【第35話】我が家へ
ガチャリ。
「ん? ん?」
自分の部屋だと思い部屋に入ると、なんか家具が多かった。
「えっと」
まず一番目立つところで、クローゼットがひとつのはずが3つになっている。
クローゼットは、真新しいものと言うことはなく、この部屋に元々ある少し古いものが2つ増えているのだ。
そういえばクローゼットは申告すれば増やしてもらえたなと思いながら部屋を出る。
考え事をしていたから間違えて他の人の部屋に入ったかもと思ったからだ。
なんせ1年ぶり。
しかし焦って一度出て、ドアに自分の名前のプレートが掛けてあることを確認、安心してから部屋に入り直した。
やはり間違えていなかった。
「どういうこと?」
もしかして私の部屋、物置になった?
考えても答えはでない。
意を決して増えた方のクローゼットを1つ開けてみる。
ガチャリ
(おお)
質の良さそうな、決して安くはないだろう服がぎっしりと入っていた。
服の下にはこれまた高そうな靴が5足並んでいる。
(・・・これはハインの仕業かな?)
靴と同じ並びに木の箱が置かれているのに気付く。
パカリ。
(うわ)
開けてみるとそれはジュエリーボックス(中身入り)だった。
「おもちゃ、じゃないよね?」
もう1つの増えたクローゼットも開けてみるが、同じ感じで高そうな服や靴がぎっしり入っていた。
(どうしたのよ、ハイン・・・)
最後に元からあった方のクローゼットも気になって開けてみると、こちらにも服が増えていたけど、
元々持っていた服もあったので、やはりここが自分の部屋であることに間違いはないようだ。
コンコン。
ぼーっとクローゼットの中を眺めているとドアがノックされた。




