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147話

「春人さん、聞く所によると愛莉さんの妹さんである唯里さんと立ち合いをして勝利したとお聞きしたのですわ。本当ですの?」


 幸那さんから真偽を確かめたいと言うような質問をされる。


 「勝利したなどと……あれは唯里さんに勝ちを譲って貰っただけです」


 勝利と呼べるものではないと返す。


 「えぇ、普通ならば男性への忖度が働いたのだと思って終わりですわ。ですが――これが太刀川家以外の人間であればと言う言葉が前に付きますの」


 何っ!?太刀川家以外の人間であればってどういう事だってばよ!?


 「幸那さん、それはどいう意味でしょうか?」


 「言葉通りですわ。太刀川家の人間は男性に()()()忖度は致しませんの」


 あぁ、確かに愛莉さんの祖母である妙子さんは初対面で叩きのめすとか物騒な事言ってたしなぁ……


 「ですが、常識的に考えて僕が男性警護者一家の人間である唯里さんに勝ったなんてどう考えても手加減したとしか考えられないと思いますよ」


 「そこですわ。手加減をしたとしても普通に考えれば勝てる筈がありませんの。ですが、春人さんは勝ちました。どうやって?と気になっているのですわ」


 っっ!?失言だったか……手加減するのは当たり前だもんなぁ。


 「はぁ~少々迂闊でした。ですが、本当にあれは勝利などと呼べるものではありません」


 観念した俺は正直に話した。


 「なるほど……そうは言っても春人さんの勝ちは勝ちですわ。それに、その状況でどれだけの男が唯里さん相手に勝ちを拾えると思いますの?春人さんは誇って良いのですわ」


 う~ん……そう言われるとアレだなぁ。まぁ、俺一人って事は無いけど逆に日本にいる男の半分くらいが出来る事って訳でもないしな。良いとこ10分の1ってとこか?


 「春人さん……そんな訳はありませんわ。春人さんレベルの運動神経の持ち主が10分の1もいる訳ないじゃありませんの。甘く見ても10000分の1と言った所ですわ」


 俺が先程の考えを伝えると可哀そうなものを見る目でそんな事を言われた。


 「はぁ?甘く見て10000分の1?」


 思わず声が裏返ってしまったが許してほしい。だが、いくら何でもそれは無いと思う。


 「日本の人口は約7000万人で男女比は1:5ですから凡そ1400万人ですが若い男性となると1:10と言われていますから凡そ700万人――ではありませんわ」


 えっ!?と思ったけど続きの言葉を聞いて納得した。


 「若い女性たちの男女比1:10ですの。若いがどこまでかと言うと議論の余地がありますが、仮に40とするとその年齢までの女性の人口は約2000万でその男女比1:10ですから若い男性――40までの男性の人口は凡そ200万人となりますわ」


 日本の人口が減ると言うのは前世から言われていたが、総人口7000万人ってのは驚いた。だけど、それ以上に40歳までの男が凡そ200万人って……


 冷静に考えてもヤバいよな。この200万人全員が子供を残せる訳じゃない。遺伝子の問題や無精子症なんかもあるだろう。そう考えると只でさえ生まれにくい男が徐々に減っていくと言うのは自明の理だわな。俺の次の世代は男女比どうなるんだろうな?更にその次の世代は?とか考えると……


 俺の運動神経云々からとんでもない話なったもんだ。 

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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