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43話

 「映像は視聴しましたね?それでは続いて持参物の確認を行います。まずは皆さんは基本的には制服で行動して貰います。勿論、レクレーション時や夕食の準備の際や就寝の際は私服で結構です。それから当然デヴァイスは必須です。後は筆記用具もですね。タオルやシャンプーなどは施設にありますが、自分の愛用のものを持ち込む事は可能です。アレルギー等もありますからね」


 あ~私服か……寝巻は良いけど、動きやすい服とか汚れても良い服とかは改めて買いに行った方が良いかもな。一応、先月服を買いに行ったのは行ったんだが、男は恐らく俺一人で目立つから変な恰好をする訳にはいかん。


 「後はお菓子ですね。幾らまで等と言うつもりはありませんが、目に余る様であれば没収します。それと、ドライヤー等も施設にはありますが、数が限られているので持参した方が取り合い等にならないと思います。以上簡単に説明しましたが何か質問がある人はいますか?」


 先生が俺達の方を見回す。


 「はい」


 「宇津野さん、どうぞ」


 「はい。今回の宿泊研修に市原君も参加すると聞いたのですが、私たちのクラスはどうなるのでしょうか?また、他のクラスで男子が参加するクラスはありますか?」


 どうなるのでしょうか?って言う質問の意味は分かりかねるが、他のクラスの男子が参加するのかは気になるな。


 「そうですね……まず、他のクラスの男子は参加しません。男子は市原君だけです。質問に質問で返すのは良くないのですが、私たちのクラスはどうなるか?という質問は他のクラスとは別行動になるのか?という意味ですか?」


 やっぱ男子は俺だけか……あと、なるほどな。男子が俺だけだから別行動ってのはあり得るのか。


 「いいえ、私の質問の仕方が悪かったです。改めて質問します。このクラスの女子5人が他のクラスにばらけて、市原君は一人での参加となるのでしょうか?」


 あぁ…それも可能性としてはあり得るな。


 「私達教職員も悩みに悩んだのですが、市原君は1年3組の一員として参加します。他のクラスと別行動だったりはありません。しかしながら、当然部屋は男女別ですし、市原君の男性警護者の方も参加して頂きます」


 クラスとか学校に馴染む為の宿泊研修なのに、俺一人ハブとかなら行く意味ねぇよって思ったけど別行動にならなくて良かった。


 「ありがとうございました」


 「他に質問がある人はいませんか?」


 「はい」


 「京條さん、どうぞ」


 「はい。夕食の準備についてなのですが、それにも市原君は参加するのでしょうか?」


 おいおい、俺をそこら辺の男と一緒にして貰っちゃあ困るんだぜ。なんせ前世は飲食店で働いてたんだぜ?余裕のよっちゃんよ。


 「え~と……」


 先生が困った顔で俺を見る。


 「京條さん、僕も一応料理は出来ます。それに、先程の映像を見る限り材料と作り方は用意されている様なので足を引っ張る事はないかと……」


 「いえ!?あの!?違うんです!!市原君が料理できるかどうかではなくてですね……」


 うん?違うの?料理出来ないなら見ててね的な事を言いたかったんじゃないの?


 京條さんがトーンダウンしたので困って他の女子の方を見たのだが、全員が俺とは目を合わさない様に反対の方を向いてやがる。困ったので先生の方を向いた。


 「あ~そうですね……取り敢えず市原君も料理が出来るという事なので参加と言う事で……」


 先生もなんか言葉を濁したな。まぁ、質問の答えにはなってるけどさ……


 「他に質問がある人はいませんか?」


 「はい」


 「右田さん、どうぞ」


 「はい。バスで移動の際の席はどうするんでしょうか?その~市原君の隣とか……」


 「「「「「っっ!?」」」」」


 右田さんの発言で雰囲気が変わった。急に重苦しくなったぞ。


 と言うか、後で席決めするんじゃないのか?研修宿泊施設に行く時、博物館行く時、美術館行く時、天文台行く時、当然帰る時もある。


 「失念してました。例年はクラス毎に自由となっていましたが、今年のウチのクラスはそうはいきませんね……」


 えっ?自由なら別に決めなくて良いんじゃねぇ?


 「先生、決めておかないと他のクラスからも参戦者が現れるかと思われます」


 宇津野さんが苦々しい顔で言う。


 他のクラスからの参戦者って何だよ?


 「先生、市原君には補助席に座って貰えば枠が倍増しますがどうですか?」


 月坂さん、何で俺が補助席に座らないといけないの?席が余る筈だから座れるよね?あと、それは俺に言うべきじゃないかい?何で先生に言うの?


 「全てで補助席に座って貰うのは負担でしょう。三日ありますから一日一回、どこかで座って貰うのが現実的でしょう」


 先生も俺を強制的に補助席に座らせようとするのは止めて。あと、一日一回とか言う謎の配慮するならそもそも補助席に座らせないで。


 席が問題だって言うならこの提案が良いだろうな。


 「先生、僕の男性警護者が参加しますから、安全面を考えて隣は男性警護者に座って貰おうと思います」


 「えっ……そうですね。その方が良いと思います」


 その後、反省したのか先生を含めた全員に謝罪された。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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