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clarity love  作者: 朱希
16/50

愛 ※BL有

今回からBL要素が出てきます。

忠告としてカテゴリにも入れようと思っていますが、今まで読んでいただいている方はご了承ください。

ゆらゆら揺れる僕は






彷徨いながら、傷つけながら







きみを探しに行く







clarity love 愛








「ななちゃんはさ、愛ってどういうものだと思う?」

夏流が香南の頭をなでながら聞く。

「愛、ですか?」

「うん。たとえばね、僕の愛は周。」

そして隣にいる周の方を見る。周も夏流の方を愛しそうに見ている。

「…え?」

「これもanfangの重要機密なんだけどね」

クスッと笑いながら話を続ける。

「ななちゃん軽蔑しちゃうと思うけどね、僕と周は愛し合っている。」

「えっ」

「ふふっ軽蔑した?」

「いえ、軽蔑なんてことは…驚きましたけど、お二人がそれでいいのなら」

夏流が同性愛者と言うのには驚いた。

七海にはもともとそういうものが疎いのか、それとも今までのことでキャパオーバーしてしまっているのか、あまりそれに関して驚きはしなかった。

それを聴いて夏流がほっと安心したような溜息をつく。

「ありがとう。それはね、ずっと一緒にいたいとか、命に代えても守りたいという想いからきてる。」

「…」

「ななちゃんにとって愛って何?」

夏流が笑顔で問う。



愛、愛って?



「私の、愛は」

そして双子の方を覗き見る。

二人は幸せそうにすやすやと寝ていた。

「この二人を幸せにすること、この二人の笑顔を、守ることです」

「うんだろうね。二人を見てたらその愛情を垣間見ることができるよ。」

夏流が微笑みながら答えてくれる。

ところがいきなり顔が暗くなる。

「香南はね、その愛っていうのを感じたことがないんだ。」

「…え?」




燎がため息を吐きながら続ける。

「俺たちの曲、聴いてくれたよな?」

「はい、全てではないですが。」

「その曲の中で、希望を歌った曲が俺。ラブソングを作ってるのは周と夏流。香南は絶望を歌った曲しか作らない。いや、作れない。」

「…」

「なぜか?香南は、愛を感じたことがないから」

燎が真剣な顔で七海の方へ告げる。

七海も弱弱しい声で反論する。

「けれど、愛と言ってもたくさんあると思います。夏流さんたちは恋人だとしても私みたいに家族への愛とか」

「香南は、それさえ感じたことがないんだよ」

周がさえぎりながら答える。

「香南は何一つ愛を知らない。だからこそ不安定なんだ。きっと、愛を知れば、こいつは変わる。」

燎はそう断言する。

「実際変わったんだよ。愛を感じたんだ。七海たちに出会って。」

「?」

そうなのだろうか?七海は首をかしげる。

「もちろん、あいつは感じてないと思うけど、少しずつ、感じ取っている。だから七海、あいつに愛を教えてやってくれないか?それがあいつを助ける一番の方法だと思う。」




皆の顔が七海に注目する。

愛を教える。また難しい言葉を投げかける。

数学を教えるよりなにより難しい問題だ。





「私が教えることなんて。」

「教えるなんてそんな授業みたいなことじゃないんだ。前言ったみたいに会話をしてやって欲しい。リハビリだ。今まで感じることのできなかった愛を取り戻すための」

「そう会話。香南には一番少ないことなの!」

「ただたんに今日何したとかで良いんだよ。他は何もいらない。ね。お願い」

それぞれに頼まれる。

その真剣さに七海も本気なのだと悟る。

「わかりました。私でよければ会話相手にならせていただきます。」

笑顔で答える。

それにメンバーが安堵した表情になる。






「ということで、ななちゃん、僕たちに携帯番号教えてくーださいっ!」

夏流が携帯電話を取り出し、携帯電話を指さす。

「えっと、あの、」

「うーんこれは早速香南君を起こした方がいいんじゃないのかな?」

「そうだな。ケー番交換なんて青春の一ページこいつにも味あわせてやりたいもんな。おい、香南起きろ。」

そういってまだ顔の青白い香南を起こす。顔をぺチぺチ叩くと流石に起きたらしい。



待って、私にも事情を話させてください。



七海が冷や汗をかきながら何度も口を挟もうとするが、話がどんどん進む。

「携帯…?」

「うん!香南もななちゃんと携帯電話の番号交換したいでしょ?」

すると驚くように香南が七海の方を向く。

「交換して、良いのか?」

「いや、あの、」

「そういってるだろ。ほら香南の携帯。」

そういって香南に携帯を渡すところで流石に言わなければと声を少しだけ大にして叫ぶ



「私っ携帯持ってないんです!」



「「「…え?」」」

一同唖然とする。

七海が顔を真っ赤に説明する。

「その、私連絡すると言ってもあまりないので、お金もかかりますし持っていないんです。」

「「「「…」」」」

みなせっかくのテンションが駄々下がりなのが見てわかる。

しかし持ってないものは持ってないのだ。

憧れではあったが、持ってるだけでお金のかかるようなものを金欠七海は持てるはずがなかった。

するとベットから差し出される手から携帯が渡される。

「七海に、やる」

「え?」

その香南の行動にさらに一同驚く。

「俺の携帯。メンバーと雅さんと社長のメモリしか入ってねえし、社長の消せばなんとかなる。俺も後から買い直すから使ってくれ。」

そう両手で渡されると返すものも返せない状態になる。

「しかしお金のこともありますし。」

「あーそれは、香南が出してくれるよ。ねー」

そう夏流が香南に問うと香南がコクリとうなづく。

「良いじゃんもらっておけって。こんなんタダでくれるやつなんてそうそういねえぞ」

燎がニヤニヤしながら笑う。確実に他人事を楽しんでいる目だった。

「七海、受け取ってくれ。」

懇願されては流石に申し訳なくなる。



「ありがとう、ございます」




お互いに笑顔が宿った。




ここでひと段落終了です。

突然BLとか出てきて申し訳ありません。

嫌いな方も中にはいらっしゃると思います。

悩みに悩んだのですが、次につながる結果として受け止めてくださればいいなと思っています。


年齢も少しだけ気持ち制限させていただきたいと思います。

本当に申し訳ありません。

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