収納スキルの活用(2)
「お二人はこの後どうするんですか?」
ニューマさんから串焼きをご馳走になり、椅子に座って談笑していたところそう尋ねられる。
どうしようかな?ちょっとした依頼ならこなせるくらいの時間はありそうだけど…採掘で疲れちゃったんだよね。
「さっき受けていた依頼でだいぶ疲れが出ちゃったんですよね。タンドップさんはどうですか?」
「わたしも疲れが…正直、宿に戻ってゴロゴロしたいくらいです」
最初から収納スキルで採掘をやってればこうはならなかっただろうなぁ。
せっかくもらったスキルなんだからもっと使うように意識しないと。
「そうでしたか。だとすると難しいか…」
疲れがある、そう答えるとニューマさんが残念そうな顔をしながら呟く。
どうしたんだろうか?
「何かあったんですか?」
「いえ、大したことではないんですけど…ちょっとお願いしたいことがあったんです」
「お願いしたいこと?なんですか?」
「実は、失くし物を捜すのを手伝ってもらえないかと思いまして」
「失くし物?」
「何を失くしたんですか?」
「防護石というものです」
防護石…護ってくれそうな名前だ、どんな物なんだろうか?
「防護石は主に防具に装着する石で、着けることによって防護石の種類に応じた加護が得られるんです」
「防具に着けるってことは…ダメージを減らしたりとかですか?」
「その通りです。防護石には色んな種類があって、例えば赤い防護石は炎の加護を得ることができ炎系のダメージを軽減できます」
めちゃくちゃ良いアイテムじゃないか!?
それを失くすなんて一体なにが…
「な、なんで失くしちゃったんですか?」
「私はこの街の警備をしていて、昨日の夜に街でちょっとした騒ぎがあったんです。ちょうど近くにいた私が騒ぎを制圧しましたが、その際に防具から外れてしまって…捜したものの、夜ということもあり暗くて見つけられず、午前中も捜したんですが…」
「見つからなかったと」
「はい…この後も捜すつもりで、複数人であれば効率よく捜せるのではと思いまして」
確かに複数人の方がよさそう、防具に着けるくらいだから小さい物だろうし。
ご飯をご馳走してもらったし、少しでも手助けしてあげたいな。
「そのくらいなら大丈夫ですよ、僕でよければお手伝いさせてください」
「グドウさんがそう言うなら…わ、わたしも…」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
それに収納スキルで少し試したいことを思い付いたんだよね。
ーーーーー
「ここで失くしてしまったんです」
「これは…」
「雑草だらけですね」
やって来たのは街の隅にある空き地…なんだけど、雑草だらけで地面が見えない状態になっている。
手入れを怠った庭…みたいな感じかな?
そんなに広くはないけど、これじゃあ小さいものを見つけるのは難しそう。
「すみませんが協力お願いします。騒ぎがあったのは奥の方なのでその辺りを中心に捜しましょう」
「あの犬がいれば匂いで捜せたかもしれないんですけど…」
「いつの間にかいなくなってましたもんね」
そう、いつの間にやら青い毛並みの犬がいなくなっていたのだ。
朝みたいに食べ物をもらってどこかに走り去っていったのかな…まあ、いないならしょうがない、試したいことを試しつつ捜すことにしよう。
「騒ぎがあったのは大体ここ、防護石が外れてるのに気付いたのもこの辺りです」
「こうかな?それとも…」
「…えっと」
「グドウさん?何をしてるんですか?」
タンドップさんとニューマさんから疑問の声が上がる。
僕の行動が不可解なのだろう、端からみたらそう思われても不思議じゃない。
「何故、雑草に手をかざしているのですか?」
「ちょっと僕のスキルで見つけられないかを試しているんです」
「グドウさんのスキルですか?」
思い付いた試したいこと、それは…スキルに収納する際に実物を見る必要はあるのかどうかだ。
いつもは目の前に直接ある物を収納していたけど、どんな物かが分かれば頭の中で思い浮かべて見なくても収納できるのかなって。
例えば、スキルが磁石でしまいたいものが砂場の砂鉄みたいな感じで引き寄せられる…って考えたけど、上手くいくかな?
「…だめかな?」
数分、周りの雑草に手をかざしてみる。
上手くいかなかったかと思い諦めようとすると…
【防護石(耐衝撃)×1】
「あ!ありましたよ!」
「え、もう見つかったんですか!?」
「多分ですけど…これですか?」
スキルからしまわれた防護石を取り出してニューマさんへと渡す。
「…これです!ありがとうございますグドウさん!結構高かったんですよこれ、見つかってよかった~」
「本当に便利ですね、グドウさんのスキルって」
「初めての試みでしたけど上手くいってよかったです」
とりあえず役に立てたみたい。
もしかしたら他にもスキルの活用方法があるかもしれない、また思い付いたら試してみよう。




