104話
初めてレビューを頂きました。ありがとうございます。書かれてる事が本当にその通りだなと思って読ませて頂きました。作者自身も本編の途中のあとがきで書いているのですが、中々恋愛要素に結びつかずどうしてこうなった?みたいな展開が結構あります。
それでも男女の貞操観念逆転世界の話ですし恋愛ジャンルで投稿してますから、いつかは絶対に恋愛要素に辿り着きます。そこまで長い道のりになるかもしれませんが、気を長くしてお待ち頂けたらなと思います。
「君の話は終わったのなら、今度は私の話をさせて貰うが良いかね?」
聞きたくないです。帰りますという訳にはいかないよな……
「勿論です。ただ、私は世間知らずですのでその辺はご容赦を」
「構わないさ。私も君の質問に殆ど答えられなかったからね。それで、私の話と言うのは君を私が所属しているグループに勧誘したいのだ」
グループだと?どこぞの学園都市の暗部とかじゃないだろうな……
「申し訳ないのですが、グループと言うのは?」
「男性同士で定期的に話をする会合と言うか集まりの事だ」
分かるような分らんような話だな。
「はぁ…何故私をそのグループとやらに勧誘しようと思ったのですか?」
「あまり興味が無さそうだね……君も同じ男との繋がりは持っておくべきだと思うがどうかな?」
どうかね?って……しかも、勧誘した理由話してないし。
「勧誘の理由は私の為と言う事ですか?だとしてもお断りさせて頂きます。配信が忙しいので……」
話が合う気がしないし絶対面倒事になるのは分かってる。触らぬ神に祟りなしだ。
「まぁ、結論をそう急ぐ事は無い。今日私が配信を潰してしまった事で警戒をしているのだろうが、それならその日は断ると言う事も出来るのだ」
何でそこまで拘るんだ?別に無理に所属する必要は無いだろう?
「あの、隠している事があるならそれもキチンと話して頂けますか?」
「隠している事など……」
そんな風な態度だから怪しまれるんだよ。
「では、この話はここまでと言う事で本日はお疲れ様でした。費用は後日母に請求して下さい。それでは」
俺はそう言って立ち上がり帰ろうとする。
「待ってくれ、分かった。話す――実はグループで配信者エスと会って話をすると言ったんだ。そしたら、配信者エスもグループに入れようと言う話になって……」
個人情報ガバガバかよと思ったが、言わなかった。それは別に犯罪でも何でもないしな。
だけど、グループに入れようって……何か理由があるのか?有名な配信者がいるグループだと箔が付くとかか?
「先程私の為にと言っていましたが嘘を吐いていたんですね?そんな人は信用できません。ましてやそんな人が属する集団など検討するまでもありません」
どうせそんなこったろうと思ったよ。自慢したんだろうなぁ。俺はあの配信者エスが配信を休んでまで話を聞きに来るんだぜ?的なね……
んで、イキってたらそれじゃあお前、エスをこのグループに引き込めよとか言われたんだろうな。
要は自業自得だよ。それを恩着せがましく男との繋がりが必要だあ?自分の面子の為だろうが!!
まぁ、この男が俺の話を素直に聞いて自分なりに考えて答えていたのも信用させてグループとやらに勧誘する為だったんだろう。そこは逆に良かったと思うべきだな。
「そんな!?正直に話したのにグループに入らないだと!?」
「隠している事をキチンと話して下さいと言っただけで、話せばグループとやらに入るとは一言も言ってませんよ。ただ、朝山さんが仰った男性との繋がりと言うのは聞き入れるのに吝かではない意見だと思いました」
「では――」
「はい。朝山さんたちとは別の良いグループを気長に探してみようと思います」
俺は朝山の言葉を遮ってお前たちの所はノーサンキューだと言う。
「っっ!?」
「それでは今度こそ失礼します」
「待て!!グループに所属すると言うまでこの場から返す訳にはいかないな」
えぇ…おっさんにホテルに監禁されるとかマジ勘弁なんだが……
「愛莉さん、幸那さん、相手が監禁を示唆する事を言いました。正当防衛は成立しますよね?」
「はい、確かに『この場から返す訳にはいかない』と言っていました。朝山殿の男性警護者に告げる。我が主を監禁すると言うのなら我が太刀で切り伏せるがどうする?」
「愛莉さん、落ち着いて下さいまし。あなた達、投降する事をお勧めしますわ。男性とは言え犯罪者に与する事など男性警護者がする筈がありませんわよね?」
愛莉さんはテンションが上がってるのか物騒な事とどさくさ紛れに我が主とか言ってるし、幸那さんは幸那さんで朝山をシレッと犯罪者呼ばわりだし……やりたい放題だな。
最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。




