表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

213/238

183話

 善は急げと言う事で早速幸那さんと話をする事にした。当然愛莉さんと凛音には席を外して貰っている。


 「春人さん、お話と言うのは何ですの?」


 「単刀直入に言います。幸那さんには僕の男性警護者を辞めて頂きたいのです」


 俺は言葉を濁す事もせず直球に言った。ここで変に迂遠な言葉を使って言いたい事が伝わらないのはどちらにとっても良くない事になるからだ。


 「っっ!?そうですのね……理由をお聞きしたいですわ」


 幸那さんは一瞬ショックを受けた顔をしたがすぐに表情を戻した。


 「理由はこちらの都合です。幸那さんは悪くありません」


 この理由は半分本当で半分は本当の理由を言わない優しさだ。


 「春人さん、それでは納得出来ませんわ。本当の事を仰って下さいまし」


 「そう言われても…幸那さんだって分かっているでしょう?幸那さんが悪い訳では無くこちらの都合だと言うのは噓では無くこれ以上ない建前を取っ払った理由であると……」


 幸那さんから食い下がられるがそれを一蹴する。


 「えぇ、噓では無く建前を取っ払った理由ではあると思いますわ。ですが、本当の理由ではありませんわ。違いまして?」


 まぁ見破られるよねと言う……しかし、認める訳にはいかない。


 「と言われても……質問に質問を返すのは良くない事ではありますが、逆に幸那さんはどのような理由だとお考えですか?」


 追及してくることを逆手に取ってその理由は違いますと論破する策を敢行する。


 「春人さんとは長い付き合いとは言いませんが短い付き合いでもありませんの。ですから、その手には乗りませんわ」


 何となくでもこちらがやりたい事を読まれているのはやりにくいなぁ……


 「それはそれで構いませんが、話は以上です。僕はこれ以上何も言いませんよ」


 それならそれでやり様はある。話は終わりだと言えば良い。


 「……」


 「……」


 俺と幸那さんは無言で共に視線を逸らさず睨み合った。


 「はぁ~このままでは埒が明きませんの…先程の問いに答えましょう。それでよろしくて?」


 幸那さんは俺と話と言うか交渉を続けなければならないので折れるしかない。これは読み通りだ。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ