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星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~  作者: イワシロ&マリモ
ファーストコンタクト

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夢の跡

活動報告でお伝えしたき事がございます。よろしければご覧ください。

ミーム星系宇宙ステーションへと入った私とフェル。服装は普段着のままだけど、フェルには万が一に備えて私と同じブレスレット型の端末を渡してある。これでアリアからのサポートを受けられるからね。

プラネット号を貰う過程でアリアも大幅にアップグレードされたらしく、私達のサポートを行いながらプラネット号の管理も片手間でしてしまう高性能だ。私達には欠かせない大切な仲間だね。




取り敢えず多目的ホールに来てみたけど、明らかに荒廃していた。床にはたくさんの廃棄物らしき物が散乱しているし、壁とかにも傷が多い。

アリアが外部から調べてくれたけど、間違いなくセンチネルの攻撃を受けてる。思い出されるのは、フェルを助けた時に遭遇したバイオウェポン。あの不気味な物体は二度と見たくないけど、何だか嫌な予感がする。

フェルも私と同じなのか、頻りに周りを警戒してる。




「アリア、救難信号の発信源は?」




『この先にある居住区画の最奥からです。現在ステーションのシステムに接続中ですが、主電源が落ちています。先ずはコントロールルームへ向かい、システムを回復させてください。ステーションのシステムを掌握できれば、サポートも捗りますので』




「分かった。何か探知したらすぐに知らせてね。特にバイオウェポンとか」




『了解しました。ティナ、フェル。どうかお気を付けて』




「うん、ありがとう。フェル、いこうか」




「はい」




私達は警戒心を剥き出しにしながらアリアのナビゲーションに従ってコントロールルームへ向かう。

このステーションは中心にある縦長の主要区画と周囲にある円形の居住区画の二つに分けられてて、ドックは主要区画の下部にある。まあ、無重力なら上下左右の概念はないんだけどね。




「エレベーターは……使えないかなぁ」




手早く移動できるエレベーターは、無惨に崩壊していた。主要区画は遥か先にある天井まで吹き抜け。

移動にはエレベーターを使うみたいだけど、使えない。コントロールルームは中心部にあるけど、高い場所だ。階段も見当たらないし、万事休すだ。地球人ならね。




「仕方ない」




「仕方ありませんね。ティナ、気を付けてくださいね?」




「ん、離れないでね?フェル」




私は大きく翼を羽ばたかせて、フェルは羽を小刻みに動かして飛び立つ。エレベーターが使えなくても吹き抜けなんだ。飛べば良い。上昇しなきゃいけないからそれなりに疲れるけど、元来飛ぶのが好きな私にとって苦痛じゃない。




中心部を天井まで貫く背骨のようなもの。まあエレベーターなんだけど、その中心部に円形に膨らんだ場所がある。あれがコントロールルームだね。四方に渡り廊下らしきものが延びてるし。

当然ながら扉はロックされてた。仕方無い。

私は右手を振ると、ビームランスが呼び出される。これで抉じ開けるしかない。中に人が居たら大惨事だけど。




「待ってください、ティナ」




フェルの瞳が青く光る。これは……透視の魔法?

お母さん曰く、フェルの魔法の才能は飛び抜けているみたい。

……周りと違う姿は、やっぱりチートの象徴だね。私にはそんなもの無いけどさ。




「大丈夫、誰も居ませんよ。その、ご遺体なんかも」




「ごめん、嫌なもの見せるところだった。ありがとう、フェル」




中に死体とかがあったらショッキングだしね。次からは気を付けないと。




「じゃあ、下がってて」




私は閉じられた扉にビームランスを突き立てた。分厚い扉みたいだけど、ビームランスに貫けないものはない!




「よっと」




私はゆっくりと扉に穴を空けるように動かした。ビームの刃に焼き斬られていく。中々気持ちが良いね。

で、大きく円を描くように切り裂いて。




「いくよ、フェル!」




「はい!」




「「せーのっ!!」」



私とフェルは足に魔力を込めて同時に扉を蹴った。

すると、くり貫かれた扉が大きな音を立てて蹴飛ばされた。魔力を込めれば身体強化も出来る。




二人でくり貫いた扉を潜ってコントロールルームに入った。

部屋にはたくさんの端末があり、私は中心に置かれた端末に近づいた。




「アリア、お願い」




『お任せを』




端末にブレスレットをかざすと、すぐにアリアが解析を開始した。

すると、これまで真っ暗だったステーション内部の照明が灯されて明るさを取り戻した。

無事に復旧できたみたいだね。




『ステーションの全システムを掌握しました。これより探索を開始します』




「うん、救難信号の発信源を探して。それと生存者を」




『畏まりました。それと、データの中に日誌らしきものを発見しました。ご覧になりますか?』




「うん、手掛かりになるかもしれない」




近くにあったモニターに日誌が映し出されて、フェルと一緒に中身を拝見した。

中身は取り残されながらも懸命に生き抜こうとしていた同胞達の切実な言葉が綴られていた。幸いなのは海洋惑星のミーム3から水が豊富に供給されていたことかな。




「ティナ、これを見てください。最後の記録です」




一緒にデータを探していたフェルの言葉を聞いて、私は一緒に中身を見た。日時は……アード時間で一週間前。




『遂にセンチネルの奴らに発見されてしまった。どうやら連中はステーションそのものを破壊するより我々の殲滅を目論んでいるようだ。ステーションへの攻撃はそこそこに、バイオウェポンを撃ち込んできた。事此処に至っては背に腹は代えられぬ。我々は救難信号を出すことにした。幸い奴らの攻撃に備えて武器類は豊富にある。戦えぬ者達と一緒に立て籠れば、長く耐えられる筈だ。嗚呼、偉大なる女王陛下のご加護があらんことを』



そこで日誌は途切れていた。やっぱりセンチネルの攻撃を受けたんだ。一週間前、救難信号が受信されたのは五日前。もう少し早かったら……いや、それよりも。




「皆が立て籠る場所と言ったら、やっぱり居住区かな?フェル」




「はい、私もそう思います。食べ物を初めとして生きていくために必要なものは揃っていますし、隔壁があるなら充分です」




「よし、それならすぐに居住区へいこう。アリア、居住区への道を開いて」




『畏まりました……ティナ!動的反応を確認しました!』




「えっ?」




同時に何かが落ちる音がして私達は振り向いた。そこには、白衣を纏ったアード人の男性が立っていたんだ。

……物凄く嫌な予感がする。


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