Dream-11「学校にて学園祭…かも?」
「はぁ、はぁ、はぁ、あぁ〜もう疲れたっっっ!!」
「ハイハイ、ご苦労様。」
「よくもまぁオレの苦労をそんなに簡単に、、、」
「ハイハイ、文句は跡で聞くからぁ〜、早くしないと遅れちゃうよ〜」
「おい、ちょっと待てよ!!」
そう言い残すと優華はダッシュで校舎の中に走っていった。
俺も急いで自転車止めて教室行かなきゃヤバイぞ、、、
*****
「はぁ、はぁ、はぁ、あぁ〜もう疲れたっっっ!!」
「一樹、転校した次の日から遅刻か?」
「遅刻じゃねーよ、セーフだろ!!」
「ギリギリな、」
「うっ、痛いとこをつくなよな、、、」
あの後俺は自転車置き場につくなり適当に自転車を放り投げるとダッシュで教室に向かって走り、滑り込みでベルの鳴り終わる直前に教室に飛び込んだ。
ちっ、優華が朝蹴りを入れてこなけりゃこんな目には…
そして俺を蹴り飛ばした張本人は自分の席で昨日のあ〜、朝倉だ、とかと余裕で喋ってやがるし。
「よっ!!和真、おはよーさん。それに転校生も!!」
「委員長、おはよーさん」
「委員長??」
「おっ、そういえば転校生 Do you remember me?」
・・・・・・・・・・・why、なぜ?、どうしてここで英語が出てくる?
俺も何でか第一声が英語になっちまったじゃねーか。
"どぅーゆーりめんばーみー?"だと?
覚えてますか?覚えてるわけねーだろ、まだ引っ越して三日も経ってねーよ。
てかこの小説11話まで来たのにまだ三日も経ってねーのかよっっっ!!
おい作者、時間の進み具合が遅くないか?まぁ俺は全然かまわないのだが・・・・・。
って俺はいったい何を言っているんだ???
どうなってんだよ、なんかわけわかんなくなってきたぞ・・・。
あぁ〜、まぁなんか返事はしといた方がいいよな、、、
え〜っと・・・・、
「はぁ??」
10行も使って考え続けたにもかかわらず、のどの奥から出て来たのはそんな間抜けな声だった。
「気にするな転校生、俺は委員長こと柏倉 悠介よろしくな」
そう言うと委員長こと柏倉 悠介は俺に向かって深々とお辞儀をした。
ん〜、外見は失礼だが、委員長にはとてもなれそうではないのだが、顔はとても眼鏡がキマっていてまさに委員長といったキャラだな。
「こちらこそよろしく、委員長。 俺は・・・・」
自己紹介をしようと思っていた俺は委員長の次の一声で遮られた、、、
「聞くまでもなぃ、大沢 一樹、」
「やっぱり委員長たるもの、転校生の名前は知ってるか、」
「いいや、そうじゃないさ」
「やっぱり委員長とかには転校生の情報は先に回るもんっっ・・・・て違うのか?!」
「蒼井が言ってた通りだな、覚えてないのか・・・・」
そう言った委員長は少し悲しそうな目をしていたんだと思う、
でも俺にはその色を読み取れるほどの冷静さは少しも残ってはいなかった・・・・。
「も、もしかして委員長も俺をしってるのか?だからさっきあんな事言ったんだな、」
「知ってるかもなにも昔は良く・・・ってもそんなことも無いか、まぁ世話になったんだがなぁ」
「そうなのか、すまんな。優華から聞いてると思うが覚えてないんだな、これがよ」
「いや、きにするな。昔の事なんざ、覚えてない奴の方が大勢さ、、、」
「すまん・・・・」
「だから気にしなさんなって、、、」
そんな重たい雰囲気が流れる中俺はあることに気づいた・・・・・・・。
「あれ?和真、なんでお前今日鞄持ってきてないんだ?」
いま、なんとなく委員長の顔を見ることができなくて回りに視線をそらして気がついた。
和真みたいにまったく持ってきていない奴や、いつもより格段に軽装備な奴とか、とにかく格段にみんなの様子が違う。
「なんでって今日から学園祭の準備期間だろ、お前、昨日昼に蒼井に気絶させられてHRに出れなかっただろ、だから委員長に連絡頼んだんだけど・・・・・??」
「聞いてなぃ・・・・・」
ジト目で委員長を睨む。
俺はそんな事知らないから昨日優華に渡されたこのクラスの時間割を見ていつも通りのおもたぁ〜い鞄とおもた〜ぁい優華(ここの部分は口に出したら確実に殺されるな(苦笑))を自転車に乗せてあの以外と地獄な坂を登って来たんだもんなぁぁぁ、
そんな今更今日は軽装備で良いですよと言われてもねぇぇぇぇ?
怒っちゃいますよ?委員長?
と言う意味を込めて笑顔で睨みつける・・・。
「おっ、俺だって、昨日は忙しかったから美希に頼んだはずなんだよ・・・・・、なぁ、
美希ちょっと!!」
そう言って委員長が大声で呼んだのは優華や、朝倉とかと話していたもう一人の女子だった、、、。
でも、待てよ・・・・・・・・・・・。美希?
どっかで??
いや?どこだ?どこかで聞いたんだが・・・。
う〜む、思いだせんぞ・・・・・・・。
そうこうしてる内に美希と呼ばれた子が優華たちとこっちに来た。
「呼びましたか?悠介?」
「なぁ美希、昨日一樹の家に電話して伝えてくれたよな??」
「えっ、えぇ。確かに大沢君の家に電話したら・・・・そういえば優華がでましたわよね?」
「あぁ、あの時一樹の家に居たのよ〜」
「あら?そうでしたの?」
あぁ!!あれか!!昨日の夜の優華の長電話!!
どっかで聞いたと思ったらそれかぁぁ。あ〜、すっきりした。
「何で優華が大沢君の家の電話に出んのよ、、、」
おぉ!!いい所突いたな朝倉!!あんたここらの人間と違って常識あるねぇぇぇ。
「え?だって一緒に住んでるし、当然でしょ??」
「あっ、そうなんだ、知らなかったぁ」
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!!そこ納得すんなよ!!
ってか一緒に住んでない!!
優華も嘘言うなっての!!
「それで、蒼井と喋って伝言忘れちまったのか」
「あぁ、そう言えば伝言も頼まれていた気がしますわね、まぁ良いじゃないですの、悠介」
「まぁ、まぁ忘れたからってどうって事ないんだから気にしなくて良いわよ、美希」
「そうですわね、蒼依の言う通りですわね」
「あぁ、そういえば今日から本格的な準備だね、委員長頼むよ」
「まぁ、適度に任せとけ、蒼井」
「おっ、委員長今年もやっぱあるのかい?」
ある?何があるんだ?和真は何いってるんだ??
そういえば俺学園祭此処のクラス何やるのか聞いてないぞ。
「なぁ、此処のクラスって何するんだ??」
「あれ?一樹?私言って無かったっけ?」
「聞いてないぞ」
「あら?優華も忘れっぽいですわね」
「此処は、女子で喫茶店。男子でゲーセンをするんだよ」
「おぉ!!さすが委員長。簡潔すぎる説明!!すばらしいですなぁぁぁ」
「ありがとう、和真君。君は良き(?)理解者だ!!」
「へぇ〜そうなんだ、知らなかった」
「おい一樹、普通に感心してないで俺らに何か突っ込んでくれよ」
「あぁ、すまん和真。お前らが馬鹿らしくて寒心してたんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なんだ!!この沈黙は。
ヤバイぞ!!
カナリヤバイぞ!!
「おっ、そろそろベルが鳴るぞ、みんな席に着こうぜ!!」
「そうね、馬鹿な和真にしては良い事言うじゃない」
「では、行きましょうか?悠介」
「・・・・・おっ、おう」
「ごめん一樹、フォローできないよ」
一同は口々に別れの一言を告げると早足で自分たちの席に戻って行った。
中でも一番キツかったのは、和真の
「・・・・・・・・・・ご愁傷様」
と言うどこか俺の不幸を楽しんでいるらしい和真の笑顔だった。
Dream11〜END〜