6話
2月21日、俺は退院する事になった。
えっ!?いきなり退院!?とか言わないで欲しい。
いやね……こうテンプレだとエリザベス先生とか目が覚めた時に会った看護師さん(後に中村さんと判明)とかを嫁にするとかあるんだろうけどね。
俺って生粋の箱入り息子なのよ。彼女いない歴=年齢どころか女性とデートすらした事が無いんだぞ?そんな俺が女医さんや看護師さんを口説く?無理無理。
寧ろ逆に聞きたいわ。いくらイケメンになって若返ったからって言ったって中身は俺だからね?何でこのジャンルのテンプレでは主人公は急にイケイケになれるの?お前達中身は非モテだっただろ(俺よりはだいぶマシだけど)!!
あと、俺に対する配慮で女性との接触をなるべく減らすって方針だった様で俺が入院生活中に会ったのはエリザベス先生と看護師の中村さんだけだからな?女医さんや看護師さんを何人も嫁にするとか物理的に無理だから……
話を戻すけど、検査の結果異常は無かった。依存症とか後遺症も入院中に見ている限りでは無さそうだと言われた(勿論、退院した後に異常があればすぐに病院に来るようにと言われた)。
そんな訳で家に帰るのだが――
「さぁ春ちゃん車に乗って」
あ~うん……俺が知ってる普通の普通車だった(4人?5人乗り?位の)。
「母さん、運転できるの?」
「基本は自動運転だから。勿論、運転も出来るわよ」
母さんがエヘンと胸を張ってドヤ顔で言う。
「空飛ぶ車とか……」
恐らく平行世界の150年先の未来だから空飛ぶ車があってもおかしくないと思ってたんだけどなぁ……
「ホバーカーは覚えてるのね?でも、ホバーカーは本体価格も高いし維持費がね……」
聞けば空飛ぶ車はホバーカーと呼ばれ最低でも本体価格は3000万からでその上税金や保険や安全の為の定期点検などの維持費が高すぎて上流階級の人間しか持てないらしい。
「ホバーカーが故障とかトラブルで落下したら下にいる人や建物の被害が甚大でしょう?だから、キチンと賠償とかが出来る財力を持った人しか所持できない様になっているの」
なるほどと思った。確かに飛行機事故は言い過ぎにしても何百キロとか何千キロとかのデカい鉄の塊が落ちてくる訳だから何かあった時の為にって考えると納得しかないな。
「ホバーカーの話はこれ位にして家に帰りましょう」
おぉ!?動き出した。ってそんな驚く事でもないか……何せ俺がいた時でさえ、ちょっ待てよ!!の台詞で有名な人の車のCMで高速道路に限って自動運転出来ますって見たもんなぁ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。
ホバーカーの設定は我ながらなかなか良かったのではないかと自負しています。