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161話

 「っっ!?グリーン参事官!!」


 大臣が声を荒げてエマさんを咎める。


 「声が大きいですよミズ和田…言いたい事は分かりますが、もしも貴国の所為でミスター市原が我が国への移住を考え直す事になってしまったとしたら、どう責任を取るおつもりですか?」


 エマさんは淡々と大臣に言葉を返した。


 「うぐっ!?それは……」


 「それに私はあくまで事実しか話していません。ミズ和田に咎められるような事はしていませんよ?」


 エマさんは逆に大臣を挑発するように言う。


 「和田大臣、ここまでエマさんが言った以上政府――与党である人類存続党が事件を無かった事にし、超法規的措置を行うと決めたと言う事は明白です。真実を話して下さい」


 ここまでバレてしまった以上、口を閉ざす事は出来てもそれは悪手だ。それならば真実を話して少しでも俺からのマイナス評価を挽回した方が良い。


 「はぁ~仕方がありませんね。グリーン参事官、外務省からアメリカ大使館に抗議を入れさせて頂きます」


 大臣は顔を引き攣らせながら、これ位はとばかりにそんな事を言う。


 「構いません。私への抗議位で済むのなら安いものです。ミスター市原には大きな借りもありますし……」


 エマさんが意味深にこちらを見ながら言う。


 多分エマさんに寛大な処分をとお願いしたあの土下座の事だと思うが、効果あったんだよな?エマさんは参事官やれてる訳だし……


 「実は、その…幹事長から私に超法規的措置を取るようにと要請がきまして……」


 幹事長からの要請?まだ分からないな。


 「その幹事長と黒幕の男に接点があったのですか?例えば実の息子とか知り合いの息子とかですか?」


 「幹事長と繋がりが深いある上流階級の家の分家の婿だと聞いています。元は平民だったそうですが、極めて優秀だったので婿として上流階級の一員に迎え入れられたそうです。本来なら罪は罪ですが、某国の工作員に唆されて上流階級の一員が罪を犯したとあっては醜聞になりますから、某国を刺激しない様にと言う建前で事件を無かった事にしました」


 なるほどなぁ……そう言う事だったのか。俺はてっきり人体実験とかの為にと思っていたが何の事は無い。知り合いの婿だからなんて理由だったのか……


 まぁ、それなら超法規的措置だったとしても親類縁者は騒がないわな。事件を揉み消してくれたんだからな。


 「一つ良いですか?こういうのは法務大臣の案件なのではありませんか?」


 事件とかなら法務大臣の管轄?になると思ったが……


 「勿論、幹事長は法務大臣にも根回しをしていて最後に私に要請がきました。幹事長が考えた筋書きは、某国の関与があると刺激してしまうので私から法務大臣に要請をして事件を無かった事にして欲しいと言うものです」

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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