僕は怪しい人物らしい
「な、なんでしょうか?」
2m近い身長にアメフト選手みたいな横幅、厳つい鎧と身長と同じくらい大きい斧を装備した男性に呼び止められて完全に萎縮してしまう。
「街に入るなら身分証をだしな」
「身分証…ですか…」
どうやら門番のような立場の人らしい。
と言うか身分証なんて持ってないよ…この世界は街に入るのに身分を証明する必要があるの?
「す、すみません、身分証は持ってない…です」
「お前、正体不明の流浪人か」
「あ、あんだらー?」
「たまにいるんだよ、お前みたいに身元不明の怪しい輩がな。そういう奴らの総称だな」
一瞬なんかカッコいいと思ったけど意味は全くカッコよくなかった。
それにしても身元証か…このままだとメチャクチャ怪しい人というレッテルを貼られ続けてしまう。
どうにかして身分証を手に入れたいけど…
「あの、すみません」
「何だ?」
「身分証を手に入れるにはどうしたらいいんでしょうか?」
「アンダラーが手に入れられるのは冒険者としての身分証だけだな」
「冒険者?」
その名の通り冒険をする人のことだろうか…
「冒険者については冒険者ギルドに行って説明を受けてこい。お前の名前は?」
「群藤 宝です」
「名前はグドウでいいのか?」
「あ、宝が名前です」
「タカラ・グドウだな、アンダラーにはこの腕輪をつけてもらう」
右腕に石造りの腕輪をつけられる。
「これは?」
「防犯用の道具だ。この道具をつけているやつが悪事を働くとって感じだな。話してる限りお前が何かしでかす度胸があるとは思えないが」
「あはは…」
なるほど、これがアンダラーに対する抑止力になるわけか、悪事を働くとなにが起こるのかちょっと気になるけど…何もする気はないからいいか。
「お前の身分が証明されるまで見張りをつけさせてもらう。セキュルト!」
「は、はい!不肖セキュルト・ニューマがその任務全うさせていただきます!!」
身長は160くらいでコンパクトな鎧に細身の剣を携え、水色の髪を右側頭部に纏めた(サイドテールって言うんだっけ?)女性が門番の男性に呼ばれてやって来た。
声が上擦っていてガチガチに緊張してる様子だけど新人さんなのだろうか?
「それじゃあ大人しくついてきて下さい、ギルドに案内します。少しでも妙な動きをしたら唯じゃおかないですよ!」
「気を付けますね。案内の方よろしくお願いします」
ーーーーー
「ここってどんな街なんですか?」
ギルドに向かう途中、少しでも街のことを知ろうとニューマさんに話しかけてみる。
「ここは鍛冶が盛んな街です。ここの近辺では鍛冶に必要な鉱石などの素材がよく採れるんですよ」
「鍛冶と言うとやっぱり剣とか鎧とかですかね?」
「えぇ、この街で作られた武具は評判が良く遠方から態々来られる方もいます」
鉱石にそれを使った武器防具…集めたいなぁ。
「初めて武器を持つ人の為の初心者用装備から熟練者が扱う業物まで幅広く扱っていてどんな人でも痒いところに手が届く、そんな装備がほぼ確実に手に入る街ですね」
「となるとニューマさんの装備もやっぱりこの街で?」
「はい、5年は使っていますがまだまだ現役です」
大事そうに剣に触れるセキュルトさん
5年も大事につかっているから愛着が湧いているのだろう。
それだけ大事にされていれば使われている装備も本望だと思う。
「着きました、ここが冒険者ギルドです。」




