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193話

 「別の提案ですか?」


 俺はエマさんの言葉に怪訝そうに返した。


 「はい。私はミスター市原にこの大使館に勤務して頂く事をご提案させていただきます」


 「えっ!?アメリカ大使館に勤務ですか!?」


 まさかの提案で驚いた。


 「そうです。臨時職員として我が国の事を配信してもらう為です。ですが、それは表向きのいわば建前です。勿論、建前だと言っても実際に行って頂きます。そうでなければ怪しまれますから……」


 なるほど…案件と言うやつだな。それに臨時職員として雇ったのに配信してなかったら怪しまれるのも当然だ。


 「では本命はと言うと、大使館にあるVRカプセルを使いミスター市原が先程仰っていた事を学んでいただく事です」


 「そうか!技術が発展しているのだからわざわざ現地に赴かなくても学べるんですね!!」


 そういえば前世のテレビ番組で見たが、とあるベンチャー企業が仮想空間を利用した仕事の仕方をしていたな。社員は自宅から仕事出来るから会社がある県以外の人でも引っ越しをさせずに採用出来るとか何とか……


 150年後の世界なら海外に在留せず自国にいながら海外の事を学べてもおかしくはないな。


 「その通りです。いかがでしょうか?ご了承いただければ条件面について話し合いたいと思うのですが……」


 「あ、いえ…お話はありがたいのですが、何と言うか履歴書を出して書類選考をしたり面接をしたりしないで良いのですか?」


 アルバイトでさえ履歴書の提出があるのにアメリカ大使館の臨時職員の採用に選考が無いのは違和感がある。まぁ、履歴書と言っても前世と違って開黎高校中退しか書く事が無いが……


 「フフッ…失礼しました。ミスター市原は一般的な男性とは一線を画していますから問題ありません。それに、こういう時に使えるのが参事官の肩書です」


 エマさんがドヤ顔で言う。


 なるほど、所謂コネと言うやつか……


 「分かりました。では、条件面について詰めましょうか。まずは就業時間、給与等ですかね」


 「そうですね……就業時間は大まかに9時~12時としておきましょう。勿論、私の都合で多少前後する場合もあるでしょう。給与は時給2000円でどうでしょうか?」


 いっ!?時給2000円ってかなり良い条件だぞ。だが、気になる事がある。


 「就業時間は午前中だけなんですか?」


 短いと言うか何と言うかねぇ?


 「ミスター市原、本命はVRカプセルを使った学びです。流石にその時間まで給与を支払う訳にはいきません」


 エマさんが苦笑しながら言う。あぁ、午前中に配信関連の事をして午後にVRカプセルを使うって事か。


 「そう言う事ですね…承知しました。ではどれくらいの頻度の勤務になるのでしょうか?週2か週3くらいでしょうか?」

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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