126話
今日は6月18日、日曜日の午後14時前だ。
いきなり1週間飛んでるって?この1週間は今日と言う日の為に使ったんだよ。
今日は改めて月坂さんのお宅にお邪魔して明奈さんに婚姻の許しを貰うのだ。
「ふぅ~凛音はアレに気付いたかな?」
「恐らく気付いていると思います」
俺の独り言に愛莉さんが答えを返した。
あの日、先に愛莉さんにプロポーズしたいって言う俺の我が儘――不義理な事をしたお詫びってのと今日は配信を休むからあの動画を投稿した。
あの動画って言うのは、俺が自作した歌を歌った動画だ。
歌を歌う動画は後々投稿するつもりだったが、著作権とか許可取るのが面倒だったので、既存の曲ではなく自作した歌を歌ったのだ。
作曲できるのか?って?勿論――技術の力さ(劇場版の安○徹の台詞である恋人はいるのかって?僕の恋人は――この国さ風)。
と言っても、暗い曲か明るい曲かバラードなのかジャズなのか、メロディーはどうするか?音程をどうするか?サビの部分の高低は?とか細かい設定をして何パターンも抽出するのだ。
ちなみにだが、今回は70パターン位抽出してから所々良い所取りしたり少々いじって曲を完成させた。
作詞は当然自分で一からした。まぁ、素人なんでね。どっかで聞いた事があるような陳腐な歌詞となった。良いんだよ!分かりやすさや歌いやすさそして、凛音への思いを重視したんだよ!
と言うか、そもそもの話、俺は素人なんだからプロみたいに感動させるのは難しい。具体的に言うならビブラートだとかヘッドボイスだとかその他諸々の技術と言うか技巧?関連はさっぱりだ。だから、この曲に込めた気持ち――思いで感動させる。
この曲は自分で作った曲だから、この曲に思いを込めて歌うと言う部分に関してはプロ相手であっても簡単に負けるつもりはない。
まぁ、それ以外の部分は完敗だ。だけど、自分で作った曲だから歌う許可を出さなければ誰も歌えない=誰も勝てないのだ。セコいとか言うなよ。
と言うのは半分くらい冗談で……ぶっちゃけこの歌は俺から凛音へのプロポーズの曲だからな。他の誰かに歌って欲しくねぇんだよ。
でだ、完成した曲を歌う練習や撮影の為に何度も家から少し遠くにあるスタジオに通った。
俺が歌う姿は愛莉さんや幸那さんに撮影して貰った。動画の編集は俺が頑張った。まぁ、これも技術の力――AI頼りだったんだがな。
それでそれで、完成した動画は二本で今日の13時に投稿した。凛音には今日の配信を休むと言う告知しかさせていない。謀は密なるを良しとすって事だ。
一本目はメイキング動画風味で俺の練習の姿や何故自作したのか?やこの歌への思いを語っている。もう一本は純粋に曲を歌っただけの動画だ。あと……MVとかそんな大層なものはありません。
とにかく、凛音や明奈さんが動画を見ていれば良し!見ていなければ、お時間を頂戴して一緒に見る。
いや、一緒に見るのは恥ずかしいな……
ふぅ~それでは、いざ!!凛音の家のインターフォンを押した。
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