閑話 今なら第月天魔王を嫉妬でマルスできる
私の名前は渋谷亜子。男性配信者を追っかけて早15年にもなるベテランオタク女子だ。年齢は聞くなよ?再び戦争になるぞ。
「何よ……エスのどこが超絶ブサイクなのよ……超絶イケメンDKだったじゃない……」
そう、私はエスの初配信の顔出しの部分から放心状態だったのだが、今はアーカイブで見直して第月天魔王への嫉妬やら妬みが溢れ出している。
「第月天魔王が羨ましい……あんなイケメンDKと同じ学校のクラスメートってだけでも絶許なのに、それだけじゃなくてキャッキャッウフフしながら動画作ったり配信の打ち合わせしてるんでしょ……」
前世でどんだけ徳積んだんだよ。
「私も配信に詳しいんだから渋谷Pとか亜子Pとか言われたい。第月天魔王に私もエスのプロデュースに参加させてほしいと言ってみようか?」
いや、無理だな。実際に会ってみたいとか動画の撮影を手伝いたい位でもギリワンチャンあるかないか微妙な所だろうしね……
「あ~ホント羨ましい。見てる限りじゃあ女に対しての嫌悪感とか見下したりとか感じられなかったもんね。しかも、第月天魔王は近くでカンペ出してたんでしょ?しかも、好きな女のタイプで名前出されてたし……」
最初の方は女への嫌悪感とか横柄な態度を我慢出来ても、配信の間中ずっと我慢できる男性配信者を見た事が無い。
なのに、エスはそんな様子を微塵も感じさせずに終始丁寧にコメントにも感謝しながら配信をしていた。
それに、好きな女性のタイプは?って質問されたら男性配信者じゃなくて普通の男性でもブチ切れるからね?それなのに、怒りを我慢してとか嫌々答えるんじゃなくて月坂Pですねってスッと答えてたじゃん!!
「今なら第月天魔王を嫉妬でマルスできそう」
と言うのは冗談にしても羨ましいのは本音だ。
あんなイケメンDKを自分好みにプロデュースして男性配信者の界隈でトップを目指すって最高に夢があるよね~
「それに、エスと言う男性配信者が現れたから他の男性配信者も変わらざるを得ないでしょうね。今と同じままだと確実にエスとその他の男性配信者ってカンジで淘汰されるのが目に見えるわ」
そういう意味ではこれからの男性配信者界隈はどうなっていくのか楽しみね。エス一強の時代になるのか、また新たな男性配信者が台頭するのか……
「取り敢えず、第月天魔王に切り抜きして良いか聞いてみよう」
グチグチ言いながらも自分が良いなと思ったエスの配信の切り抜き動画を作り始めた。
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