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24話

新年あけましておめでとうございます……とは言えないですね。新年早々に石川で大地震がありました。私も実は小学生の頃に石川の能登に行った事があります。良い所と良い思い出だっただけにショックでした。被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。そして、一日も早いご復旧を心よりお祈り申し上げます。


最後になりますが拙作を本年もよろしくお願いいたします。

 今日は2月28日だ。昨日帰ってから母さんにはS級二人のお試し警護の事を話した。


 母さんは最初の印象(2月27日しか会わないと言った事)が良くなかったので反対されるかもしれないなと思っていたが、俺が決めた事ならと反対はしなかった。まぁ、あくまでお試しで相性を見る為のもので正式に契約を結ぶって言う話ではないからかもしれない。


 今日は取り敢えず午後13時に家に来て貰って、そこから俺が行く予定の場所の話とか警護中の約束事とかを決めて14時30分とか15時に家を出発出来れば良いかなと思っている。


 そして、午後13時の10分前に嵯峨根さんと太刀川さんが家に来た。リビングに通して早速話を始める。


 「あの~市原様、お母様か羽立さんはいらっしゃいませんの?」


 嵯峨根さんから尋ねられた。


 「??母は仕事ですし、羽立さんは仕事だと思います……あぁ!羽立さんは別に俺の男性警護者って訳ではないですよ。母さんの知り合いだったから母さんが羽立さんに最初に相談をしただけなんです」


 「お待ち下さい!?という事は、この家には市原様と私達しかいないという事ですの!?」


 嵯峨根さんが叫んだ。


 「そうですけど、それが何か?あと、様付けは止めて下さい。正式に契約を結んで合意した訳ではありませんから、市原と――母もいるのでややこしいですね。春人と呼んで下さい」


 俺は15(前世は32)だぞ?一人で留守番位出来る。あと、前世では俺の方が年上だったとは言え今は彼女たちの方が年上だ。それに、彼女たちと正式に契約を結んでいないのに様付けさせるのはどうなんだ?と思っての事だ。勿論、正式に契約を結んだ後でも様付けは止めて欲しいと言うつもりだが……


 「「……」」


 二人が口をポカンと開けている。何を驚くような事がある?まさか!?この世界の男は15になっても一人では留守番が出来ないなどという事があり得るのか……


 場が静寂に包まれた。


 「コホン、拙は市――春人さ……んは警戒心が足りないと思います」


 あのゲームのサービス終了から異世界に転移されてしまった超有名なラノベの中のメイドみたいにモ○ンさ~~んってなカンジのをリアルで聞く事になるとはな……


 「確かに、羽立さんにも危ういと言われた事はあります。ですが、今のこの状況のどこが警戒心が足りないと言われるのですか?」


 ここで一人で留守番している所とか言われたらどうにもならないが……


 「「……」」


 今度は二人でお互いの顔を見合って困惑している。


 「春人さんが一人しかいない家に拙と嵯峨根さんを招き入れた事です」


 少しして太刀川さんが答えた。


 「はぁ?」


 思わず変な声が出たが許して欲しい。そして、予想以上に滅茶苦茶な答えだった。


 「いやいやいや、待ってくださいよ。男が一人の家に男性警護者を招くのが危険だと言うんですか?」


 「そうですわ。先程、春人さんがご自身で仰ったではありませんの?()()()()()()()()()()()()と……」


 「つまり、契約を結んでいない男性警護者は警護対象者になるかもしれない男性を襲うと?」


 そんな事はあり得ないと言うニュアンスを含んで言ったのだが――


 「拙たち云々の話では無く可能性の話をしているのです」


 えぇ……そんな事の可能性まで考慮してたら相手が女性って言うだけで会わないみたいな話になるぞ。


 「昨日、春人さんが記憶喪失だと言う話を羽立さんから伺いましたの。そして、それ故に他の男性と違って危うい所があると……」


 「拙たちが春人さんの男性警護者になりたいと思うのは他の男性とは違うからです。しかし、だからこそ危ういと羽立さんは仰ったのでしょう」


 嵯峨根さんと太刀川さんの話を聞いてなるほどなと思った。


 「なるほど、そう言う事ですか……俺の女性に対する忌避感が無い事や恐怖を感じない事は長所になる以上の短所になりかねないと言う事ですね?」


 「違いますわ。現時点では短所と言いたいんですの。良い悪いは別にして、他の男性であれば一人で女性と会う――ましてや自分一人で複数の女性に会うなど考えられない事ですわ」


 ぐはぁ!?容赦ない言葉を喰らった。


 「嵯峨根さん!?」


 「太刀川さん、春人さんは他の男性とは違うんですの。だからこそ、他の男性の事――常識も知るべきですわ。そこからどういう選択をするのかは春人さん次第ですの。私達にとって都合が悪くなるからと言わない方が不誠実ですわ」


 「嵯峨根さん……」


 太刀川さんの声が上ずっている。感心したんだろうな。俺もだ。


 「すいません。今度こそ理解できたと思います。つまり、他の男性の行動を理解していないと常識外れの事をしてしまう。それが相手を勘違いさせてしまい結果的に不利益になるという事で合ってますか?今回の場合なら、男が一人しかいない家で女性に会うなんて事はあり得ない。だから相手に勘違いをさせてしまい危険だと……」


 男女比が偏った貞操観念逆転世界だから、俺はほぼ初対面の相手を誘ってるビッチ――いやいやあり得ないな。


 前世基準で考えてみよう。ほぼ初対面なのに女性が自宅に男性を招き入れるなんて事は常識的に考えてあり得ないと仮定すると……気があるとか許してると相手に勘違いさせるって事だな……


 マジか!?やっぱビッチじゃねぇか!!


 「一応言っておきますけど、俺に二人に気があるとかはないので」


 「分かってますわ……ですけど、何だか傷付きましたの。釈然としませんわ」


 「拙は一つ教訓を得ました。無自覚なのは質が悪いと……」


 うん。これは俺が悪いからな。甘んじて受け止めよう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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