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159話

 「市原さんが我々政府を信用していないと言う事実を人類平等党が利用すれば或いは……と言った所です」


 苦笑しながら大臣が言う。


 マジか!?と言うか俺にそんな影響力は無いだろう?


 「え~と…流石にそこまでの影響力は僕には無いと思うのですが……」


 「いえ、実は嵯峨根家や京條家の強引な婚姻問題が公になった事で一部の者が男性を独占していると内閣の支持率がガクッと下がりまして……」


 そう言った大臣の表情は困ったと言うものだったが、大臣を務める人物がそんな分かりやすい表情を見せる訳がない。


 これは、自業自得と言うかお前がやった事は自らの首を絞めるに等しい事だぞと言いたいのだろう。


 「ふむ……その発言は和田大臣は女性側の圧力で男性が強引な婚姻を結ばされる事を容認していると受け取っても?」


 「いえいえとんでもない!あくまでそう言った事実があると述べただけでして……」


 流石にマズいと思ったのかそんな事を言う。


 「大変失礼致しました。これこそ杞憂だったという訳ですね。和田大臣は強引な婚姻を許さないと言うお考えをお持ちで安心致しました」


 お前は強引な婚姻を許さないんだよな?と言う。


 「っっ!?まぁ、その辺は個々人、家々の事情等もありますから、一応大臣の身である私が軽率に発言をする訳には……」


 はい!出ました!政治家の言質は取らせたくない病ですね。


 「断言する事と軽率な発言は必ずしも一致する訳ではないと思うのですが……寧ろ和田大臣のお考えをきちんと聞いておかなければ安心できません」


 そんな事関係なく容赦なく追撃する。


 「いえ、それはその……」


 「和田大臣、そこまで言い淀むと言う事はまさかとは思うのですが、女性側の圧力による男性側への強引な婚姻を許す、認めると言っていると判断しますが宜しいですか?」


 ここでとどめの一撃をお見舞いする。


 「いえ!私も同じ女の身なので気持ちは痛いほど理解できますが、圧力で男性に婚姻を強要するような真似は断じて!許されるべきではないと思っております!」


 大臣は自棄くそとばかりに言う。


 「やはりそうだと思っていました。男性に圧力を掛け強引な婚姻を結ぼうとする上流階級が悪いのだと現職の大臣の方に言って貰えて感無量です」


 恐らく和田大臣も上流階級と関係と言うか繋がりはあるだろうから、見て見ぬ振り知らない振りをしていたと思われるので俺に言質を取られたくは無かったんだろうが、そんな事は許しません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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