29話
さて、家に帰ってきてキッチンに買ってきたものを置いたここからは料理パートだ。
まずはキクラゲを水に入れて戻す。
その間に鍋に水を入れて水を沸騰させる。そしたら、沸騰したお湯に豚肉を入れてボイルする。
ボイルする利点は、ボイルなら肉に火を通すのに時間が掛からない。生肉を中華鍋で炒めると鍋に引っ付く事がある(キチンと鍋ならししていれば大丈夫だが買ったばかりの鍋なのでその可能性が高い)のでそれが無くなる。豚肉は良く火を通さないといけないので火の通しが甘くて肉の一部が赤かったりとか逆に火を通し過ぎて焦げたりすると言った事が無い。などがある。
肉のボイルが終われば、タレ作りに入る。タレは中華の素とチリソースがあっただろ?と思われるかもしれないが、それはマーボー豆腐と回鍋肉だけだ。ニラ肉とムーシーロ―と青椒肉絲はタレを作る。
店で使ってたタレの再現は不可能だが、近い味の再現は出来る。醬油ベースのタレなのだが、濃口醬油と砂糖とオイスターソースを混ぜて作る。配合は具体的に醬油が何ccで砂糖が何グラムでオイスターソースが何ccでってのは言えない。自分の舌で調整をするからだ。
タレ作りが終わればニンジンを切る。ニンジンが切り終われば次にニラを切る。次は青椒肉絲用のピーマンを細長く切る。最後に回鍋肉用のキャベツを切る。これで野菜は終わりだ。タケノコは炊き込みご飯に入っている様な薄く切れてるものと青椒肉絲用の細いものが売っていたので切らない。
豆腐は自分で切っても良かったのだが、マーボー豆腐用の切れてるものがあったのでそれを購入した。
後は、ムーシーロ―の卵だ。卵を6個(卵の量は好み)割って溶いておく。
何から作るかは各自の好みによると思う。俺は取り敢えず青椒肉絲からかな。青椒肉絲って普通は牛肉だけど、時短の関係で今回はボイルしてある豚肉を使用する。
調理に移る前に中華鍋を鍋ならしする。その後、ピーマンとタケノコを投入して炒める。ある程度火が通ったら豚肉を投入して更にタレも投入する。タレが絡むように軽く炒めたら完成だ。
このままの流れでニラ肉を作る。もやしと人参とニラと戻しておいたキクラゲを投入して炒める。青椒肉絲と同じくある程度炒めたら豚肉とタレを投入してタレを絡める様に軽く炒めたら完成だ。
ここで、一度鍋を洗う。次はムーシーローを作るため、先に卵を軽く火を通す。この際、卵を円を描くように優しく丸める。また、火を通し過ぎると卵のふんわり感が無くなるので注意だ。
卵を作り終われば、鍋を洗った後に薄く切れてあるタケノコとキクラゲを投入する。コピペみたいでアレだが、ある程度火が通ったら豚肉と卵とタレを投入する。タレが絡むように軽く炒めたら完成だ。
次はマーボー豆腐だな。マーボー豆腐のひき肉は豚でも鳥でも合い挽きでもどれでも良い。個人の好みだな。今回は豚のひき肉にしてみた。
まずはひき肉を炒める。その後はマーボー豆腐の素に書かれてある作り方を参考に作って完成だ。
回鍋肉も同様なので割愛させてもらう。
最後はトリチリだ。トリチリの鳥は冷食の唐揚げを電子レンジでチンする。その間にチリソースを鍋で作る。今回買ったチリソースは一瓶に対して水を500cc入れるとなっていた。味見してみると若干辛いが、辛い方が良いのかあんまり辛くない方が良いのかは好みだからなぁ……今回はこのまま若干辛いものでいく。あんまりにも辛ければ最悪薄めれば良いだけだからな。
チリソースが完成すれば電子レンジのチンが終わった唐揚げをチリソースに絡めれば完成だ。
ってな訳で今日のメニューは完成したんだが……
「「……」」
俺の仕込みと調理風景を見ていた嵯峨根さんと太刀川さんは口を開けてポカンとしている。
「まぁ、時短レシピなのでそこまで本格的では無いんですけど、良かったら夕食を食べていって下さい」
いくらお試し期間中とは言え、タダ働きさせるのは気が引ける。
「宜しいんですの!?」
「せ、拙は初めて男性の手料理を食べる事に……」
あ~確かに男が少ない世界なら男の手料理なんてそうそう食べられるものではないか……
「それを見越して少し多めに作ってますので遠慮しないで下さい」
結局、帰ってきた母さんと四人で夕食を食べる事となった。
どうしたって店の味とは違ってしまうのだが、俺以外の三人に満足して貰えたので良しとしておく。
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