表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/238

5話

細かい設定で読む気失せると言う方もいらっしゃるかとも思いますが大丈夫です。


拙作を読んでくださっている読者の方は恐らく貞操観念逆転というジャンルを読んだ事がある方が多いのではないかと思います。


つまり、細かい設定はパクリだと言われない為に必要な事であって、テンプレです(ぶっちゃけた)。

 無理だけど無理ですで終わると日本は滅びる訳で……


 そこで、2100年代、後が無い政府は人類生存法を制定した。


 この人類生存法は、男性を優遇する事で性行為をして貰って何とか男性の数を増やして男女比を戻すんだと言う気概を感じる内容だ。だけど、そうするしかない様な気はする。だけど、結果的にこれは失敗だった。


 それはともかく、具体的な内容は男性は何人の女性と結婚しても構わなくなった。一夫多妻制が解禁されたのだ。まぁ、男女比が偏っているし、男女の性行為で男性の数を増やすとなればこれは当然だろう。


 あと、男性側の量刑は死刑を廃止して全て罰金プラス精液となった。勿論、罪の重さによって罰金の額や精液の提出量の差はある。


 うん……言葉を失ったよ。死刑は男を殺すのは勿体無い的なのでまだ理解できなくは無いが、これは……わざと罪を犯す男続出だろと思ったがそうはならなかった。


 そりゃあそうだ。男性側に女性や女性との性行為を嫌悪している感情が蔓延しているからこそ罰になるんだと考えれば納得できる。俺が持っている貞操観念とは別物なのだと改めて実感した。


 だけど、一つ考えられる問題がある――冤罪だ。


 不同意性交等罪の事が頭をよぎった男性は多かったが、そこもキチンと考えられていた。そう、今回は不同意性交等罪の逆パターン――つまり、男性優位なのだ。


 よっぽど悪質かつ確実な証拠が無い限り男性を罪には問えなくなったのだ。


 なら、男性の犯罪率が上昇したのかと思えばそうでもなかった。寧ろ減ったのだ。罰が罰金プラス精液だった為だ。コレを聞いて男性側の女性嫌悪は根が深いと思った。  


 ここまですれば少しでも男性の赤子が増えて男女比が少しでも戻るかと思ったが、そんな事は無かった。


 何故か?男性の一夫多妻制は解禁されたが、一夫多妻はほとんど無かったからだ。それ所か婚姻数すら減ったのだ。


 これはまぁ男なら気持ちは分かる。いくらこれから先、男女比がもっと偏れば人類滅亡の危機だ。協力してくれって言われても実感を感じられないし、そもそも50年近い恨みが積もっている。


 更に量刑が精液だ。これはもう男が必要とかじゃなくて精液が必要なだけだろ?と思われても仕方が無い。

 

 だって、引き続き男性特別措置法は形を変えて、人類生存法に引き継がれたのだから……まぁ、住民税以外にも所得税も男性には課されないってのはデカいとは思うけどさ。


 ここまで執拗だとなぁ……気持ちは痛いほど分かる。


 政府馬鹿すぎじゃねぇ?何で同じ男の気持ちが分からねぇの?って思ったけど、それは間違いだった。昔ならいざ知らず2100年代ともなれば男女比が1:4近くなっていた。


 つまり、政府の男性議員と女性議員の比率も逆転していたのだ。だから、男性側の心理が十分に分かっていなかったのだ。女性側の何とか男女比を戻す為にと言う現実的と言うかドラスティックな政策は裏目に出た。いやまぁ何て言うかさ……男の方がロマンチストで女の方が現実的って言われるけどその通りだなと思ってしまった。勿論、個人差はあるだろうけどさ。


 そして、2120年代に男女比がとうとう1:4になった。流石にこれ以上男女比が深刻になれば取り返しがつかない事になると考えた政府はなりふり構わず最後の手段に出た。


 それが、男性特別法だ。これは凄い。本当に凄いと思った。32歳の市原春人のいた日本でこんな事をすれば大変な事になると断言出来るくらいの内容だ。


 まず、男性に一切の税金を課する事は無くなった(消費税は除く)。これは凄い。保険料から相続税など一切男性が払う事は無くなった。


 次に病院の治療費はどれだけ掛かっても男性負担は無い。年金も50歳から今まで提出した精液の量によって貰える額が変わるがキチンと貰える。これも凄い。


 そして、税が無くなったら精液は?と思ったが、提出する義務は変わらないがお金が貰える様になったのだ。しかも、提出量が多くなればなるほど貰える金額が増えるのだ。


 更に女性から男性への犯罪行為はどのようなものであっても女性から女性への犯罪行為より罰則が厳しくなる事となった。


 ただし、一つだけ義務が追加された。それは婚姻の義務だ。最低でも一人以上の女性と25歳までに婚姻をし()()()()()()子を一人は設けなければならないというものだ。ただし、その子供に関しても生まれた子が男児であった場合一時金として500万円、女児でも100万円支払われる事になっている。


 男性は歓喜した。勿論、嫌悪する女性と婚姻し性行為をして子供を設けなければならないのは苦痛の極みだ。しかし極論、その義務を果たせば働かずに一生を過ごす事が出来るのだ。


 そして、この政府の異次元とも言える男性特別法は当たった。一夫多妻が劇的に増えたのだ。このままいけば男女比を少しづつでも戻す事が出来るかもしれない。


 そう思った矢先、同じ2120年代後半に女性側の不満が爆発した。爆発したのは男性に選ばれなかった女性たちだ。その女性たちから男性への性暴力が横行したのだ。


 これによって男性側は一夫多妻を止め、最低限の一人とだけ婚姻するようになり元の状態に戻ってしまった。


 政府は驚きと怒りを感じた。折角上手く言っていたのに一部の女性が全てをぶち壊したのだ。


 原因は何だったのか?選ばれた女性から選ばれなかった女性へのマウントだった。勿論、他にも男性を優遇し過ぎている事への不満等もあったが、大元はコレだ。


 本来なら味方と言うか男性が優遇される事に不満を持つ気持ちが理解できる筈の同じ女性からのものだからなぁ……


 いやまぁこれ32歳の市原春人の世界でも男女問わずあった事だ。既婚者から独り身の者に結婚は良いものだぞと言われるとかあとは偏見かいい年して独り身なのは何か問題があるからだと思われるとかね?


 そこで政府は対策を講じた。まずは男性への性暴力を行った女性は無期懲役か死刑ととんでもなく厳罰化した。その他には夫婦別姓(選択制ではない)や結婚式に友人を呼ぶ事を禁止等々である。


 女性側はそれで良かったが男性側は深刻だった。何せ被害者だったからだ。男性側には女性への嫌悪以上に恐怖が刻み込まれた。


 そして起こった大問題がある。男性諸氏は想像がついただろう。EDである。エンディングテーマの方ではない。


 ここまでくるとなんかもうね……日本滅びろとでも言わんばかりだなと思う。


 しかし、捨てる神あれば拾う神あり、人間万事塞翁が馬というヤツだ。


 2130年代前半に極端な男性優遇政策をしている日本に移住してくる外国人の男性が増えたのだ。でもまぁ、そんな事してたら日本は各国から責められる訳で……


 結局2130年後半以降他国の男性への勧誘や移住を勧める政策は世界中で禁止となった。日本にも言い分はあると思うが圧力には勝てなかったんだろうな。それに、危機感を感じた各国も男性優遇の政策を取り始めた為、日本は他国の男性から聖地扱いされているそうだ。


 そこでピンときてしまった。高田()()()()()先生だ。日本でエリザベスって名前で苦労したんだろうなとか思って勝手に親近感が湧いたけど……俺の見当違いだな。こういう背景があったならエリザベス先生みたいな人は少なくはないのだろう。


 そんな事より日本の男性のED問題だが……まぁ、無理なものは無理だよね。


 あと、何で全体では男女比1:5なのに俺たち世代は1:10なのかってこれが理由だったんだろうなぁ。ED地味に恐ろしいな。


 そこで、2140年代、政府は更に男性優遇を奨励する。公共交通機関の男性専用車両や男性専用の娯楽施設や大型複合施設だ。そして、学校の話だ。女性に恐怖を感じない様に小さい頃から女性との接触をなるべく減らすと言う政策を打ち出した。


 具体的には男性専用保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校の設立だ。大学は共学だが、そもそも大学まで進学する男性が少ない様だ。まぁ、精液渡せば働かずに生きられる世界で大学まで進学しようとするのはよっぽどの人物だけだからって事なのだろう。


 これは正直どうなんだ?と俺は思うが、政府は必死だったんだろうなとも思う。EDになった男性が増えて日本滅亡かと思われたら外国の男性のお陰で首の皮一枚繋がった訳で……


 そしたらもう、極端な事をしてでも男性を守らないとと言う思考になってもおかしくは無いし理解も出来る。


 だけど、当然問題が起きる。32歳の市原春人の世界であった男子校、女子校育ち問題的なやつだ。


 男性が女性に恐怖を感じる事は減っただろうけど、今度は女性側も男性に恐怖を感じたりどう接して良いか分からないという問題が発生した。ままならんよなぁ。


 それならとばかりに2160年代に一部の男性専用の小学校、中学校、高校の一部を共学に戻した。


 それでも問題は起きる。今度は男性側の問題だ。春人イケメンが男子校の受験に失敗して自殺しようとした事で予想は付いたけどな……


 男性側の共学校への登校拒否である。でもこれは当然であると思う。今まで(と言っても男性専用が始まったのは約20年前だが)男子校が当たり前だったのに男子校を減らして共学にするってなったらそらそうよ(岡○監督風)。


 それにもう一つあると思われる。男性の中でのマウントだ。自分は共学じゃなくて男子校に通えるエリート的な?だから、余計に共学校への登校拒否が起こるんだろうなぁ……最初に共学でも通信制でも同じってのはそう言う事だった訳だ。


 でも俺が思うにさぁ……25までに最低でも一人の女性と婚姻して子供を設けないといけない義務があるのに、高校卒業って事は18――いや19まで女性を避ける訳でしょ……ぶっちゃけさぁ結婚出来るの?


 ただ婚姻届書くだけじゃなくて子供を一人設けないといけないでしょ……無理じゃねぇ?


 あっ!?でもこれ俺たちより少し前の世代の話だからこれから問題になるかもしれないな。


 だけど、まぁとにかくこの世界の事は軽くだけど理解した。


 その上で敢えて言う。面倒臭ぇなぁ!!!


 貞操観念逆転世界のジャンルだと男が理不尽に女を虐げてるからそんな男は良くない。男は変わらないとってカンジだけどさ……


 この世界では何とも言えんよなぁ。軽々しく男性が悪いとは言えん。言っちゃダメだろう。俺も一応男だし思う所はある。ある意味政府の方針に振り回されてる被害者でもある訳だから……


 だけど、このままなのは確実にマズいと思う。


 チクショーー!!


 そりゃあモテたいって言ったよ!!言ったけどさ……


 えっ!?ちょっと待って!?こんな世界じゃないとと言うか、結婚が義務の世界じゃないと俺はモテないって事!?

2月なので閏年あるかな?と思って2175年のカレンダーで検索したら出てきてビックリしました。因みにですが令和157年だそうです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ