表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
clarity love  作者: 朱希
10/50

プレゼント

こんなにも光を探したくなるのは






君に会いたいから






気づけばほら







君に会える朝







clarity love プレゼント








琴乃の家へ双子を迎えに行くと二人はもうぐっすりと寝ていた。

流石に二人も運べないので琴乃や琴乃の両親にも手伝ってもらいなんとか家に着くことができた。

「今日は二人ともごめんね。けど明日素敵なプレゼントがあるよ。楽しみにしててね」

二人は寝ているが二人の頭をなでながら話す。

明日の二人の笑顔を思い浮かべながら七海も楽しい思い出と共にぐっすりと眠りについた。






「わーっななちゃ、これなあに???」

次の朝、ご飯を食べた後早速二人に香南からのプレゼントを見せる。

すると美羽が早速質問してきた。

「これはねパンフレットっていって写真がいっぱいのってるの。香南さんがたくさん見れるよ」

「ほんとだ…おにーちゃんいっぱい」

瑠唯も早速中を見ているようだ。

二人はきゃっきゃしながら見ていると最後のページに気づいたらしい。

「ななちゃ、これ、おてがみ?」

「うんそうだよ。香南さん二人のためにそれぞれお手紙書いてくれたの。」

そういうと二人はとても喜びながらそれぞれ音読し始めた。

「みうへ、きょうはあえなくてざんねんだった。おねえちゃんのいうことちゃんときいておてつだいすること。かなんより。ななちゃ!ぼくおてつだいするよ!!」

「るいへ、きょうはあえなかったけどまたあえるよ。それまでおねえちゃんをたすけてあげること。かなんより。ななちゃを、たすける…?」

それぞれ思うところはあったらしい。

けれどちゃんと香南のメッセージを受け取っていた。

「よかったね。それでね、もう一つプレゼント。」

「「??なあに?」」

双子だからか、一緒に言いながら首をかしげる。

「じゃーん!香南さんに会えるチケットです!」

そういうと二人は目をキラキラさせ始めた。

「ほんとに!?」

「おにーちゃんにあえるの??」

「そうだよ。歌ってるところも見れるよ」

笑顔でそういうと二人はさらに興奮し始めた。

そして七海は一つのアイディアを思い浮かべると、二人に提案をした。







会場に着くと昨日と同じように、むしろ昨日よりもファンはみなテンションが上がっているようだった。

七海は二人とはぐれないように、片手ずつ手をつなぐ。

「ななちゃーおおきいねえ。」

「おおきい…」

初めてこのような広い会場のドームを見た美羽と瑠唯がびっくりするようにドームをずっと見ている。

「そうだね。この中にたくさんの人が入って皆香南さんの曲を聴くんだよ。」

「おにーちゃん、すごいね!」

「すごい!」

二人はすごいすごいと目をキラキラさせる。

それから近くを少し散歩する。

お金があまりない七海は美羽と瑠唯をあまり遠くへ連れて行ったことがなかった。

いつも同じ公園で遊ばせ、雨の日には家でテレビを見るかおもちゃで遊ぶかぐらいしかさせてやれなかった。

だから、少しでも遠くへ出かけさせてくれた香南そして雅さんにとても感謝していた。

実際、あれなに?これなに?と二人はひっきりなしに質問をしとても楽しそうにしている。

「ななちゃ、あのひとうでにおえかきしてるよ」

「ななちゃ、、あのひとおひめさまみたい。」

そう、anfangのファンはいわゆるゴシックロリータやパンクな恰好を好む人が多いらしく、いつも見ないような格好の人が多かった。

そのため二人の質問の餌食となっていた。

「すごいよね。綺麗だね。」

なんと言ったらいいのか分からず、七海はついついそう言ってしまった。

お昼は少し離れたファーストフード店で食べた。

そして再びドームへと近づく。

すると近くにお花屋さんがあった。




そういえば琴乃のピアノの発表会に招待してもらった時

お礼の気持ちも込めて花束渡したっけ。




少し考えた後3人はお花屋さんへ入った。










ドームへ着くと昨日と同じ会場口に向かう。

そしてチケットを見せると少々お待ち下さいと横にずれるよう促され、スタッフが電話をかけ始めた。

不思議に思いながらもしかして座席よって入る場所があったのではとひやひやする。

すると電話をかけ終えたスタッフが七海に説明し始める。

「本日はライブに来ていただきありがとうございます。こちらのチケットは関係者席のものなので、今係りの者が案内いたします。もう少々お待ちいただけますか?」

「は、はい…」

七海はわけがわからず頷くしかなかった。

しばらくすると、雅がやってきた。

七海は安心したように笑顔を向ける。

「ごめんね。昨日何も説明していなかったよね。さあ、行こうか。案内するよ」

双子にも今日はありがとうと言うと、双子は元気よくこんにちは!と挨拶した。

「いえ、こちらこそありがとうございます!あの、」

「ん?」

「香南さんへプレゼントを持ってきたんですけど、どこへ届けたらいいですか?」

先ほど購入した花束をどうしたらいいのか迷うように持っていると、雅が驚いたように見る。

「花束…?」

「はい。あの、以前友達にピアノの発表会に招待してもらった時に持って行ったことがあったので、今回も同じように招待してもらったので、、、、駄目でしたでしょうか?」

不安そうに七海が聞くと、雅がいきなり笑いだす。

「…あの…」

さらに恥ずかしくなりうつむくと雅がごめんごめんと言いながら七海の頭をなでる。

「綺麗な花束だね。えっと、じゃあ僕が責任もって香南のところに持って行くよ。」

「ありがとう、ございます。実はその、花束の他にまだあるんです。」

そういって七海は花束とその他のものを雅に渡した。










コンコン



ドアのノック音に気づき夏流が返事をする。

「はーい☆どなたー?」

「プレゼントスタッフのものです。今日届いてるプレゼント検査の終わったものだけ持ってきました。」

anfangのファンは過激なファンも多い。だから時に髪の毛やら婚姻届やらわけのわからないものまで送ってくる人がいる。

そのために一度プレゼントを検査し、大丈夫と判断した物だけメンバーに届けられる。

メンバーは荷台に積み上げられ運び込まれるプレゼントを見る。

「ありがとー!わー今回もいっぱいだねえ。」

「~♪流石にここまで来ると圧巻と言うような感じだね。」

「一番はやっぱ香南かあ。すげえなあ。」

それぞれ名指しで送られたプレゼントはそのメンバーの名前が書いてある段ボールに入ってくる。いつも一番段ボールが多く積み上げられているのは香南だった。

「どう?一番プレゼントをもらった感想は???」

夏流がレポーターよろしくマイクを持つふりをしながら椅子に座りながらぼっとする香南に問う。

「いらねえ。」

「んー香南君、今日も興味なしだねえ。」

「ぶう!もーこんなに可愛いぬいぐるみくれるんだよ!?」

夏流が香南の目の前にある机までぬいぐるみを持ってくる。しかし一向に見向きもしなかった。

それどころかため息をつき夏流の方を睨む。

「俺は、いらないと何度もラジオで言った。」

「ま~なあ…」

燎は前回のラジオ出演の時を思い出す。

ツアーの途中で出演し、プレゼントの話題になった時だ。

他のメンバーはこんなものが欲しいあんなものが欲しいと色々言っていたのだが香南はただ一言、「いらない」だった。

流石によくないと他のメンバーがフォローを入れようとするが、効果無しだった。

しかし、それをクールでかっこいいと捉えたのかさらにプレゼントが増えているのが現状である。

「もー!じゃあこのぬいぐるみもらっちゃおうっと☆」

「好きにしろ」



「じゃあ、この花束も僕がもらっていいのかな?」



ノックもせず入ってきたのは少し大きな花束を持った雅だった。

「は?」

香南が眉をひそめる。

他のメンバーが不思議そうに花束を見つめた。

「花束?なに、プレゼントで持ってきてくれたの?」

燎が見つめる。今どきバンドに個人で花束を持ってくる子なんていないからだ。

「そう。今どき凄いよね。誰だと思う?」

雅が香南を見つめながら尋ねる。

「まさか…」

気づいたのか突然立ち上がり花束を取りに来る。

「えっ、もしかして七海ちゃん?」

「大正解。」

一瞬皆黙るとそれから一斉に笑いだす。

「う~ん七海ちゃん、やってくれるねえ、ふふふっ」

「すげえ、ピュアだな。七海ちゃんって子は。ははは!!」

「ふふっ!!もー七海ちゃん可愛すぎー!」

「…お前ら…」

香南は3人を睨む。しかし効果がないようで七海ちゃんすげーとずっと笑っていた。

「あ、ちなみにこれも」

そういって雅に渡されたものは、2枚の画用紙と手紙だった。

まず2枚の画用紙を開いてみると、美羽と瑠唯が描いた香南の絵だった。

3人も覗き見るとさらに笑いだす。

「すげー!!双子ちゃんだっけ?やるなあ。何この仮面Xマンって??」

どちらの絵にも香南が歌で仮面Xマンと描いてあるやつと戦っているものだった。

睨んでも効果がないとわかったのか香南がため息をつく。

「子供向け番組のヒーローだよ。二人とも好きなんだ。…七海に俺とこいつのどっちが強いか聞いたことあるらしいからそれ思って描いたんじゃねえの」

すこし照れくさそうに説明をする。

これまた一瞬黙りこんだ3人が再び笑いだす。

「ふははっ今日のネタ決定ー☆」

「すげー!!俺ら仮面Xマンとやらと戦ってんのか!!負けないようにしねーと!」

「うーんしかし、彼に勝つのは至難の業だねえ、、ふふふっ」

もう我関せずというように最後の手紙を持って後ろのカーテンが引ける畳の場所まで移動する。

「えーっそれ見せてくれないのー?」

ぶうと頬を膨らませながら夏流がたずねる。

「当たり前だ。それ以上笑うな。」

一睨みきかせるとカーテンを閉める。

そして小さなため息をつき手紙を開く。

それは思っていた通り七海の手紙だった。



今日は本当にありがとうございました。

美羽と瑠唯、もちろん私もも本当に楽しみにしています。

3人で一生懸命応援させていただきます。

香南さんも楽しく歌ってください。

客席からずっとエールを送っています。



一つ一つの言葉に暖かさが宿っているように、香南はだんだん心が暖かくなるのを感じた。

するとノックが聞こえる。

「すみません。スタンバイ、お願いします」

夏流がはーいと応える。

「香南。スタンバイ。」

「ああ。」

カーテンを開けると3人はもう廊下の方にいた。

「靴、ちゃんと縛りなおせ。先行ってるから。」

「ああ」

ややこしい靴を履いているため、いつも本番まで靴のひもを緩めている。

ちゃんとはき直すと花束が目に付く。




しばらくして香南は花束をぎゅっと抱きしめる。



香南さん!

ありがとう、ございます



目を閉じると脳裏に七海が浮かぶ。







大丈夫






花束をそっと置くと

サングラスを取り舞台袖に向かった。







えーと、花束に関しては私ほとんど知らないので、ライブに花束持って行くの普通だぜ!と言う方本当にすいません。



それにしても香南ひどい人ですね(笑




お気に入り追加いつもありがとうございます。

前回もやっておりましたが、少しだけリクエストを受けつけようと思っておりますので、リクエストしたいぜー!と言ってくださる方は朱希のページの活動報告の方にてリクエストしてやってください。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ