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199話

 エマさんの最悪の予想である俺を拉致監禁して確実にクローンを量産して偏った男女比を戻すってのは、やや強引かなとは思うがあり得ないとは思わない。


 とは言っても今日明日拉致監禁したって意味が無い。2年近く待たないといけないからその間に監禁場所が見つかるなんて事は誰にでも想像が付く。だから、2年後を狙って来るだろうな。


 「貴重なご意見ありがとうございます。それで、僕としては先程述べたように前向きではあるのですが、異議を述べる事を約束すると言う事だけではイエスとは言いにくいです」


 先の話ではあるので状況が変われば別だが今の所は即決という訳にはいかない。


 「慎重な所はミスター市原の良い所だと思います。他に何か聞きたい事がありますか?」


 エマさんは俺と愛莉さんと凛音三人全員を見ながら言う。


 「私からも一つあります。最初に日本政府に抗議を行ったと仰いました。そして、それも意味が無かったと…では、それで終わりなのでしょうか?何か報復等の具体的な行動に移ると言う事はありませんか?」


 おっ?今度は愛莉さんか…中々際どい質問をするなぁ。


 「オー申し訳ないのですが…外交に関わる事ですので軽々には発言出来ないのです」


 エマさんが言う事は最もだが、逆に言えないって事は何かあると言う事では無いだろうか?


 「仰る通りです。失礼しました。ではグリーン参事官、貴女は和田大臣との話し合いの時にその場にいらっしゃいましたよね?そして、その時の事を映像で残している…違いますか?」


 「何っ!?」


 俺は思わず声を上げてしまったが仕方が無い事だろう。


 「ミズ太刀川、その言葉の根拠となる証拠はありますか?」


 「っっ!?」


 エマさんの雰囲気が変わった。威圧的と言うかこんな姿は見た事が無い…いや、隠していたんだろうなぁ。ただの優しくてお茶目なお姉さんがアメリカ大使館の参事官になんてなれる筈がないもんな。


 「あります。貴女が胸ポケットに入れているボールペンを調べさせていただけますか?恐らく映像を記録できる機能が付いていると思いますが……」


 愛莉さんも負けじと言い返しエマさんを真っ直ぐに見つめた。


 「……オーマイガーミズ太刀川の言う通りです。このボールペンにあの日の話し合いの映像を記録していました」


 エマさんがガクッと肩を落として言う。


 「それがあれば日本政府は罪を認めるのではありませんか!?」


 俺は思わずエマさんに詰め寄った。


 「クールダウンですミスター市原……一応尋ねますが日本政府の罪とは何の事でしょうか?」

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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