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154話

200万PV突破致しました。これも読者の皆様のお陰です。ありがとうございます。これからも引き続き拙作をよろしくお願い致します。

 母さんと凛音の母である明奈さんが食事をしながら談笑している姿を見ていると――


 「婿殿、少々話をしたいんだけど良いかね?」


 愛莉さんの祖母である妙子さんに声を掛けられた。


 俺に声を掛けたのは妙子さんだが、愛莉さんの母である理恵さんや姉であるみどりさんや妹の唯里さんもいる。


 「えぇ、勿論です。声を掛けられると思っていましたから……」


 多分あの事だろうなと言うのは心当たりがある。


 「婿殿がアメリカに移住すると言う話を聞いたもんだからわたしゃあ気が気じゃなくってね?」


 うん、やっぱりその話だろうと思ったよ。


 「それはそうですね……ただ、僕も移住したくてすると言う訳ではないのはご存知ですか?」


 軽いジャブから言ってみる。


 「聞いてるよ。中々恐ろしい事を国が考えてるんじゃないかって婿殿が考えているって事はね」


 ふむ……やはり嵯峨根家から国に報告が行って太刀川家がその情報をキャッチしたのか、はたまた国から太刀川家に確かめるように言われたのか……まぁそのどちらかだろう。


 「概ねその通りです。そして、それがあながち僕の杞憂ではないと言う事は?」


 「月坂凛音嬢の事かい?それも知ってるよ。だけどね…太刀川家も力を貸して必ず守るからこの国に残って欲しいんだよ。婿殿は絶対にこの国に必要なのさ。この通りだよ」


 そう言って妙子さん以外の太刀川家の面々(愛莉さんを除く)は深く頭を下げた。


 「頭を上げて下さい!?そんな事をされても困ります!?」


 国に残るように言われるとは思ったけど……


 「よく考えて下さい。太刀川家が力を貸して下さるのはありがたいです。ですが、僕には対価が支払えないのです」


 正直その事を考えなかった訳ではない。しかし、コレが問題なんだよなぁ……


 「対価…かい……」


 妙子さんは複雑そうな声で言う。何となくは察して貰えたようだ。


 今の俺の全財産は前世の俺のモノよりは遥かに多い。冷静に考えて15歳で何千万も稼げる人間がどれだけいるかって事でもある。


 が――かと言って命の対価となりうる額があるかと言えば勿論Noだ。億すら届いてないからなぁ……


 「そうです。命の対価を支払えるとは思えません。太刀川家が縁が出来たのだから支払わなくても良いと言っても、太刀川家ひいては僕に対する付け入る隙となるでしょう」


 「その通りだね。足を引っ張ってやろうと考える人間には事欠かないだろうさ」


 妙子さんが煩わしそうに言う。


 「なので、結局僕自身をBetしたこの方法が一番良いと考えた訳です」


 俺自身を掛け金にした国との交渉だな。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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