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閑話 友人の息子がヤバイ

 「ふぅ~中々面白い事になったな」


 私の名前は羽立美智留、年齢は非公表だ。そんな私は今、友人と友人の息子を家に送り届け私が勤めている警備会社に戻る所だ。


 車を自動運転モードで走らせながら今日の出来事を振り返って思わず言葉が漏れた。


 事の始まりは数日前に古くからの友人の美優に息子の男性警護者について相談をしたいという連絡を貰った事だ。


 詳しく話を聞くと、美優の息子は男子校の受験に失敗して自殺未遂をし、助かったものの記憶喪失となってしまったらしい。そんな美優の息子は共学校に通う事になった為、男性警護者を付ける必要があるとの事だった。その際に記憶喪失になって女性に対して忌避感を感じない為無自覚に女性を誑かしてしまう癖に危機感がない為、絶対に男性警護者が必要だと言っていた。


 「美優の言った通り所かそれ以上だったな春人君……」


 美優の親バカが発揮されていると話し半分で聞いていたが実際はとんでもなかった。容姿はこれまであった事のある男性の中でも群を抜いていたし、私に対して怯えた様子や尊大な様子もなかった。


 私は春人君のパーソナリティを見たかった為、敢えて挑発的に振舞った。そんな私に対する反応や態度がどんなものかで判断しようと思ったのだ。


 「あの時、美優が心底驚いた声を出した。つまり、常の春人君では無かった。あれは恐らく私が春人君がどういう人間か観察しているのを分かっていて敢えてそう振舞ったんだな。プロファイリングの話もしていたしな……」


 春人君が最後に言っていた正解のない問題なんて事をあの年齢の男が思い付くものだろうか?私が言った春人君だけと言うのは本心だ。今まで見てきた男とは根本的に何かが違う。底知れない何かを感じた。


 その後、春人君がほぼ毎日外出するというのは流石に想定外だったので、人材派遣サービスで直接契約する事を勧めた。


 そして、三人で人材派遣サービスに向かい番場を呼びだして、春人君に話をさせた。


 最初のやり取りで薄々感じていたが春人君は妙に頭が回る。あの時職員が言っていた特級の意味を何となくでも分かっていたしな。普通の男性なら特級と言われたら自分は特別なんだと思うだろう。


 しかし、実際の意味は特級の馬鹿か特急で対応しないといけない面倒な相手と言うどちらかの意味を持つ言葉なのだ。勿論、どちらも当て嵌まる男は少なくない。


 「そして、春人君のあの言葉……アレには番場も驚いていたからなぁ」


 結果的に春人君のあの発言に番場が心を動かされ特殊案件のS級二人と明日話をする事になった。


 番場はS級二人に連絡を終えた後、私達にS級二人は翌日に会う事と時間は春人君の都合の良い時間で良いが、他の日では会わないと言ったそうだ。あの時の番場の死んだ様な表情は中々だった。


 美優は勝手な事をと怒っていたが、春人君は冷静に午前十時と言っていた。


 S級二人は春人君がどう返事をしても良かったのだろう。怒るならそれも良し、彼女らは金に困っていないし面倒そうな警護対象者に雇われる可能性が無くなってやれやれと思うだろう。


 逆に翌日会うと言ったなら一次試験合格で、直接会って警護対象者を見極めてやろうと言った所だろう。


 S級二人が春人君と直接会ってどんな反応をするか見物だな。


 何故見物になるかって?美優は明日から仕事なので、私が明日美優に代わり春人君に付き添うからだ。


 もしかしなくても明日はとんでもない一日になりそうだ。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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