1話
オッスオッス俺は 市原春人年は32。
分かってる。言いたい事は分かってるさ。名前だろ?
某野球ドラマでブレイクした芸能人と一文字違いなのに顔は……と言いたいんだろ?こっちはずっと言われ続けてきたんだ。分かるさ。
そんな俺は大学卒業後某有名チェーン店の正社員となったが、過酷で30後半いや40になったら体が持たない。働けないと思ったんだ。で、30後半とか40前じゃ転職活動も厳しくなるから30前に退職したけどさ……転職活動に手応え無しだ。まぁ、特別な資格を持ってる訳でも無し、経験のある飲食やサービス業は辞めた意味が無くなるから他業種って考えると未経験で、それなら30のおっさんより新卒でってなって転職活動は悲惨な有様だった。
そこで、じゃあ資格を取ろうってなって選んだのが宅地建物取引士――通称宅建士だった。
選んだ理由は資格試験の受験資格は特に無い国家資格で宅建業に従事していなくても合格後に講習を受ければ宅建業に従事していたと見なしてくれて宅建士の資格を取れる。これだ!!と思ったね。
だけどさ……現実って厳しい。転職活動でも身に染みたけどさぁ。一応宅建試験の為の予備校みたいな所に通ったのよ。日光学院って所にさ。だけど、自己採点だけど合格点に3点足りずに落ちた。
ここで止めるのは勿体ないもう一年通って今度こそと思った。神頼みで神社にも行って宅建試験合格とモテたいですって神様に言って来た。若干モテたいの方が比重がねアレだったのはまぁ……
それで、今試験後なんだけど日光学院の宅建試験の解答速報を見ている。
『それでは、全50問の解答が出揃いましたので発表していきます』
アシスタントの女性の声に緊張が高ぶる。
『問1の答えは1、問2の答えは1――』
全50問の解答を聞いて俺の自己採点は――
「40点だ……」
俺は宅建業に従事していないので5問免除は無いので50点満点の何点かとなる。何度も見返して確認したが40点だった。
「いや、合格点が何点なのかが問題だな」
宅建試験は決まった合格点が無い。近年は受験者のレベルが上がってきたので最低でも35点以上38点位なら安全圏と言われている。40点だから大丈夫だと思うが、マークシートの位置がずれてとかマークした番号が違うといったミスは十分考えられる。
『では、○○先生、合格点の発表をお願いします』
『合格点は――36、37点――36±1です。今年の宅建試験は――』
○○先生が今年の宅建試験の傾向を話してくれているが、俺はそれどころではなかった。
「っしゃああああああああああ!!」
喜びを爆発させていた。
「神様、ありがとうございます!!」
勿論、これは一般財団法人 不動産適正取引推進機構が解答と合格点を出した正式発表では無いが日光学院はそこまで解答と合格点の差はない。
これで後は宅建実務講習を受けて宅建士になって就活だ!!
「うっ……」
む、胸が苦しい。息が……そんな……ほぼ合格ってなってこれから……だってのに……あぁ…モテたかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。お手数をお掛けしますが、宜しければ拙作への評価やブックマークよろしくお願い致します。
あと、名前の件がサラッと一行で流されてると思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、後程(どれくらい後になるかは未定)触れる予定です。