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197話

 「アメリカの国籍を取得して二重国籍になる事が精子提供の義務を逃れる事になるのですか?」


 この辺の理論が分からん。日本国籍を捨ててアメリカ国籍になるのなら日本国籍を持ってないから義務を果たす必要は無いとなるが……


 それに、アメリカって自由の国だけに男性に義務はないって言ってたよな?


 「我が国には義務がありません。故に日本がミスター市原に義務を遂行させる事に異議を申せるのです」


 あ~そう言う事ね。要はアメリカに男性の義務は無いから、アメリカの国籍を持つ男性に日本の義務を遂行させる事に文句を言えるって事だな。


 「なるほど…ですが、それは内政干渉となりませんか?」


 これ言われたら無理じゃねぇ?と思うのだが……


 「言われません。それが日本が譲歩した事ですので……」


 「あっ!?だから日本は男性の海外への情報を遮断しているのですね」


 譲歩したと言うかさせたんだろうなぁ……それはともかく、そりゃあそうだ。移住とか亡命も困るだろうが、アメリカの国籍を取得して日本の男性に課された義務を逃れる脱法的な行為が横行されるのは困るもんなぁ……と言う事をエマさんに言う。


 「いえ、これはミスター市原だからこそ出来る事です。日本の義務を逃れると言う事は自分自身の力で生計を立てなければならないと言う事ですので……」


 あぁ、精子提供の義務を逃れるって事は働かずにお金を貰える生活では無くなるって事なのか。


 「あっ!?そうなると税金とかも払わないといけなくなったり……」


 義務を逃れるって事はそう言う事になるよな?


 「いいえ、先程申し上げたようにミスター市原だからこそ出来る事です。要は精子提供の義務だけを免除しろと言えば良いのです。片方だけの免除ならばより異議が通りやすくなるでしょう」


 エマさんが愛莉さんや凛音の方を意味深に見ながら言う。


 「……婚姻の義務がありましたね。義務じゃなくても婚姻する気だったのですっかり忘れていました」


 そう、25歳までに女性と結婚してなおかつ直接法で女性との間に子供を設けなければならない義務があった。その為に開黎高校に通う事にしたんだよなぁ。


 「コホン、そう言うのを見せつけられるのは非常に精神的にクルものがあるので控えて頂けますか?」


 エマさんがチベットスナギツネの様なスンッとした表情で言う。


 「えっ?」


 よく見れば愛莉さんも凛音も顔を赤くしている。俺、何かやっちゃいましたか?なんて異世界転生ものの主人公の様な事を思う。 

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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