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32話

 母さんが家を出て30分位経った頃、デヴァイスがある事に気付いた。


 朝食を食べてその片づけをしていた為気付くのが遅れたのだ。


 俺が忙しい朝に母さんに余計な話をした所為で忘れて行ったのだろう。


 母さんに連絡を取ろうにもその連絡の為の手段がここにあるので、連絡を取る手段が無い。


 母さんがデヴァイスを忘れて行った事に気付いて家に引き返してくれれば良いが……


 


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 母さんは戻ってこなかった。


 デヴァイスを忘れて行った事に気付いていないのか、気付いた上で一日位ならデヴァイスが無くても大丈夫と考えての事なのかは分からないが、デヴァイスを取りに帰らなかったのは何かしらの判断があっての事だろうと思う。


 俺自身も前世で携帯電話を家に忘れて出勤した事があったが、飲食店で働いていて自身の携帯電話を使う事はそうそうないので、家に取りに帰って遅刻するより休憩時間に取りに帰ったという事が何度かあった。


 ただ、母さんは飲食店で働いている訳じゃない。企業に自社の製品を売る仕事と言っていたので、連絡手段のデヴァイスは必要だろうと思うのだ。


 「これはアレだな……初めてのお使い母のお仕事先へ編って所か」


 母さんが必要ないと判断したならわざわざ俺が母さんの仕事先にデヴァイスを届けに行く必要は無いんじゃないかとも思う。勿論、これが別の日だったら俺もそうしただろう。だけど、負い目があるからなぁ……


 まぁ、タクシーに乗って母さんの仕事先に行くだけだから危険は無いだろう。


 男性警護者の二人はどうするんだって?まだ正式に契約を交わした間柄でも無いのに呼びだして母さんの仕事先に連れて行ってくれなんて言うのはどうかと思うんだよ。ましてや、今日も午後からお試しで警護してもらう事になっているしな。


 取り敢えずタクシーの乗り方をデヴァイスで調べる事からだ。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 調べてみて分かった事はタクシー運転手って言う職業の人がほとんどいない事が分かった。


 店員ロボットがいたのだから運転ロボットがいてもおかしくは無い。と言っても、車は自動運転だから運転ロボットって言うのも正しい表現かと言われると微妙なのだが……


 タクシー運転手はほとんどいないと言った。じゃあ、どこにいるのか?答えは観光地だ。運転を自動運転に任せられるのだから観光客に行く所の説明とかおすすめの場所を教えたりとかしてるらしい。なんかバスガイドっぽいなと思った。


 話がズレたが、デヴァイスでタクシー会社に家まで来て貰う。その時に行き先を言っておく。そうすると、タクシーに乗るだけでスムーズに目的地に行ける訳だ。


 という訳で、俺はデヴァイスで調べたタクシー会社に電話をして、母さんに貰っていた名刺に書かれている母さんの仕事先の名前と住所を伝えた。男からの電話で驚かれたが、10~15分位で家の前に来るそうなのでその時間に家の前に出ていて欲しいと言われた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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