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130話

 「分かりました……では、次の話題はエスさんの配信のコンセプトやスタンスなどについてと言うのはどうでしょう?ジュエラーの皆さんも気になっていると思います」


 ほぉ……これは良い話題だな。


 「月坂P……非常に良い話題をありがとうございます。僕のしょうもない思考実験の話なんかよりよっぽど良い話題ですね」


 「そこまで言わなくても良いと思いますが……」


 凛音が苦笑をにじませながら言う。


 「えぇっと、コンセプトやスタイルですね。まず、僕はスパチャを――解禁するつもりはありません」


 ドンと背後に効果音が付きそうなカンジで言う。


 「それは以前私がエスさんについての掲示板で書き込んだ事ですね」


 「あ~エゴサした時の事ですね。懐かしいな~じゃなくて、コンセプトやスタンスの話でしたね」


 「スパチャだけじゃなくて贈り物も要らないと言っていましたよね?」


 流石は凛音だ。合いの手が上手い。


 「そうなんです。あくまで僕とジュエラーの皆さんとの関係は対等でありたいからです。スパチャや贈り物を貰ってしまうとどうしても配信者とお金を出した客と言う上下関係が構築されてしまいますからね……」


 「なるほど……私はスパチャはしませんが、男性配信者の配信はよく見ます。なので、上下関係と言う言葉は言い得て妙だと思います。勿論、男性配信者が上でリスナーが下ですよ」


 こういう方面においては第月天魔王こと月坂Pの言葉は何より重い。


 「あぁ…何となく想像がつきますね。ですが、僕が言っているのは逆です。スパチャや贈り物をしたんだから多少は要求を吞まないといけないんじゃないかと言う事です。これは別にジュエラーの皆さん云々と言う訳ではなく人間ならそう思ってしまうと言う事です」


 俺もスパチャや贈り物を貰ったからなと思うし、リスナー側は言わずもがなだ。


 「金銭が発生しなければ対等な関係でいられると思うんです。勿論、動画再生で金銭が発生しますが、それはジュエラーの皆さんに貰う訳ではないじゃないですか?広告料と言うかそう言うのですよね?ジュエラーの皆さんは時間を対価に無料で配信や動画を視聴する。僕は時間を対価に配信や動画の再生数でお金を貰う。健全なwin-winな関係です」


 「あくまで男性配信者界隈の一人のファンとして言わせて頂きますが、非常に素晴らしいコンセプトやスタンスであると思います」


 「ありがとうございます。なので、雑談配信の最初にも言いましたが、途中でつまんねと思ったジュエラーの方はホントに見るのを途中でやめて頂いても構いません。日曜日の貴重なお休みの時間ですからね……」


 大事な事なので二回言うってヤツだな。


 「そうですね。エスさんは他の男性配信者と違ってアーカイブ配信をしていますから、時間がある時に視聴すると言うのも良いと思います」


 「アーカイブ配信と言えばですね月坂P、一つお願いがあるんです。イケメン元DKに言われたい言葉選手権の回のアーカイブだけ削除したいんですが……」


 「ダメです!!」


 凛音にけんもほろろに断られた。アレはデジタルタトゥーだから消させて欲しいんだが、いっつもダメって言われるんだよなぁ……


 コメント欄のダメ!!とかそれを消すなんてとんでもない!!とか消すのは勘弁して下さい!!と言うのが見えた。


 特に二番目のやつ……俺ですら古いネタだなって思うのにこの世界と言うかこの時代に知っているジュエラーがいたのが驚きだ。 

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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