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140話

 7月6日木曜日、時刻は午後17時だ。朝、凛音から相談があるので学校終わりに家に来ると言われたのだ。


 「それで凛音、相談と言うのは?」


 俺は気になってそうそうに本題に切り込んだ。


 「実はとある男性の代理人を名乗る人物が私宛てに連絡をしてきました」


 凛音が困った表情で言う。


 「月坂P宛てですか?」


 「そうです。そして、その内容と言うのがとある男性がある女性から婚姻を持ち掛けられた。困っているので助けて欲しいと言うもので……」


 うわぁ……それはまた面倒な話だな。


 「ふむ……それは僕みたいに月坂Pにプロデュースしてもらって影響力を持ってその女性に対抗したいと言う事ですか?」


 俺と似たような状況だから俺と同じような事をして二匹目のドジョウを的な事だろうか?


 「いえ、それがただ助けて欲しいと言うだけで……恐らく私を通してエスさんに助けて欲しいと言いたいのだと思います。相手の男性はエスさんと直接連絡を取る手段を持ち合わせていないようですから……」


 「えぇと…要領を得ない話ですね。ただ助けて欲しいと言われても……」


 別に俺は正義の味方って訳じゃない。俺は自分の身に降りかかる火の粉を凛音の力を借りて振り払っただけの話だ。何でどこの誰とも知らない相手を助けないといけないのだろうか?しかも、見返りと言うか報酬の話なんかもなさそうだしな。


 「無視と言うかお力にはなれそうにありませんで良いですよ。ぶっちゃけ、知らんがな…自分でどうにかしろよって話ですから……警察に相談すればよいのでは?とか言っておいて下さい」


 本人自身が何かするつもりもなくましてや報酬の話もない。それで助けて下さいってバカかよ。警察やら自治体に相談しろって話だ。


 「っっ!?良いのですか?」


 凛音が驚いた顔で言う。


 「事情とか知って巻き込まれる方が迷惑です。あぁ!相手が納得せずあまりにしつこい様なら逆にこちらが警察に通報するぞなんてのも言っておいて下さい。その手の輩は何故こちらにそんな事をする?なんて事を平然としてきますから……」


 何で助けてくれないんだなんて思ってこちらを恨む――逆恨みでとんでもない事をしてきそうだ。婚姻を持ち掛けてきた相手の女にそうしろよ!!的な事をしてきそうなんだよなぁ……


 「凛音の返信次第ですが、今週の配信は雑談配信にして釘を刺すという手もありますね」


 有名になるとトラブルが増えるなんて言うのは前世でよく聞く話だったが、まさかこんなクソふざけた話を持ち込まれるとは思っていなかった。俺の想定が甘かったな。


 よく考えれば、俺は自分の力で上流階級からの婚姻を蹴散らした男だ。俺と似たような状況の男が俺に助けを求めてくるなんてのは想定しておくべき事だったな。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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