婚約者が無能だったので助かった
「マリアンヌ、貴様はどこまでも使えない女だな」
上から目線で、金髪の男性が、銀髪の女性を罵っている。女性の名はマリアンヌ。
男性の名前は、フィール。
「申し訳ありません。フィール様のためになればと思い」
「くだらぬ手助けをするな!!」
紅茶のカップを叩き割るフィール。そこまでしなくてもいいだろうに。
フィールは、超上流階級の男性。いわゆる一流。
対してマリアンヌは三流だ。爵位もたかが知れている。
「私は優秀なのだ。お前の手助けなど無くても、立派にやってゆける。むしろ、お前は邪魔だ、マリアンヌ。お前との婚約は破棄する」
「え?」
マリアンヌは目を見開いた。いい意味で。
「さっさとフィール侯爵家から出ていけ。これから、私は一流の茶話会があるのでな。出ていけ。お前に居場所など、もう無い」
「……わかりました」
俯くマリアンヌ。しかし、その内心は。
死ぬほど笑っていた。
愚かすぎるフィール。
マリアンヌは確かに、階級こそ高くない。
しかし、莫大な魔力を有していたのである。
その魔力で、フィール侯爵家は成り立っていたのである。
マリアンヌは、こいつ馬鹿だな、早く別れたいな、と思っていた。
「フィール様、ご迷惑をおかけしました。私はこの場で去ります」
「二度と来るな!!」
「はい」
内心、満面の笑み。
結果、二度と来るな、というよりは、二度と行けないようになったのである。
マリアンヌの加護が無くなり、フィール侯爵家は廃退。
最後に、マリアンヌに縋るようにフィールが手紙を出してきたが、
マリアンヌはそれを暖炉の薪に突っ込んで燃やした。
「暖炉は温まるなぁ」
幸せな独身生活。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
下の☆☆☆☆☆で評価、またはブクマなどをしてくださると、とても励みになります!




