第七章:奇妙な二人組
アレックスは目を開けた。目に映った光景は、見覚えのないものだった。――違う場所だ。彼は混乱していた。右へ視線を向けると、友人のルーベンがそこにいた。次の瞬間、彼は反射的に跳ね起きた。……すべて、現実だった。悪夢ではなかった。本当に、起こってしまったのだ。目覚めた瞬間にかすかに感じた安らぎは、瞬き一つの間に消え去った。悲しみ、痛み、そして孤独が、すでに壊れかけていた彼の魂に再び広がっていく。ルーベンは瀕死の状態だった。もう二度と、友人にも家族にも会えない。彼は不和の渦に呑み込まれてしまったのだ。これから先の人生、苦痛が彼の付き添い役になるかのようだった。立ち上がってはいたが、身体は言うことを聞かなかった。彼は何分ものあいだ、その場に立ち尽くし、ベッドに横たわる友の姿を見つめ続けた。青白い顔。そこには、もはや光は宿っていない。額に残るはっきりとした傷と、冷え切った肌が伝えてくる感覚は、ただ一つ。――死。
思考は、答えのない問いと疑念に満ちた無限の宇宙を彷徨った。彼らは、本当に彼を救えるのだろうか。たとえ救えたとしても、彼は受け入れられるのだろうか。愛する者たちから離れ、逃亡者として生きる未来を。分からなかった。誰にも、分からなかった。だが、ひとつだけ確かなことがあった。
それは、石に刻まれたかのように動かぬ事実だった。――すべての原因は、自分だ。自分の存在。自分が、そこに在ったこと。それが、このすべてを生み出した。罪悪感が、内側から彼を食い尽くしていった。やがて、ようやく動く力を取り戻した。いつまでも彫像のように立ち尽くしていても、意味はなかった。彼は洗面所へ向かい、顔を洗った。少しでも癒しや活力を得られることを願って。だが、得られたのは、顔を伝う冷たい水だけだった。タオルで顔を拭いたあと、セレーネを探してリビングへ下りた。そこは静まり返っていた。物音ひとつなく、気配もない。――独りだ。どこかの部屋で、まだ眠っているのかもしれない。そう思い、彼女の名を何度も声に出して呼んだ。だが、返事はなかった。外出しているのだろうか。アレックスの胸に、不安が広がった。――彼女も、自分を置いていったのか?いや、きっと違う。理由は、他にあるはずだった。彼はソファに腰を下ろした。近くの棚に置かれていた雑誌を何冊か手に取り、キッチンの棚で見つけたビスケットを口にし、冷たい水を少し飲んだ。
すでに一時間が過ぎていたが、少女の姿はまだどこにもなかった。そのとき、家の前の小道から人の気配がした。――セレーネだ。戻ってきたに違いない。アレックスは、思わず安堵の息を漏らした。それでも、彼女に置き去りにされたのではないかという疑念は、完全には消えていなかった。彼は一番近くの窓へ向かい、カーテンをわずかにずらした。自分の姿に気づかれないようにするためだ。母親の帰りを待つ子どもみたいには、見られたくなかった。――違う。そこにいたのは、セレーネではなかった。家の正面には、男女が一組、並んで立っていた。男は背が高く、がっしりとした体格で、淡い青色のシャツに、ごく普通のジーンズを履いていた。年の頃は三十代前半だろうか。だが、顎を覆う濃い髭のせいで、判断がつきにくかった。女はとても可愛らしく、見たところ男よりも若そうだった。
赤い髪を高い位置でポニーテールにまとめ、サングラスをかけ、ジョギングにでも出かけるような服装をしていた。――ごく普通の人たちだ。アレックスは、特に警戒しなかった。彼らを数分間、ぼんやりと眺めていた。時間を潰すためでもあり、友人の帰りを待つ間の気晴らしでもあった。二人は楽しそうに話し、笑っていた。長年の友人同士なのだろう。もしかすると、それ以上の関係かもしれない。そのときだった。二人は突然動きを止め、会話をやめた。そして、同時に、何かに同意するかのように、ゆっくりと首を縦に振った。――誰に?外には、他に誰もいない。次の瞬間、二人は勢いよく振り返り、窓のほうを見た。アレックスは反射的に身を引いた。気づかれていないことを願いながら。だが、自分でも分かっていた。――そんなはずはない。足音が聞こえた。だんだんと近づいてくる。家の扉の前で、足音は止まった。――コン、コン。ノックの音が、静寂を切り裂いた。
「おはようございます。お隣に住んでいる者です」女性の声だった。
「昨日の夜、大きな物音が聞こえたので……何かあったのではないかと心配になって。皆さん、ご無事ですか?」その声はあまりにも優しく、安心感があった。思わず扉を開けてしまいそうになったが、アレックスは動かなかった。そして、沈黙を守った。
「おーい! 誰かいませんか? いるのは分かってますよ!話がしたいだけです!」今度は男の声だった。「アレックス! いるんだろう?」




