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111話

 今日は6月6日火曜日で、今は午後16時30分だ。


 今日は月坂さんの学校が終わり次第、我が家で次回の配信についての話をする事になっている。


 というのも、前回の配信で京條家には完勝に近い勝利をした。上流階級に宣言もした。


 俺の配信を行う目的と呼べるモノはほぼ達成した訳だが、そこではい終わりとなって良い訳じゃない。流石にそれは不義理だ。なので配信はまだまだ続けるから次回の配信で何をするか話すつもりだ。

 

 「う~ん……16時に家で打ち合わせってなってたよな?連絡してみよう」


 一応30分待ってみたが、月坂さんが遅刻と言うか時間を過ぎても遅れる連絡をしない人物とは思えない。


 「出ない……」


 デヴァイスで電話してみるが出ない。チャットアプリにメッセージも入れるがこちらも返事が無い。


 「何か…何か嫌な予感がする。愛莉さん、幸那さん」


 俺は二人を呼んで車を出して貰う。取り敢えず開黎高校に向かう。その途中で合流出来れば良いが……


 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 「春人さん、開黎高校前に到着しましたわ」


 「そうですね……」


 下校している生徒はちらほらいるが月坂さんはいない。ここに来る途中にも見なかった。


 「幸那さん、嵯峨根家経由で京條さんに月坂さんが今どこにいるか聞いて貰えますか?」


 京條さんに連絡先を聞く位の事はするべきだったなと今更後悔しても後の祭りだ。


 そう思っていたら――


 コンコンと車の窓ガラスを叩く音がした。


 「右田さん!?」


 かつてのクラスメートである右田アリスがいた。


 「市原君、久しぶりだね。こんな所でどうしたの?学校が懐かしくなって見に来たの?」


 俺は窓ガラスを開けて右田さんと話をする。


 「いえ……つかぬ事を伺いますが、月坂さんが今どこにいるかご存知ですか?」


 「りんねる?分かんないなぁ……HR終わって直ぐに教室出て行ったからさ~」


 「「「っっ!?」」」


 俺達三人の絶句した声が重なった。


 「そうですか。右田さん、ありがとうございました」


 俺は自身の動揺を悟られぬ様に右田さんにお礼を言って窓を閉める。


 「幸那さん、月坂さんの自宅の場所は知っていますね?」


 「勿論ですわ。参りましょう」


 幸那さんは月坂さんが京條家に狙われると考えた時に送り迎えを頼んでいたから知っていると思ったが正解だった。


 「愛莉さん、月坂さんが誘拐されたと仮定したら僕たちはどうすべきですか?」


 プロである愛莉さんに尋ねる。


 「難しいですね……と言うのも、月坂さんが誘拐されたと決まった訳では無いからです。仮に警察に通報したとしても取り合ってくれないでしょう。もし仮に誘拐されたとしたら犯人からの要求を待つしかないかと思います。勿論、月坂さんが行きそうな場所を探しながらです」


 ふむ……やはりそうなるか。


 「愛莉さん、太刀川家の力をお借りする事は出来ませんか?」


 「拙も考えましたが、それはやはり月坂さんが誘拐されたと確定してからですね」


 愛莉さんが申し訳なさそうに言う。 

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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