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125話

150万PV突破しました。これも読者の皆様のお陰です。ありがとうございます。これからも拙作をどうぞ宜しくお願い致します。

 「ちょっと重い話が連続したので、話題を変えます。エスさん、私を除いたクラスメートで一番好印象なのは誰ですか?」


 凛音がとんでもない話題をぶち込んできやがった。しかも、シレッと私を除いたって言ってるし……


 「いやいや、名前を出すわけにはいかないでしょう。別の話題に――」


 「はい。その時点で千夏さんではない事が判明しました」


 俺の言葉を遮ってまたもやとんでもない事を言い放った。


 「ちょっ!?下の名前!?」


 「追放おばさんが下の名前を出していましたよ。未練がましくエスさんとの婚姻云々の話をしていた時に……」


 どうした?何か今日の凛音は攻撃的だぞ?


 「はぁ……流石に苗字や名前を出すのはマズいのでアルファベットでTさん」


 Tとは友永さんの事だ。


 「私は除いてと……えぇ!?かなり意外です!?私はてっきりAさんだと思ってました」


 A……あぁ、アリスだからAって事か。右田さんね。彼女はコミュ力お化けの陽キャだからな。気持ちは分かる。


 「Aさんはコミュ力お化けの人ですから論外と言うか殿堂入りと言うか……二人のどちらかで悩みました。Uさんは過去に男性と何かあったみたいで距離を感じましたから僕も程よい距離感で接する事が出来ましたし、Tさんは周りをすごく見れる人であり僕の事を警戒して人目がある所でしか1対1にならなかったしっかりした人です。最終的には僅差でTさんですね」


 「今日一番と言っても過言ではないくらい驚愕しました。エスさんはよく見ているんですね」


 「まぁ、1か月も一緒のクラスで過ごせば見えてくるものもあるって事です」


 例えとして正しいかは分からないが、前世の男子高校生が同性の友人とデカい声でバカ話で盛り上がっていても近くに女子が来るとスンッてなるアレと言えば分かってもらえるだろうか?


 アレってデカい声で話してるんだから女子にも聞かれてるのにな……みたいなカンジだ。


 俺がクラスにいた時に何度も見た光景だ。性別は逆転しているが……


 まぁ、異性には良い部分だけ見せたいのは男も女も変わらないと言う事だろう。ましてや、この世界では男の方が少なくて選ばれる女性の方が少ないのだから何とか選んでもらおうと必死になるのは当然と言えよう。


 「学校の事に話を戻して申し訳ないんですけど、教職員の派閥争いってどんなカンジなんですかね?理事長派とか校長派とかあるんですかね?」


 入学式の時にリモート参加で良いと言ったら教職員たちの席で参加してくれないと困るって話があったからなぁと言う話をする。


 「エスさん……それってただ単に変更したら私たちの担任が他の先生に何か言われるから困ると言ったのではありませんか?」


 「何と!?そんな最初から事なかれ主義者だったのか。生徒の事より自分の保身が大事な教師ですか……この時点で気付いていたらと悔やまれるな」


 俺が勝手に勘違いした事ではあるけれど……


 「えぇと……それじゃあまた話題を変えましょう。そうですね……顔の美醜と男が婚姻相手を選ぶ理由や基準についてって言うのはどうでしょう?」


 この話題を続けるのは空気が悪くなるので、話題を変える。


 「エスさん……本気ですか?あと数十分しか残っていない中で選ぶ話題では無いと思います。改めて別枠の雑談配信で話しませんか?」


 コメント欄も凛音の発言に賛成の様で別の時間にゆっくりと語って欲しいと言うコメントが溢れていた。


 「いやいや、あくまで僕の考えを話すだけですよ?僕は一般的な男性とは言えませんから、参考にはならないでしょう?そんな真剣に別枠を取ってまで話すような事ではありませんよ。さて、取り敢えずこれはあくまでエスと言う人間の感想や考察であると言う事をお含みおき下さい」


 「エスさん……」


 何故か凛音が残念そうに言う。ええやんか?俺は統計で言う外れ値みたいなもんやからな。


 「まずですね…学校に車で送ってもらっている時に車から見えていた女性の皆さんは僕から見て非常に可愛らしかったり美しかったりする女性ばかりでした」


 「エスさん?」


 変声機を使っているのに怒りの様なものを感じさせるとは……


 「他意はないです。ただ、恐らくですが男が女性を選ぶのですから、男に好まれるような女性の遺伝子が残ってきた故に可愛らしかったり美しかったりする女性が多いのだと言えるのではないでしょうか?」


 これは他の男女の貞操観念逆転ものでもよくある話だ。


 「そうですね……」


 凛音も微妙そうではあるがその通りだと言う。


 「ではよく考えて下さい。世の女性の美醜がそこまで差が無いとなった場合、男性が自分の婚姻相手を選ぶ理由や基準はどうなるでしょうか?僕は三つの可能性があると考えます。一つは差が無い女性たちの中でも更に可愛らしかったり美しかったりする女性を選ぶ可能性です。二つ目は美醜に差が無いのならそれ以外のものを理由にしたり基準にする可能性です。分かりやすいのは相手の女性の年収ではないでしょうか?」


 一つ目の可能性は言わずもがなだが、個人的には二つ目も割とあり得ると思う。この世界では男性が女性に養って貰う事はおかしな事ではないからだ。


 「なるほど……エスさんが言う二つの可能性は分かりやすいです。三つ目の可能性はどんなものでしょうか?」


 「これは割と荒唐無稽ですよ。三つ目の可能性は男性が女性を選ぶ際の基準である美醜が変わる可能性です」


 あの海賊王の漫画ならドンと言う背景効果が出た事だろう。


 「美醜が変わる…ですか?」


 凛音が変声機を使っていても分かる位困惑した声で言う。


 「最初に荒唐無稽だと言いましたよ?ただ、可能性としてはあり得るんです。だって歴史を振り返ればこの二千何百年間の間に何度も男女の美醜――いえここは美醜観念と言いましょうか、それが変わっているのですから……」


 「いえ、美醜観念が何度も変わったと言う事は歴史を習って知っています。しかし、今美醜が変わる可能性があると言われても……」


 コメント欄も概ね凛音と同意見の様だ。


 「いえ、先程僕は言いました。女性は皆可愛らしかったり美しかったと……それならば――何故美醜観念が逆転するかもしれない可能性を否定するのですか?例として適当かは分かりませんが、数が少ないものの方が希少――レアだと言う考え方は理解出来ますか?それなら、今現在の美醜観念で微妙な評価の女性が男性に選ばれてこなかったせいで数が少ないのなら少ない方が希少だと言う事から逆転現象が起こる可能性は十分あり得ると思いますよ」


 「……」


 凛音もコメント欄も沈黙してしまった。


 「まぁ、あくまで可能性の話ですよ?それに最初に言った通り荒唐無稽ですし、月坂P含めたジュエラーの言う事の方が感覚的には正しそうですからね」


 前世で昭和のイケメンが醬油顔と呼ばれる所謂濃い顔であったのに対して平成、令和のイケメンは塩顔と呼ばれるスッキリとした昭和とは正反対とも言える薄い顔だと言うのは有名な話だ。


 だから、俺はこの貞操観念逆転世界で今のこの時代の女性の美醜が変わると言う可能性はあり得ないとは思わない。あと、男女の貞操観念逆転世界もので美醜が変わると言う設定は聞いた事は無いが、俺がいるこの世界は現実なのだから可能性としてはあり得るだろう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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