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169話

『』は配信の向こう側と言う意味で使用しております。

 本日は8月7日月曜日で時刻は15時の5分前となっている。


 これから和田大臣による記者会見の生配信が行われる。生配信と言っても配信者がするようなものでは無くテレビ局が枠を取って配信を行う前世で言う生放送の事を言う。


 以前にも少し話したが、テレビは無くなってほぼ全て(ニュースの生配信以外)が見たいものをお金を払って見ると言う形になっているから……でも、テレビ局と言う名前は残っている。


 話を戻すが、恐らく和田大臣が大臣と議員を辞職すると発表し、その理由の説明の記者会見ではないかと思う。


 『それでは定刻のお時間となりましたので和田大臣による記者会見を開始させて頂きます。和田大臣お願いします』


 司会から促された和田大臣が報道陣の前に登壇し一礼してから話し始めた。


 『え~本日は私の為に大勢の報道陣の皆様方にお集まりいただき恐縮する次第であります。それでは早速ではありますがご報告があります。私は本日を持ちまして外務大臣と議員の職を辞させて頂く事になりました』


 そこまで言うと、報道陣が騒めきだした。どうやら和田大臣の辞職についてはどこの報道陣も知らなかったようだ。


 『え~静粛に願います。私が大臣職それから議員としても辞職する理由ですが――ここの所体調の方が良くないと言う話が幹事長にいき、体調を回復する為に長期間になる可能性がある為辞職を勧められたからであります。とは言っても休養し体調が回復すればまた選挙に出馬して戻ってきたら良いとも言われております』


 「はぁ~~~~~!?」


 俺の驚きと呼応するように報道陣からも驚きの声が上がった。


 「なっ、えっ?意味が分かんねぇ…」


 「幸那さん、ご説明願えますか?」


 混乱する俺を尻目に一緒に配信を見ていた愛莉さんが幸那さんに尋ねた。


 「私も詳しくは…ただ、和田大臣は最終的に春人さんでは無く恩やその後の事を考えて幹事長への義理立てを選んだと言う事だと思いますわ」


 幸那さんが俺を気の毒そうに見ながら言う。


 「なるほど…そう言う事ですか。和田大臣は土壇場で裏切ったと言う事ですね」


 舐めた真似をしてくれるじゃねぇか。どこかの銀行マンじゃねぇが100倍返しだ!! 


 俺はそこからの配信を見る事は無かったが、それが彼女を見た最後の姿になるのだった……

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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