第10話 3人の出会い
ブックマークと評価、よろしくお願いします。
お待たせいたしました。完結まで書けるように頑張ります。
まずい、非常にまずい。
高校生になってすでに一ヶ月が経過した。
なのに、友達ができない。
やはり新作のゲームをやりたすぎて一ヶ月間終業のチャイムとともにすぐに帰っていたからか。
そのゲームも一段落し、そろそろ友達が欲しいなと思ったころにはすでに手遅れ。
友達の輪は形成されており、あの中に入っていける気はしない。
俺はクラスを見渡してみると、二人だけただぽつんと席に座っている二人を見つけた。
イケメンと美人。なぜこの二人が誰とも話さずぽつんとしているのかは分からないがこの二人のどちらかに話しかけるのが現状ベストな選択である。
幸い、人に話しかけるのにあまり抵抗はない。仲良くなれる自身はないが。まぁなるようになるだろ。
俺は女の子に話しかけるのはまだハードルが高いと判断し、イケメンの方に話しかけることにした。
「おはよう。
実は頼みがあるんだけど。」
そう、お互い顔見知り程度の状態でいきなり話しかけられると相手は警戒する。しかし、頼み事をクラスメイトにする、しかもそれが授業の課題に関してなら自然なことだろう。
「おはよう。
えっと君はだれ?」
「え?あーそうだよな。
俺は三上 優悟。よろしく。」
「僕は宮澤 蒼空。それで頼みごとって。」
「あ、ああ。」
出鼻を挫かれたが問題ない。ここから課題の話に持ち込む。
「今日数学の課題出てるでしょ?
実は、問い3の答えに自信がなくて。よければ答え合わせしてくれないかなーって。」
実際は結構自信ある。しかし、それでは意味がない。
こいつ数学苦手なのかな、という印象を与えることで親しみやすいと思ってもらえるはずだ。多分。
「え?今日って数学の課題出てたの?」
おっと。こいつはもしや。
このイケメンはそっち系か。まぁたまたま忘れていただけかもしれないが。
「うん。
えっとこのプリントなんだけど。」
俺は隠し持っていたプリントを宮澤君に見せる。
「あ、見覚えがある。」
宮澤君はカバンから数学の教科書を取り出し、パラパラとめくり課題のプリントが挟まっているページを見つけた。
「これか。
えっと、問い3だっけ。僕数学苦手だから解けるか分からないけど。」
「ふっ。」
俺は思わず吹き出してしまう。
「どうしたの?」
「わ、悪い。宮澤君って面白いな。」
「そう?
初めて言われたよ。」
それは以外だな。こんな逸材を放っておくとは、勿体ない。
こいつとなら仲良くなれそうだ。
「問い3はもういいよ。
それより答えみせてやるから、課題やろうぜ。」
「うーん、さすがにそれは。
課題は自分の力でやらないと。」
「ぷっ。そうだな。」
とても課題を忘れていたやつとは思えない発言だが。
俺達は一緒に課題を片付けて、宮澤君は無事に課題を提出できた。
それから、俺達は一緒に行動するようになり、俺が想定していた以上に仲良くなれた。
俺が蒼空と友達になってから一ヶ月あまりが経った。
「では、今日の課題は3人組で行ってもらいます。
条件とかはないので適当に3人組を作ってくださいね。」
どうしたもんか。よし、とりあえず声をかけてみるか。
俺は蒼空とともに孤高のお姫様に話しかける。
「こんにちわ。
よかったら俺らと一緒に課題やらない?」
「気安く話しかけないで。」
ん?今とんでもないことを言われたような。
いや、聞き間違えかもしれない。もう一度チャレンジだ。
「実は俺ら他に誘えそうな人居なくてさ。
北条さんはまだ誰とも組んでないみたいだからどうかなって。」
「僕は宮澤 蒼空。
こっちが三上 優悟。北条さん、僕らと組んでくれない?」
よし、蒼空の援護射撃も入った。これでどうだ。
「だ、か、ら。
気安く話しかけないでって言ってるでしょ。」
う、うそだろ。
こいつ尖りすぎてないか。
いや、まだだ。まだ諦めるには早い。
「今回だけだ。
今後関わらないようにする。」
「はぁ。しょうがないわね。
今回だけよ、それと私最低限の仕事しかしないから。」
「お、おう。」
こうして俺達3人は出会った。
次回、蒼空と北条が付き合うことになった理由が明らかになります。




