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106話

 その後の顛末と男の量刑について少し語ろう。


 男が罪を犯した場合、死刑は無く全て罰金プラス精液の提出となっている事は以前話した通りだ。勿論、罪の重さによって罰金と精液の提出量に差がある。


 では朝山は?と言うと、今回は初犯と言う事や実際の被害が無かった事、しかし監禁と思われる様な発言や自らが俺を脅迫して強引に加入させるつもりだった事を自白したなどから――罰金は125万円で精液の提出量は男性の義務以外で3年以内に100㎖と言う刑になったらしい。


 重いのか軽いのかは分かりにくいが俺は司法に携わる事を目指している人間ではないので、司法がそう判断したのなら……という位の感想でしかない。


 そして朝山自身の事だが、会社を辞めたと言う事も辞めさせられたと言う事もないらしい。


 前世であれば考えられない様な事だが、朝山は男と言うだけでも貴重なこの世界で社会に出ている更に貴重な男だからな。仕方が無い事なのかもしれない。


 俺としては朝山が母さんを恨んで何か不利益な事をすれば許さんと言うスタンスだ。だから、何でまだ会社に残っているんだなどと文句を言うつもりは無い。


 勿論司法が下した判断に意を唱えるつもりは無いし、俺が更に勝手に罰を下すなんてのは傲慢に過ぎる。そんな事をするつもりは無い。


 それに母さんに聞いた話だが、朝山の会社の方が母さんと朝山が接触しない様に気を遣ってくれているそうだ。


 あと、今回の俺の対応に賛否と言うかそこまでする必要があったのか?とりあえず入るとか言っておくとか、入るだけ入ってその後参加しなければ良いんじゃない?って思われるかもしれないが……


どっちにしても入ってしまえば、入ったよね?なんで参加しないの?って言われてしまうと反論出来ないから参加しないといけなくなる。


 そうすると、その参加した場で絶対何かトラブルが起きるだろう。起きない訳が無い。


 なぜなら、ダブルバインド使いがいる筈だからだ。


 あれは恐らく朝山じゃあない。朝山が馬鹿とは言わないが、ダブルバインド使ってくる様な奴なら俺に監禁を示唆する様な失言をする筈が無い。


 つまり、グループとやらにはバックと言うか――朝山にダブルバインドを授けた黒幕がいる。間違いない。


 その人物に興味はあるが、そうなると俺対複数人の男と言う構図になる。簡単に負けるつもりは無いが、不利なのは覆せない。負ける可能性が高いし、勝つにしても上流階級に借りを作る事になる。


 それじゃあ結局どこかの上流階級の家に縛り付けられたり利用されるだけで本末転倒だ。


 だから、後々の事まで考えればきっちり勧誘話自体を潰しておかないといけなかったんですよ。


 それにやっぱり母さんの事があったからな。結構朝山にチクチク言われたり陰湿な嫌がらせをされたらしいから意趣返しと言うか何と言うかまぁ個人的な感情ですな……


 それよりも、男の罪について調べてるとヤバい事に気付いてしまった。


 と言うのも、今回の件で男の量刑に興味を持った俺は死刑が無ければどんなものが最高刑なのか調べたのだ。そしてそれは、強制的に精液を搾り取る機械に一生繋がれるというものだった。


 もし、もしもだが――仮に国が俺の精液を欲するが故に冤罪に陥れこの刑に処すなんて事があるかもしれない……とな。


 これまた陰謀論と言われかねないが、朝山は俺の考えを男性優遇に反対している野党と政権交代が起これば杞憂とまでは言えなくなると言った。最悪の事態を想定するのは当然の事だろう。


 問題なのは朝山が言っていた海外の情報を取得しにくいと言う事だろう。本屋に行って海外について書かれている本を買おうか等と考えていたが、よく考えれば店員が売ってくれないと言う可能性もあり得る。


 デヴァイスで調べるとか海外の配信を見てみると言う事も考えたが、前世のキッズフィルターの様なものが男性にあるらしく閲覧できませんみたいなカンジになるのだ。

 

 母さんや男性警護者二人に頼むと言う事も考えなかった訳では無いがな……察して欲しい。


 最後に話は変わるが京條家の俺への謝罪の生配信の準備が整ったので、6月4日日曜日に行われる事になった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。

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