204話
「少々話が逸れたでござるが続けるでござるよ。我らはもう残りの学生生活をひいては残りの人生を男性と関わる事無く過ごす事になるのでござる。故に春人氏はその責任を取らなければならないといけないのでござる」
これは以前凛音が言っていた事だが……
「学生生活についてはその通りでしょう。残りの2年半男子生徒と関わる事無く終わってしまうと言う事申し訳なく思います。しかし、残りの人生と言うのはどう考えても盛り過ぎでは無いですか?」
この世界の婚姻はお見合いみたいなカンジで母親の知り合いとか男の学生時代の同級生とかから選ぶらしい。
だけど、社会人になって男と出会う可能性は極小ながらある。自分の入った会社の男性とか男性警護者になった時の警護対象者とかな……だから、残りの人生云々は流石に無理がある。
「はぁ~甘いでござるよ春人氏は……」
何故か凛音に可哀そうなものを見る目で見られながら言われた。
「良いでござるか?男性と出会う確率はただでさえ低いでござる。その上婚姻に辿り着き更にその相手がかなり真面だと言うのは宝くじで1等が当たるよりも低いでござる」
凛音がそう言うとその場にいた全員が頷いた。
「あ~うん…まぁそうかもしれない?」
言われてみるとかなり確率は低そうだな。
「いやいや、男性と出会う確率は低いだろうけど婚姻に辿り着くとかその相手が真面かとか関係無いでしょう」
それと俺の責任云々は関係ないよな?
「皆は春人氏と出会ったでござる。仮に運良く男性と出会い婚姻をとなった時に婚姻をすると思うでござるか?相手はどう考えても春人氏を遥かに下回るのでござるぞ?」
「……」
えぇ……別にそのチャンスを生かすのも捨てるのもそれはその人の判断だろう?俺の所為とは言えないと思う。前世で芸能人に会った事がある一般人が結婚しないかと言うとそうじゃないしな。
いやまぁ凛音はそれを口実に皆を引き入れろと言っているのだけど俺自身は微妙に納得しきれていない。
「え~と…市原君的にはあんまり納得できていないカンジ?」
俺の微妙な心境を読み取ったのか右田さんがそんな事を言う。
「責任と言う事に納得いっていない所はあります。勿論、僕自身に非が無いとは言いませんが、範囲を広げられていると言うか拡大解釈の様な気がして……」
「当の市原君はこう言っていますよ月坂さん?」
夏野先生が凛音にどうするんだ?と言う含みを持たせた言葉を投げかける。
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