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clarity love  作者: 朱希
4/50

始まり

サブタイトルがあぁ;;

少しだけ時間があるので書いていきます。

きっとこの書き方いけないんだろうなと思いながら(笑

あの甘くまどろんだ瞬間とき





僕はずっと忘れない





心に刻み込んで






忘れない







clarity love 始まり








雅はただただ焦っていた。

これから収録。なのに肝心のメンバーの一人が来ない。

他のメンバーに聞くとどうやら途中まで一緒だったらしいが、気分が悪くなり外へ出たらしい。

そして携帯を持って行ってないのに気付き、連絡もつかず何もできない状態になっていた。



「かなんくんは~どこへ家出しちゃったんですかねえ~♪」

まるで事を楽しむようにベースを弾きながら話すのは久野周くのあまね

右の前髪が伸びきっており、少々幽霊っぽく見える。しかし彼にとってはこの幽霊っぽさがいいらしい。

「んーそうだなー今回は森林浴にでも行ったのかなあ?」

推測しながら可愛い声で話しながらピックをいじるのは城之崎夏流きのさきなつる

男にしては長い髪の毛をツインにしてまるで女の子のようである。

ちなみにこちらもちっとも焦っていない。

メンバーの中で唯一焦ってそうと言えばリーダーにしてドラムの滝川燎たきがわりょうであった。

しかしこちらも焦っているが、なるようになると言った感じだった。



「もっと皆ちゃんと焦ってよ!収録ただでさえ押してるんだぞ」

こんな奇妙なメンバーのマネージャーを今までよくやってこれたと自分を褒めながら、それでも今の状況をなんとかしようと翻弄している。

「だって…ねえ?雅ちゃんがちゃんと、自分でカナンくん連れてこないからだろう?」

周が鋭くこちらを向く。たしかにそうだ。いつもなら自分が連れて来ていた。

「まあけど、今回はツアーの件で雅さん一人でいろいろ行ってたし、しょーがないけどねー」

香南も子供じゃないしさ。と反論してくれる。

雅には夏流が天使に見えた。

「とにかく、今は次の収録なんとかしたらいいんだろ?雅さんなんか考えねえの?」

スティックを回しながら燎が問う。



「もし、香南が帰ってこなかったら




明日の夜中収録させてもらうしかない

そう言おうとした矢先、携帯に電話がかかってきた。

番号を見ると普通の市内局番だった。

初めての電話番号だったため間違い電話かと思ったが、一応念のために出る。


「もしもし」

『もしもし、雅さん?…俺』



でたのは香南だった。





「かなん!!!どこにいるんだ!?心配したんだからなあ!!!」

雅は泣き叫びながら問う。よかった。ちゃんと生きてたと安堵する。

まわりの3人も少なからず心配はしていたようでほっとした表情をしていた。

『あ、えと、人の家なんだけど…住所今から言うから、迎えに来て、欲しい。』

流石に一人で帰るのが不可能だと感じたのだろう。

もしかしたらまた倒れていたのかもしれない。

そう考えると、その人の家の方に挨拶をしなければならない。

ただ、香南の事をどれだけ知っているか、それだけが心配である。

そして香南がどれだけ話しているか。

しかし、人の家にいるとは。しかも後ろの方でにぎやかな声が聞こえる。

そんな場所に香南はずっといれたのか?

「わかった。だいたい車で30分ぐらいでつくと思うから、その家の方にも挨拶したいしそのように伝えておいて。」

『了解』


とにかく収録のために迎えに行かないと。





その人の家についてまず驚いたのが、香南が女の子の近くにいることである。

今まで全く近づくのもいやがっていた彼が女の子のそばにいても何も起こらない。

そして子供たちとも普通に話し、離れたくないと叫ぶ子供たちをなだめている。

この数時間でなにが起こったんだ?まったくもって謎である。

挨拶をし、別れ香南を車に乗せる。しかし香南の顔はずっと彼女の方を向いたままである。

しかも笑顔でちゃっかり手まで振っている。


誰だこいつ…ホントに香南か?!


ついつい疑ってしまう。




「香南、収録時間言っただろ?ちゃんと時間は守れ。なんで日向さんちにお世話になったんだ?」

ルームミラーから後ろに座ってる香南を見て叱る。

しかし彼は我関せずと言ったように関心がない。

それどころかいつもとはまた違ったように少し考え込んでいた。

「七海の家の前で倒れていたらしい。気づいたら家の中で、3人で手、こすってくれてた。」

わけがわからない。雅はさらに頭を回転させる。

「うーんつまり彼女たちが助けてくれたんだね。お家の方いなかったようだけど、また挨拶に行った方が良かったのか?」

「いや、あいつらの家も親いないって。3人で暮らしてるらしい。」

彼女たちも若いうちから波乱万丈な生活を送っているらしい。

雅は大体状況がつかめた。しかし根本的なことがわからないらしい。

「香南。お前、女子供の近くにいたのに大丈夫なのか?」

「それは…俺にもよくわからねえ。」

どうやら香南はそれを悩んでいるようだった。

近づけるようになったというのはいい方向へ向いている証拠なのか?

雅はよくわからないままテレビ局に戻っていった。






「おかえり~カナンくん♪お散歩はいかがなもので?」

周がドアを開けで迎えてくれる。しかし異変に周もすぐ気付いたようだ。

「香南、どうしたの?」

「おいおい、大丈夫か?」

帰ってきた香南は顔を真っ青にし、雅に担がれながら戻ってきた。

「いや…それが…局に戻ってきたとき自分から女性の方に話しかけて、、」


「「「…は?」」」


「いや、そのさっきまでお世話になっていた家で女の子と普通に話せたもんだからいつものが治ったのかと思ってついつい話しかけたんだよ。」

雅が一生懸命説明するがよくわからないようだ。

とにかく香南を長いソファに寝転ばせ暖かいお茶を入れてくる。

「ちょっと待って、つまり香南さっきまで女の人と二人だったわけ?それで大丈夫だったの?」

夏流が混乱するように尋ねる。

「いや、女の子と子供二人といたんだって。その3人とは普通に話してたんだけどね。」

「~♪やるねえ。カナンくんも♪」

周が感心したように口笛を吹く。

「まあそうなったら治ったと思うわなあ。けど、じゃあなんでその家のやつらは大丈夫だったんだ?」

「…さあ。」






「暖かかったから。」






「え…?」

雅が良く聞こえなかったかのようにもう一度聞こうとする。

しかしちょうど都合よくドアがノックされ収録の時間だというのを知らせてくれた。

「大丈夫。もういける。」

香南がお茶を一気に飲み干し立ち上がる。

「OK」

周がベースを持って舌をひとなめする。

「ひっさびさ~だなこの番組も」

ちゃんと演奏できるかふあーんと夏流が女の子のようにか細い声を出す。

「まあ、俺たちは俺たちらしくやってこうぜ。」

燎がサングラスをかける。



なんてったって俺たちはanfang(始まり)なんだから。




はい。

と言うことで彼らはバンドマンと言うことでした。


わかりにくいですが、anfangと言うのが彼らのバンド名です。

ちなみにドイツ語です。

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