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180話

 「ま、まぁ話は分かりました。ですが、クラスメートの三人と先生は事務所のスタッフを望むでしょうか?三人にも先生にも希望の進路やキャリアパスがあるでしょうから……」


 クラスメートの三人は偏差値69の開黎高校に合格した才女だと言える。そんな才女であれば一流大学に入学して卒業と同時に一流企業に入社するか、大学院に進んで博士号を取って研究者になるなんて事は十分あり得る訳だ。


 先生だって難関校の教師になれるだけの才女だぞ?仮に開黎高校を辞めたとしても別の高校で教師として働く事は難しくは無いだろう。


 そんな人たちが俺の事務所のスタッフになる?ダメダメ!!もっと良い人生を送れるんだからそれはダメだろう。


 そんな事を凛音に言うと――


 「春人氏が勝手に幸不幸を決めるのは良くないでござるよ?ここは歪な男女比の世界でござる。男性である春人氏と一緒に働けてその役にも立てる事が幸せだと感じるかもしれないでござる。春人氏は日本でなら独り勝ち間違いなしでござるから事務所のスタッフに払うお給料も弾めるでござろう?」


 俺はそんな凛音の言葉に頭を強く殴られた様な衝撃を受けた。


 以前にも似た様な事を言われた覚えがあるが、やはり前世の価値観に引きずられている所があるな。


 この世界の価値観では凛音が言う様に数が少ない男性と接する事が出来るのは幸せな事なのだろう。


 「参りました。取り敢えず打診するだけしてみて下さい。ただ、絶対に強引な勧誘はしないで下さいよ。困ってはいますけどクラスメートの未来を奪う事は本意ではありませんから」


 「招致仕ったでござる。夏野先生はどうするでござるか?」


 クラスメートの話で終わったから夏野先生はどうするの?と聞かれるのは当然か。


 「先生は別に良いんじゃないかと思います。先生であれば別の高校で教職を続ける事は可能でしょうし……」


 「いやぁ~夏野先生は良い意味でも悪い意味でも名が知られてしまったでござるからなぁ……」


 「うっ……」


 なるほどなぁ……腫物扱いでどこも採用してくれないかもしれないのか。


 「分かりました。先生にも話をしてみて下さい」


 まぁ、十中八九『ありがたい話ですけど……』みたいなカンジで終わると思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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