205話
「輪廻転生……本音を言いなさいよ。私はあんたの上から目線の考えに憤っているのよ」
夏野先生の問いかけにどう答えるのか?と思っていると、友永さんが口調に怒りは感じないが内容が中々な発言をする。
「上から目線の考え…でござるか?」
どうやら凛音自身に心当たりはなく戸惑った声で友永さんの言葉をオウム返ししていた。
「そうですね……私も感じていました。自分は市原君とくっつけたからそのおこぼれを私たちにもあげると言うかの様な傲慢さを……」
うわぁ……宇津野さんも中々キツイ事を言う。
「せ、拙者は!?そういうつもりでは!?」
「そういうつもりが無い無意識な方が余計に質が悪いわよ」
友永さんが追撃する。
「いや、ちょっと持って下さい。確かに今回の事は凛音からの提案でした。ですが、皆さんに対して上から目線でおこぼれをやるなんてつもりが無い事は僕が保証します」
流石に流れが悪いので凛音を擁護すると共に一時中断させる。勿論、凛音にそんなつもりが無いのは事実だが、彼女たちからすればそう感じると言うのも理解できるのだ。
「あ~うん、それは分かってるよ市原君…だからくおりんはりんねるに言ったでしょう?本音を話せって……それってりんねるが本音を言わないならそう解釈するけど良いのか?って事なんだよ」
右田さんがここまでの流れの解説をしてくれる。なるほどなぁ……俺の察しが悪いだけか。右田さんの解説に感謝だ。
「春人氏……」
凛音はどうするかと確認するかのようにチラッと俺の方を見る。
「凛音の本音を言うしかないと思いますよ」
「あまり詳しくは言えないでござるが、春人氏に信頼できる味方が必要なのでござる。拙者は皆なら信頼できると思ったのでござる。故に春人氏に進言したのでござるよ」
「え~と…その皆の中にどうして私が入っているのか聞いても良いかしら?ここにいる月坂さんや市原君のクラスメートなら話は分かるけど、どうして私も?と思うのよ……」
夏野先生が困惑した表情で申し訳なさそうに言う。
まぁ先生からすれば副担任としてそんなに接した時間が長い訳じゃないのにどうして?と思うよな。
「先生については僕の不用意な発言の所為で教師としてのキャリアをぶち壊してしまったんじゃないかと思ってのご提案です。開黎高校を離れたとして次にどこかの学校が雇ってくれるのかと考えると腫れ物に触るような感じで嫌煙されるのではないかと……」
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