137話
今日は7月3日月曜日の午後17時だ。丁度一週間前にエマさんとの動画撮影を終えてその動画を7月1日土曜日に投稿した。その次の日の配信はお休みした。
で、今日何をするのかと言うと――
「ほぉほぉ……福袋って初売りの時だけじゃなかったんだな」
俺は開封動画OR配信をしたいと凛音に言った所、福袋を取り扱っているサイトを教えてもらい一緒に見ていた。
「春人氏、福袋は初売りのイメージが強いでござるが、この時期にやっている所もあるでござるよ。今ならシーズンオフの春物の福袋がお得でござる」
うん……素の凛音のござる口調にもだいぶ慣れた。月坂Pや余所行きの時には丁寧語の猫を被った凛音になるが、案外このギャップは悪くない。
「おっ!男物も取り扱ってるんだな」
「春人氏、世の男性は外出をしたがらないのですぞ?ネット通販で購入するのが大半でござる」
凛音に呆れたように言われた。
「いや、ですけど服ですよ?実際に試着して合わせたりしないとサイズが合う合わない丁度良い小さいデカいとか分からないじゃないですか」
前世であの宇宙に行った元社長の有名な会社を知っているが、俺は通販で服は……ってタイプだったからなぁ。
「春人氏、相手は男性ですぞ?クレーム対応をきちんとしなければ大変な事になるでござるから返品や返金対応は丁寧でござる。だからこそ、世の男性は安心して通販で服を頼むのでござる」
なるほどなぁ……
「それじゃあ凛音、悪いんだけど凛音の住所で注文して良いですか?前世とは違って個人情報を簡単に漏らすのは危険だから……」
前世なら俺の名前で注文しても何も問題無かったが、男が少ない世界で男の名前と住所がバレるのはリスクだって言うのは流石に分かる。
「当然でござるよ。春人氏が自分の名前と住所で頼もうとしたら拙者が止めていたでござるよ」
「あ~だからわざわざ学校終わりに家に来てくれたんですね。ありがとうございます」
俺がやらかさない様にわざわざ来てくれたのは嬉しい。そりゃあちょっとは俺の事信じてくれよって気持ちは無きにしも非ずだが、散々やらかしてきてるしなぁ……
「それもあるでござるが、拙者だって…春人氏と少しでも一緒にいたいでござるよ……」
おぅふ!?前世の芸人さんのクリティカルヒッ〇!!が脳内に流れた。
「あ~その……僕もですよ」
まさか俺がこんなラブコメ主人公みたいなセリフを言う日が来るとはな……
「コホン、え~とどの福袋が良いと思いますか?服は個人的にアレだから別のものを選びたいのですが……」
甘酸っぱい雰囲気に我慢できず話を元に戻した。
「っっ!?そ、そうでござるな!拙者は雑貨かアクセサリーが良いのではないかと思うでござるよ」
凛音も顔を真っ赤にしてやや早口でそんな事を言う。
「それじゃあ両方頼みましょう」
開封するものは決まったので、後は動画にするか配信にするか迷う所だな……
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