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第四章:悪夢

闇。暗黒。無。アレックスは、始まりも終わりもない永遠の中を彷徨った。

匂いもなく、音もなく、聞こえるのは自分の心臓の鼓動だけ。ドクン、ドクン、ドクン。次第に速くなる鼓動。ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……

虚無。彼は迷子になったような感覚に囚われた。遠くにかすかな光が見えた。非常に弱い光だったが、この寂しい場所ではまるで太陽のように思えた。アレックスはその光に近づこうとしたが、うまくいかなかった。自分の動きが存在しないかのようで、何の効果もないように感じられた。希望のわずかな兆しとの距離は縮まらず、光はそのまま固定されていた。死のような静寂の中、声が響いた。甘く、優しく、女性的な声。アレックスは身震いした――その声が自分を呼んでいた。驚愕しながらも、彼はその音の方へ向かおうとした。呼び声の源に向かって走り出したが、やがて止まらざるを得なかった。何かが道を塞いでいたのだ。壁があるかのようだったが、実際には触れるものも形も存在しなかった。どこにも通り道はなく、手探りで進もうとした。その間に、声はますます強く、しつこくなった。アレックスは集中できず、頭が響き渡った。

突然、爆弾が炸裂したかのような轟音が響いた。しかし、目に見えるものは何もなかった。アレックスは、未知で暗いこの場所からの脱出方法を探し続けた。すると再び、先ほどと同じ轟音が鳴り響いた。しかし今回は何かが違った。目に見えない壁に小さな亀裂ができ、それが徐々に広がり、光が差し込むようになったのだ。少年はしばらくの間、立ち尽くしてその出来事を見つめ、どう行動するべきか考えた。暗闇の中に留まるべきか、それとも光の中へ飛び込むべきか。迷いはあったが、アレックスは光のポータルをくぐることにした。状況を悪化させないことを祈りながら。強烈な光が彼を包み込んだ。熱とエネルギーが体中に広がる。まるで空中に浮かんでいるかのようで、あらゆる邪悪や闇が消え去ったかのようだった。彼は守られていると感じた。しかし、その心地よい感覚は長くは続かなかった。数秒後には消え去り、アレックスが目を開けると、そこには新しい世界が広がっていた。

夜は広大な植物地帯を支配していた。冷たく、色彩はなかった。空には満月が血のように滲み、地平線へ滴り落ち、深紅の反射を作り出していた。まるで傷つき、泣いているかのようだった。そのローカス・ホリドゥス(恐ろしい場所、荒涼とした不気味な空間)の中心には、小さな石畳の道が一本だけ伸びており、先へ進むことを誘っていた。決して安心できるものではなかった。道の両脇には無数の十字架が並び、死への道を伴うかのように立っていた。左側の十字架はすべて逆さまになっていた。アレックスはその道を進み始めた。影たちに囲まれながら。心は安らかではなく、誰か、あるいは何かに見られているような感覚があった。周囲を見回したが、十字架の墓地以外には存在の痕跡はなかった。

すべてが静まり返っていた。

霧が降りてきた。小道は次第に幻想のようになり、すでに不安定だったアレックスの方向感覚は完全に失われた。彼は霧の中を手探りで進んだが、突然立ち止まった。ショック状態だった。目の前に影が現れた。黒い煙のようなもの。空中を漂っていた。形が次第に明確になっていく。それは翼を持つ人間だった。その人物は動かず、アレックスをじっと見つめた。少年はどうすればいいのか分からなかった。アレックスは奇妙な感覚に包まれた。恐怖を感じながらも、同時にその姿に惹きつけられていた。触れたい、感じたい、呼吸を共にしたい――そんな衝動が湧き上がった。突如、翼のある男は変容を始めた。右側は純白で輝き、清らかさに満ちた翼の羽から光が放たれ、まるで光子の宝石でできているかのように見えた。左側はさらに暗さを増し、陰鬱で恐ろしい存在感を放った。その生き物の左右非対称さ、異質さは、神々しくも幽玄な美しさを生み出していた。その光景に比肩するものは何もなかった。翼のある存在は徐々に近づき、ついにアレックスに触れた。少年は完全に身動きが取れない状態だった。温もりと冷たさ、善と悪の両方を感じた。逃げようとは思わなかった。ただ受け入れた。そして、そうなった。二人は一つになった。唯一無二の存在として。力、全能感、支配の感覚――その力は少年にとって神秘の蜜のようであり、翼のある男と肉体と魂を共有することで完全に一体となったのだった。

アレックスは目を再び開いた。すべてが消え去っていた。彼は出発地点に戻っていたのだ。再び虚無の中に、闇の中に迷い込んでいた。先ほど味わった狂乱と高揚の記憶が、彼を苛んでいた。その快楽の瞬間は、心と体に深く刻まれていた。突然、存在を感じた。誰かが自分を見つめている――。その目で彼は見た。あの午後、電車の中で見かけた男だった。彼はここまで追ってきたのだ。アレックスは走り始めた。止まることなく、ただ走り続けた。どうすればいいのか、どうやって逃げればいいのか、分からなかった。そして地面に倒れた瞬間、あの幽体のような男が彼に覆いかぶさった。


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