度黒板を良く見てみる・・・・
が、いくら見ても黒板には¨勝つぞ!!¨の一言のみが書かれていてそれ以外の文字や地図らしき物は見当たらない、、、
てか、学園祭のミーティングなのに¨勝つぞ!!¨はないんじゃないのか?体育祭なら分かるけど、、、
「だから、何処に書いてあるんだよ?」
「書いてある?何を言っているのだね一樹くん、黒板をよぉ〜く見たまえ、黒板や壁が透けてその向こうの旧校舎が見えてくるだろう?」
あぁ、つまりこのアホはこの校舎を出て黒板の方向に旧校舎があるって事を言う
のにこんなに遠回しな発言をしやがったのか・・・・
はぁ、このアホはっっっ!!
「そんな説明でわかるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
全力で和真の頭に拳を入れたた俺は、いつの間にか我を忘れて席から立ち上がってクラス全員の注目を集めていた。
「大沢君、私達の説明に何か不満でもあるのかしら?」
「まぁ〜そうつっかかるなよ、美希。一樹だってまだ良く分からないに決まってるんだから〜」
「ま、まぁそうですわね・・・。とりあえず座っていただけませんかしら?」
「あぁ・・・・すまん、ついテンションが上っちまって・・・・・」
クラス中の注目を集め恥ずかしかったのでとりあえず言い分けを言っておく・・・。
「転校生も転校早々このテンションについてこれるとは分かるやつだなぁぁ!!」
「いいぞ〜!!大沢ぁぁ!!」
「最高だぁぁぁ!!」
クラスメイトは口々にこんな言葉を言い、何とか俺がテンションが上ってしまった・・・。
ということで納得してくれ、さらに褒め称えてくれた。
「お前のせいで恥掻いただろ」
「まぁ、人の頭殴ったんだからそれくらいの代償はねぇ?」
「元はといえばお前が悪いんだろ?お前が?」
そう言いながら俺は和真の肩を全力でひねり潰してやった。
「いでえででっででででえで、いでえって」
「まぁ、これも自分の罪の重さと思って実感しな」
「俺が何時罪をぉおおぉいでででで、すみませんでしたぁぁぁああでで」
シラバッくれようとした和真の肩をさらにひねり潰してやると面白いように悲鳴を上げた。
「ただちょっと面白く説明してやっただけじゃんかよぉ」
「面白くない、ちゃんと黒板の方向って言え!!」
「ぁあ、ちなみに旧校舎は正反対だよ」
「へ〜、つまり嘘かぁぁぁぁ」
「うん、嘘」←(満面の笑み)
そのとき俺の中で何かがはじけた?様な気がした。
「覚悟は出来てんだろうなあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「だからなんの覚悟ですの?大沢君」
「あっ、いや、和真に向かって言ったんだよ・・・・ははははは」
気付くとまたまた立ち上がって和真に拳をいれる寸前で止まっていた・・・・
「一樹、俺らが一生懸命説明してるんだから聞いてくれよぉ〜」
「す、すまん。ちゃんと聞いてたよ、ちょっと和真がくだらねぇ事を言ってきたもんだから・・・・」
「悠介、なんか段々ムカついてきましたわ」
「美希も落ち着いて、ほらシワ増えるよ〜」
「悠介もなんかムカつきますわね」
「ほら、シワふえちゃうよ〜」
「悠介も覚悟はよろしいかしら?」
そう言うと美希って子は委員長の襟を引っ張って教室の外に連れて行った。
その後にすぐ何か恐ろしいような音が聞こえたんだけど、うまく俺にはここに著す事ができない。それにたぶんクラス全員が聞こえてなかった(事にしたかったと)思う。
それほど恐ろしい音が聞こえていたんだと思う。
後で委員長に聞いてみようと思うが、まぁその話はまた後で。
「皆さん、お待たせしてすみませんでしたわね、続きを始めましょうか」
数分して戻ってきた委員長は何か疲れきった表情で端に居る先生の隣に座り込んでしまった。
まるで慰められてるみたいだな。
ん?・・・・・・・・って先生居たんだ!!
存在感薄いよ!!、それでいいのか先生!!
「では説明は以上ですわ。ですが一つ連絡事項が先生からありますので最後にもう少しだけ集中していただけますこと? では、先生手短にお願いいたしますわ」
って、ちょと説明終わったのか?和真とか先生の存在感のなさに気を取られて全く聞いてなかったぞ。
何すりゃいいのか全くわからねぇ。
まぁ、後で和真にでも聞くか。
「皆準備に気合いを入れるのは実に結構、結構なんだが・・・・。この間の休み明けテストに赤点を取った者は準備期間を返上して補習を受けてもらう事となった。赤点など取る奴は居ないと先生は思ってたんだよなぁ、職員室でも「私のクラスは大丈夫です」って言っちゃったたのにさぁ結果を見てみりゃさぁこのクラス赤点ランキング結構下なんだよねぇまぁ赤点の自覚がある奴は覚悟しとけっっっ!!今から名前を呼ぶからなっっっ!!呼ばれた奴は学園祭なんて楽しめないと思えよっっっ木村、寺谷、中本、植村、わかったか!!そこの四人だ!!」
「俺かぁ〜〜、やっぱぁ?」
「まぁ、わかっていたがな」
「まぁ、補習も悪くないかぁ」
「そうそう、慣れれば楽しいしね、はははは」
名前を呼ばれた木村と寺谷と中本と植村と思われる四人の生徒はそれぞれ勝手な意見を述べている。
まぁ、誰が誰だかまだよく分からないから喋ってる四人のうちどれが木村でどれが寺谷でどれが中本でどれが植村なのかはわからねぇけどな。
「はぁ、はぁ、コイツ等は少しは反省でもしてくれよ、、、先生の立場がさぁ・・・・・・」
あぁ、先生が落ち込んでらっしゃる、しかも息まで切らして・・・・。
あれだけ一気にまくしたてたらまぁ、いきもきれるでしょうな、ウム。
先生はすごく疲れきった表情で端に居る委員長の隣に戻って行った。
あ〜ぁ、今度は逆に慰められてるみたいだな。
なんかちょっと面白い図かもしれない。
「でわみなさん、各自持ち場について準備を始めてください!!」
その号令を合図にして一斉にみんなが持ち場に向かって解散して行った。
さぁ〜て、俺も頑張りますかぁ〜
・・・・・・・・・ところで俺何したらいいの?
まぁ、行けば分かる・・・・・・・か?
Dream12〜END〜