97話
飲み物を飲むのと月坂Pからちょっとした説明をされる間はエスのプロフィールが表示されている。
小休止は3分と決めていた。待てるのはカップラーメンを待つ時間位じゃねぇ?と思うからだ。
「え~長らくお待たせ致しました。これより、イケメン元DKに言われたい言葉選手権を開催いたします。まず、ルールと言うかどういう催しなのか説明させて頂きます。予めリスナーの皆様にエスに言って欲しい言葉を募集しまして、その中から実際に私がその言葉を言います。なお、メッセージは1000通近く届いたそうです。改めてメッセージを送ってくださった方々ありがとうございます」
長くなりそうなのでここで一旦切る。
「そして、1000通近くもあれば被る事も当然ございます。なので、月坂Pが集計してくれました。そしてランキングを作ってくれたので、その上位である1位から5位までを私エスが実際に言います。それでは、第5位から発表です。第5位は――『綺麗だね』です。え~それでは、言わせて頂きます。オホン……綺麗だね」
ちゃんと相手の事を想って言ってるように頑張ったけど……あ~クソ恥ずかしいな。
コメントは見ない。絶対に見ない。
「続きまして第4位です。第4位は――『可愛いね』です。それでは……可愛いね」
「続きまして第3位です。第3位は――『ありがとう』です。それでは……ありがとう」
「続きまして第2位です。第2位は――『好きと大好き』です。この二つはセットで集計させて頂きました。それでは……好きだよ……大好きだよ」
「え~では、第1位の発表です。第1位――『愛してる』です。それでは……君を、愛してる」
うん。綺麗とか可愛いは絶対に入ってると思ったけど、ここかってカンジなんだよな。1位と2位はこれしかないと言うカンジだが、3位が意外だった。この男女の貞操観念逆転世界だからかなと言う気がする。
コメントが物凄い勢いで流れているが見ないったら見ない。
[月坂Pセレクションも言って下さい]
月坂Pからそんな指示が出た。
「え~と……月坂Pから指示が出ました。月坂Pに刺さった言葉を選んだ月坂Pセレクションも是非とも言って欲しいとの事なので……先ずは、月坂Pセレクションを発表させて頂きます。三つあるそうです。まず一つ目は――『ずっとずっと君だけを見てました』だそうです。それでは、こちらを言わせて頂きます。月坂P、ずっとずっとあなただけを見ていました」
[何で前に月坂Pと付けたんですか!!]
「ふふっ、失礼しました。何で月坂Pと前に付けたんですかと怒られてしまいました。ですが、僕だけが恥ずかしい思いをするのは癪ですから月坂Pにも恥ずかしい思いをしてもらいます。それでは、二つ目です。二つ目は『彼女は僕にとって大切な人です』だそうです。それでは……月坂Pは僕にとってとても大切な人です」
[だから、前に月坂Pと付けないで下さい!!あと、さっきのもですけどアドリブで付け足さないで下さい!!私の寿命がが!!]
「え~何故か月坂Pが寿命がどうとか言っていますが無視します。最後の一つは――えっ!?これなの!?すいません。10秒下さい。確認しますので」
俺は月坂Pに確認した。あの言葉で間違いないのか?と……
「え~大変失礼致しました。意外な言葉だったので思わず混乱して確認する事態になりました。では、最後の一つを発表させて頂きます。『何、他の男を見てんだよ。お前は俺のものだろ?俺だけ見とけば良いんだよ』だそうです。俺様系?って言うんですかね?本当にこれ言って良いの?と思ってしまったので……」
「え~今から言葉遣いがちょっと荒れますが、あくまで役と言うか言葉を言うだけなのでご了承下さい。それでは……ねぇ?何、他の男見てんの?月坂Pは俺のものなんだから、俺の事だけ見てろ。良いな?」
かなり恥ずかしいけど、月坂Pも恥ずかしい思いをして貰わないといけないからな。死なば諸共ってやつよ。
「え~それでは、これでイケメン元DKに言われたい言葉選手権を終了させて頂きます。ありがとうございました。では最後に告知です。来週も同じ時間に配信をしたいなと思うのですが、僕の身がどうなるか分からないのでまた月坂Pに告知して貰います。配信の内容もまたその時に一緒にお知らせ出来たらなと思います」
ここでも、上流階級の家とのトラブルでどうなるか分からない。何かあれば俺と揉めている上流階級の家の所為と匂わせる。これで、京條家も強引な報復は行わないだろう。
「それでは、本日も最後までお付き合い下さりありがとうございました。それでは、リスナーの皆様本日はこれで失礼させて頂きます。さようなら~」
いつものと言う程配信をしていないが、前と同じ終わり方する。
最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。