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星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~  作者: イワシロ&マリモ
交流開始

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コスプレ?

 ふぅ、危うく空へ還るところだった。皆さんごきげんよう、異星人対策室のジャッキー=ニシムラ(変態疑惑)だ。ティナ嬢達を私の行き付けの店に案内したのだが、まさにそこは天国だった。

 先ずゴスロリのティナ嬢にやられた。彼女は小柄だから予想通りロリータ系が良く似合っていた。フェル嬢が狂喜乱舞してティナ嬢を愛でていた。一通り愛でたあとは、彼女達も地球の衣服に関心を寄せてきた。ここはコスプレを普及すべきだと私の体に流れる父祖の血が騒いでいる。ここは自重せずに勧めてみようと思う。

 先ず問題になったのは、彼女達の衣服は環境適応の機能があるらしく脱いで大丈夫なのかと言う点だ。これに関してはティナ嬢が着替えている事実からしても問題はなかった。フェル嬢の魔法が有効だからだそうだ。魔法とは摩訶不思議だな。

 次に、彼女達の翼あるいは羽根だがこれも問題はない。カスタムすれば良いし、翼を取り付けるような種類の衣装もある。



「へぇ、これが鞄かぁ。背中に回せるなんて楽そうだね」



「邪魔にはならないと思いますけど、私達だと無理ですね」



「そうなんだよなぁ」




 フェル嬢とフィーレ嬢が関心を寄せているのはランドセル等の背負い鞄だ。ふむ、確かに彼女達には羽根がある。物を背負うのは難しいだろう。ティナ嬢も肩掛けのポーチを使っているからな。

 こんなところからも文化の違いを垣間見る事が出来るのは面白いものだ。個人的には是非ともランドセルを装着して貰いたかったが……仕方あるまい。それに、彼女達にはトランクがある。鞄などは需要があるまい。せいぜい観賞用くらいか?




「ニシムラちゃん、ニシムラちゃーん?」



「ん?どうなされた?同志ティリス殿……」




 振り向いた先には楽園があった。黄色い帽子に水色のスモック、白い靴下に小さな靴。肩掛け鞄。極めつきは胸にある名札に日本語らしき文字!

 それはまさに人間の誰もがピュアだった頃の正装であり戦闘服。世界がキラキラと光って見えて、日々新しい発見に心をときめかせ、好奇心の赴くまま動き回り世界を堪能する旅人。家族の愛を一身に受け、友人達と笑い合い、時に喧嘩をしながらもすくすくと成長していく小さな勇者達。すなわち、幼稚園児と呼ばれる子供達の制服を身に纏ったティリス殿だった。

 その余りにも尊い姿は私の網膜を焼き付くし、そして脳に多幸感と興奮を与えた。嗚呼、我が生涯に数多の悔い有りッッッ!!!




「また死んだ。はい、ヒール」




 はっ!?ここはどこだ!楽園か!?



「ティナお姉ちゃん、ニシムラちゃんが壊れたよ?」




「元々壊れてるから大丈夫だよ」




 むっ、何やら全てを諦めたような表情のティナ嬢が視界の端に映ったが問題あるまい。淑女からのダンスの誘いを受けて拒むのは紳士に非ず!




「同志ティリス殿、しばしお待ちを!店主!更衣室を借りるぞ!」




 ならば私も万全の状態で出迎えねばなるまい!いざ!




 何だかニシムラちゃんが興奮しながら店の奥に引っ込んじゃったよ。私の魅力のせいかな?キャハッ☆

 それにしても地球の服は興味深い。ファッション、自分を着飾ると言う概念はアードにもあるけどせいぜい装飾品くらいだ。服は基本的にみんな同じだからね☆

 フェルちゃんフィーレちゃんも興味深そうに色んな服を見てるし、幾つか貰うのも悪くないかもしれない。対価は……うーん。物々交換はこんな時不便だ。本格的な交流が始まる前に、通貨協定を結ぶ必要があるね。

 ティナちゃんが言うには、1クレジットが日本の1円に近い感覚らしい。なんでそんな感覚が分かるのか疑問だけど、女王陛下の姪っ子様だ。特殊な力があっても不思議じゃない。本人には秘密だけどね☆

 ティナちゃんは可愛らしい服を着ているけど何故か疲れきっている。声を掛けようかと思っていたら。




「やあ、ティナ。久しぶりだね」



「ジョンさん!お久しぶりです!」



 頭がキラキラ光ってる筋肉質のおじさまが声を掛けてきて、ティナちゃんが嬉しそうに答えていた。まさか、彼がジョンさん?

 ティナちゃんが地球の事を語る際には必ず名前が出てくるし、地球人相手に警戒しているフェルちゃんが珍しく警戒していない相手。前回は会えなかったけど、そうか。彼がジョンさん、つまりジョン=ケラーか。何だか苦労人のオーラが出ているな。さぞやティナちゃんに振り回されているのだろうね☆




「おや、随分と可愛らしい服を着ているじゃないか。まあその、似合っているよ。君は不本意みたいだけど」



「色々ありまして……聞かないでください」




「うむ、わかった。それで、そちらのレディが……」




 ほほう、レディか。お嬢ちゃんと呼ばなかった事は評価できる。まあ、ティナちゃんがジョンさんには私の正体を伝えているみたいだしね。




「ティリスちゃんだよ!☆」



「初めまして、ティリスさん。私は異星人対策室の室長を任されているジョン=ケラーです」



 おっと、丁重だ。




「堅苦しいのは苦手だから、ティリスと呼んで欲しいな☆敬語も要らないよ☆」



「しかし……」



「ジョンさん、ばっちゃんはこんなノリですから気にしなくて良いですよ。むしろ拗ねたら面倒くさいし」



「面倒くさい言うな☆」



 失礼な、みんな大好きティリスちゃんを面倒くさいなんて!




「フェル~、フィーレ~!ジョンさんが来てくれたよ!」




 ティナちゃんが呼び掛けると、フェルちゃん達が小走りでやってきた。




「こんにちわ、ジョンさん」




「やあ、フェル。元気そうで何よりだよ。そちらの娘が?」



「フィーレだよ、よろしく~。見ての通りティナ姉ぇ達より年下だから気楽によろ~」



「異星人対策室のジョン=ケラーだよ。これからよろしく頼むよ、フィーレ」




 ほう、人見知りの気があるフィーレちゃんといきなり握手を交わせるんだ。確かに相手に警戒させないなにかがある。ティナちゃん達が懐くのも分かるなぁ。




「地球の服に興味があるのは嬉しいけど、先ずは本部に来ないかい?疲れもあるだろうし、落ち着いて話せる場所じゃないからね」




「分かりました。みんな、ジョンさんについていこう」




 んー、もう少し色々見たかったけど、まあいっか。また来れば良いし。ニシムラちゃんを皆でスルーしてるけど……良いのかな?☆




 ティナ達が店を後にして数分後。



「お待たせしました!」



「おう。じゃ、行こうか」




 紐パン&虹色ネクタイのみの姿で出てきたジャッキー=ニシムラは待機していた警官達によって連行されたが他愛ない話である。

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― 新着の感想 ―
[一言] 変態疑惑…?
[一言] 変態は死なないし、死んでも檻の中で勝手に生き返るから大丈夫だよ
[気になる点] えっ、変態疑惑?どこをどう見ても変態確定でしょうに。 [一言] そして最後はお約束。やっぱり疑惑ではなく確定ですね。
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