129話
今日は6月25日、日曜日で時刻は午後14時になろうとしている。えぇ、特に語る事は無かったので日曜まで飛ばしましたよ。いや、一つだけあったけどそれはまた別の機会に話すとしよう。
「本番10秒前です……5,4,3,2,1」
「どうもジュエラーの皆さんこんにちわ。配信者のエスです。今日も雑談配信を行おうと思っています。そして、今回も雑談配信なので途中でつまんねと思ったジュエラーの方は見るのをやめて頂いても構いません。ジュエラーの貴重な時間を頂戴するのも心苦しいですからね……」
前回と似た様な事を言う。だけど、紛れもなく本心だ。
「さて、では雑談と行きたい所なのですが、本日もスペシャルなゲストを呼んでおります」
俺がそう言うと、コメント欄に誰だろうな?楽しみだな(棒)とか一体何坂Pが出るんだ?とかスペシャルなゲスト(笑)と言うコメントが見えた。
「流石はジュエラーですね。察しが良すぎです……えぇ、本日のスペシャルゲストはこの方です」
俺の脳内で笑って○○とものテレフォンショッキ○○のゲストの登場音楽が流れた。
「どうも、ジュエラーの皆さん二度目まして、本日も雑談配信のスペシャルゲストを務めさせて頂く事になった第月天魔王こと月坂Pです。本日もよろしくお願い致します」
凛音は先日の様に変声機で声を変えて登場した。
そして、凛音を今日も登場させたのは、凛音にクソみたいな連絡してくるなとオブラートに包んだ表現で言う為だ。
「月坂P、本日もよろしくお願いします。では早速雑談と行きたい所なのですが、一点申し上げたい事があります。先日の歌の動画の反響が凄かった事、素直に嬉しかったです。ですが、動画の中でも申し上げた通り、あれはある特定の人物の為の歌ですので、僕以外の誰かが歌う許可は出せません。月坂Pに連絡が数多く寄せられているので改めてこの場をお借りして宣言させて頂きました。なお、以降はどれだけ連絡を寄せられても返信や対応は致しかねますのでご留意ください」
ここまでオブラートに包んで言えば大丈夫だろう。
「はい、では雑談に参りましょう。まずはどの話題から参りましょうか?」
凛音が雑談に入ろうと誘導してくれた。
「そうですね……最初の話題はもしも男女比と貞操観念が逆転した世界になったらとかどうですか?」
「えぇと……つまり、この世界があべこべになったらと言う事ですか?」
凛音がうまい事分かりやすく聞き返す体で説明をする。
「簡単に言うとそう言う事です。雑談と言いつつ思考実験の一環みたいなものですね。すいません。それで、あくまで一個人の意見ですがこの世界より地獄なのは間違いないと思います」
「そうでしょうか?この世界のあべこべと言う事は、男性の数が女性の数より10倍多い訳ですよね?女の身である私からすると夢のような世界だと思います。あっ!エスさんが地獄だと言ったのは男性の数の方が多いので余ってしまうからと言う事ですか?」
まぁ、この世界の女性の意見はそうなるだろうなと思う。コメント欄もそんな世界に行ってみたいなどのコメントばかりだ。
「そういう部分が無いとは言いませんが違います。分かりませんか?この世界の男女比と貞操観念が逆転した世界なんですよ?女性しか子供を産めないのに男性は獣と化し女性は性行為を嫌がるんですよ?人口が減って人類は滅亡しますよ?」
俺は貞操観念逆転ジャンルのお約束とは所々違うこの世界に転生?憑依?した事を何度も恨んだが、流石に例に出した世界よりは遥かにマシだとは思う。
「あぁ~貞操観念逆転と言うのはそう言う事なんですね。不思議な気分です。思考実験と言いましたが、中々面白いですね」
思考実験と言ったが実は違う。勿論、そういう要素はあるが目的としては俺の感覚を何となくでも凛音に分かってもらう為にこんな話をしたのだ。俺の前世の様に男女比は1:1ではないが……
「例に出した世界は男性にも女性にも地獄な訳ですよ。女性は性行為を嫌うのに人口を維持する為に子供を産まなければならない。男性は獣と化しているのに相手の女性がいないですからね……自分と同じように余っている男性と…ね?」
この世界でも女性同士と言うのは珍しい話ではないそうだ。そりゃあ余る女性の方が多いのだからさもありなんだ。男性の方が余る世界なら当然ア~~~~!!となってもおかしくない。嫌な想像過ぎて思わず両手でお尻を守りに行ってしまった。
「なるほど、そちらも逆転するのですから男性同士と言う事ですか……ゴクリ」
凛音がゴクリと生唾を飲んだ。ダメだコイツ腐ってやがる!!いや、俺が目覚めさせてしまったのか。
当然個人差はあるが、基本的には男なら百合が、女なら薔薇が潜在的に許せるって事なんだろうか?
「IFな話からこう言うのはなんですが、この世界はまだマシだと言う事です。何故か月坂Pから危険なものを察知したので話題を変えます」
「えぇ!?もっと話しませんか?」
「ダメです!」
最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。