表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
clarity love  作者: 朱希
9/50

会話

遅れてしまいすみません;;;

サブタイトルがなかなか決まらなくて結構悩みました(笑

多分変えます。

もう少し





あと少し






掌から君を感じたい







眼差しで君と重なりたい







clarity love 会話








「お茶、もう一度入れましょうか?」

手を重ねたまま無言状態が続いた部屋に耐えられなくなった七海は遠くにある紙コップに意識を向け香南に尋ねる。

「いい。」

香南が一言で遮る。

「…」

「…」

再び無言状態に戻ると、もはや七海にはお手上げ状態で何か打開策はないかと必死に考えた。

「あいつらは…」

「はい?」

「美羽と瑠唯は、その、元気か?」

サングラスを取った香南がじっと七海の眼を見つめながら言う。

その眼差しに心がはねる。

「はい!あの二人もテレビで香南さんを見たときには驚いてましたけど、歌を歌ってる人で有名人だよと説明すると仮面Xマンよりもすごいの?と尋ねられて大変でした。」

「…?仮面、Xマン?」

香南はわからないと言ったように首を横に傾げる。

「はい!小さい子向けにやってるテレビ番組なんですけど、あの二人大好きで、先日も録画した話見ましたよね?」

「ああ、あれか。確かにあの二人のテンションの上がり方は凄かった。」

先日の事件の時、ご飯を食べ終えたあと録画を一緒に見た。

始まった瞬間に二人は立ち上がり香南に仮面Xマンの魅力をひたすら話していた。

「最近では香南さんの出てる音楽番組も録画してそれと並行してみてるんです。それからは香南さんの話が出るとそのたびにずっと曲を歌ったりしてるんですよ。」

最近では帰り道に3人で歌ってるんですよ。と照れながら七海は話す。

「あ、ありがとう。」

香南は顔を真っ赤にしうつむきながらお礼を言う。

香南にとって誰に曲を歌われようが全く気にしなかったが、なぜかこの時は凄く恥ずかしくそして嬉しかった。

「難しくなかったか?」

「むっ!私もちゃんと歌えるんですよ?」

そういうと七海は最近出た新曲を歌いだすが、どこか全体的に音が外れていた。

それが面白くてついつい香南は笑ってしまった。

最初は膨れていた七海もその笑顔につられ一緒に笑った。





あっと思いだしたように七海はかばんの中を片手であさる。

香南はまた不思議そうに首を傾げる。

「今日も本当はあの二人を連れてきたかったんですけど、チケットは友達に譲ってもらったもので一枚しかなかったので連れてこられなかったんです。」

かばんの中から出したのは先ほど購入したパンフレットだった。

「もしよければ、二人あてにメッセージを書いていただけませんか?」

あ、でもこういうのはもしかしてNGですか…?とパンフレットを引っこめようとしたが、香南はそれを止めた。

「ちょっと待ってろ。」

そういうと名残惜しそうに手を離し外にいる雅に話しかける。

七海も離した手に寂しさを感じる。

ふと顔を上げると香南が黒いペンとパンフレット2冊持って帰ってきてた。

そしてそれぞれの最後のページにメッセージを書き始めた。

「ん。これが美羽。これが瑠唯」

それぞれを七海に渡す。

「あっありがとうございます!家宝にします!!!」

七海は満面の笑顔で言うと、香南も嬉しそうに笑顔になる。

そしてん、と七海の持っていたパンフレットの方を見ながら手を差し出す。

「七海の分も。」

「いっいいんですか!?」

その言葉に香南は頷くと七海からパンフレットを受け取りメッセージを書き始める。

七海は目をキラキラさせながら香南が書き終えるのを待っていた。

「はい。」

香南からパンフレットが手渡されると七海はさらに興奮した。

「私にまでありがとうございます!すごいです!本当に家宝としてうちに飾っておきます!あ、けどパンフレットのお金」

七海がいそいそとお財布を出そうとすると香南はさえぎる。

「いい。俺からの二人へのお詫び。」

「え?」

「来れなかったんだろ?」

「あ、」

「だから、受け取ってくれ」

香南がそういうと七海は涙ぐむ。

「ありがとう、ございます」

また二人で笑顔になった。




香南が照れくさそうに、頭を掻いているとドアのノック音が聞こえてきた。

「香南。時間だよ。」

「…ああ。」

どうやら時間らしく、雅が呼びに来た。

「すみません!今すぐ帰る準備します。」

七海は帰る準備をとパンフレットを仕舞おうとするが、服の袖を香南に握られ、目をじっと見つめられ身動きが取れない。

「えっと…?」

どうしたらいいかわかららずただお互いに見つめ合うだけになってしまった。

「香南」

雅が催促するが全く動じず、香南は聞く耳を持たなかった。

しばらくそうしていたが、焦れた雅がため息をついた。

「わかった。こうしよう。七海ちゃん明日夜空いているかい?」

今度は七海に会話をすると七海は香南から視線をそらし、雅の方を向いた。

「はい。えっと、しかし子供たちもいるので行動範囲限られていますけど」

「もし良かったらこのツアー明日でラストなんだけど、明日も来てくれないかな?」

このようなことがあると予測していたのか、懐からチケットを三枚取りだした。

それを見て香南も驚いている。

「えっ…」

「もちろん、子供たちだからライブに来るのは良くないと思うんだけど、そう思った時は控室の方へ来てくれたらいいし」

「あのっ、…いいんですか?」

七海は雅と香南を交互に見る。

「もちろんだよ。そっちの方が張り切るよな?香南」

香南は恥ずかしそうに首を縦に振る。

「ありがとうございます!二人もきっと喜びます!」

「ということで、今日は明日のためにいったんお別れ。明日のために香南、離しなさい。」

ようやく香南がしぶしぶ離す。

「明日、楽しみにしていますね。」

七海が穏やかに言いうと香南が笑顔になった。

「ああ。俺も明日、楽しみにしてる。」








七海は雅さんに連れられ、琴乃がいる控室に戻ると琴乃はメンバーの皆と楽しそうに話していた。

「七海!皆からサイン貰っちゃった!!!」

興奮しながら言う琴乃に七海はよかったねと微笑む。

「それじゃあ二人を送るから。」

雅さんが帰るのを促すと琴乃が3人にこれからも応援しています!とエールを送った。

七海もお礼を言い、挨拶をすると控室から出た。

「すごい幸運ね。まさかカナンが七海を覚えてるなんて。こんなのもう二度とない!七海ありがとうね」

琴乃から何度もお礼を言われ、七海は照れくさくなるが、同時に罪悪感にかられる。

明日のチケットは3枚。つまり、琴乃の分は入っていない。

わかっていても、わかっているからこそ明日のことは絶対言えなかった。


琴乃、ごめんね


心の中で何度も謝りながらけれども、少しだけ明日に想いを馳せ帰り路についた。





続き明日には書きたいと思います。


追記

書けました!ということでいよいよ双子を連れてライブ行っちゃいます(笑

たくさんの方に読んでいただいて、お気に入りにも追加していただいて本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ