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112話

 時刻は午後18時だ。あの後、月坂さんの自宅に行ったが、月坂さんはいなかった。ご家族の方もいなかった。


 なので、どうする事も出来ず取り敢えず家に戻って犯人からの要求を待つ事になった。


 愛莉さんは家にいてくれて、幸那さんは車を使って月坂さんを探してくれている。


 「好事魔多し…か……」


 朝山のグループ勧誘話を上手く潰し、京條家にほぼ完勝し上流階級に婚姻しません宣言もして油断があったんだろうな。


 暗殺でも何でもしてこいやなんて言ったのはS級である二人の男性警護者を突破して俺を暗殺するのは無理だと思ったからだ。実際に何も無かったしな。


 だが、以前の京條家が月坂さんを監禁するかもと思った時の様に何故月坂さんに護衛を付けようと思わなかったのだろうか?狙われるのは俺だと思っていたからか?あそこまで挑発したしな。


 いや、違うな。やはり油断だな。この一言に尽きる。


 畜生!俺は無力だと改めて思い知らされた。


 月坂さんは無事だろうか?俺と関わってしまったばかりに月坂さんが死んでしまったら……


 俺は悔やんでも悔やみきれない。月坂さんに配信の手伝いを頼むべきでは無かったのではないか?いや、手伝いはともかく月坂Pと名前を出すべきではなかった。


 俺は月坂さんの無事を祈る事と後悔する事しか出来ない自分を呪った……


 そんな時間を過ごしているとピンポーンとインターホンが鳴った。


 誰だろうな?こんな時に……


 「春人さん!!月坂さんが!!」


 俺の部屋に愛莉さんが走って来てそんな事を言う。


 「月坂さん!?」


 俺はダッシュで玄関に向かう。


 「っっ!?月坂さん!!」


 「えっ!?い、市原君!?」


 月坂さんの無事な姿を見て我慢できずに抱きしめた。


 「無事で…無事でよかった……」


 俺は感極まって涙を流していた。


 「あ~その……市原君、私は大丈夫だよ。こちらにいるエマさんに助けられたんです」


 エマさん?


 「初めましてミスター市原、私はエマ・グリーンです。日本のアメリカ大使館に勤めている者です」


 はい?隣にいる金髪美女に気付かなかったぜ……


 「初めまして、市原春人です。その~何故アメリカ大使館の人が月坂さんを助けるなんて事に?」


 「はい。その説明をしたいと思ってミスター市原のお宅に参りました」


 エマさん、大使館勤めだけあって日本語上手いな。


 「分かりました。立ち話もなんですからどうぞ上がって下さい。愛莉さん、幸那さんに連絡をお願いします」


 「はい。もう済んでおります。直ぐに戻ってくると思います」


 このやり取りの間に幸那さんに連絡してたのね。


 月坂さんが無事だったのは良かったけど、アメリカ大使館か……


 何かキナ臭いと言うか新たな厄介事の様な気がするな。 

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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