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夢日記  作者: 角砂糖
2/3

夢、屋敷、ビル、概念の間?、映画

すごく長い。さらに他にも夢を見ていたけど、覚えているぶんだけ。

スタートはたぶん、屋敷。例に漏れず、雰囲気は父方祖父の家。怖い夢はいつもそう。そして最初は怖い夢。私は大きな屋敷に住んでいる。親戚なのかなんなのか、小さい子供も何人か、大人も何人か住んでいる。

悪霊に追われている。はず。

とにかく、なにかに化けて屋敷まで来る。私は誰かをつれて帰宅し、自分が入ってきたドアを閉めた。他にもドアがある。戸締まりを急いでする。家族にも、ドアを開けぬよう伝えなければ。

子供たちは事態が飲み飲めず、ふざけようとしたり、でも緊迫感は伝わるのか、中途半端だった。叱る声で、私が女性だと知る。歩く感触も、少なくとも長いスカートを履いているようだった。 

すべて戸を閉めた。まだ中にはいないはず。すべて閉めて、メイン玄関にも戻ると、母親が扉を開けて誰かと会話していた。慌てて近寄ると、明らかに様子のおかしい人間。いや、悪霊が化けたものだ。母は困惑した様子だったから、私は「ダメ、()れません。帰ってください。入れません。帰ってください。」と繰り返した。夢の中の私の知識では、悪霊は招かなければ家の中には入れない。家の中に入れなければ、家の中には手出しできない。

悪霊が帰り、母はのんきに「すごーい」と言った。私は事情を説明した。絶対に家に人を一人も入れてはいけないと言った。知り合いを装うこともあるから、今日はとにかく一人も入れるなと言った。幸い、家に住むものは皆在宅しているようだったから、ただ追い返せばいいだけだった。

そのあと私は二人ほど悪霊を追い返した。呼び鈴にも対応しなければいいのに、誰かしらがドアを開けてしまう。招かないからまだいいものの、困った。最後の悪霊は怒鳴らないと帰らなかったくらいしつこかった。一度ドアを開けると、追い返すまでドアがしまらないのが大変だ。

他のドアや窓も開けないよう、私はまた家を一周しなければならなかった。内側の錠前をつけ、物理的に開かないようにした。もともと台風対策でつけていたものだ。

メイン玄関に戻ると、また母がドアを開けて誰かと話していた。怒りを覚えながらもドアに向かって、今日は誰も家に入れない。帰ってください。と言いながら近づいた。赤いサンタみたいな服に、赤い帽子、白い髭の、いかつい白人がいた。銃をこちらに向けている。後ろにも同じ格好をした男が何人か。この地域の警察官のようなものだ。母は「だって…」と私に言い訳がましく言った。私は「ドアを開けないように言ったでしょ」と返し、何の用か白髭に尋ねた。しかし白髭は私の肩に銃の先(ライフルのような長い銃)をごつんとあて(痛かった)、そこをどけと怒鳴った。「今日は誰も入れません。帰ってください。」と私は言った。周りにいた家族は私が撃たれると怯えたが、悪霊かどうか見極めなければならない。そういわれれば、銃の先とはいえ、招かれてないのに一部を家の中に入れられるのだから、本物かと思った。しかし、何らかの捜査をするのなら、他のドアも含めて開け放たれる可能性がある。赤服の仲間がきたと思ったとき、不用意に招いてしまうかもしれない。一度家に招けば、みんな死ぬしこの家はもう使えない。しかし赤服たちは、悪霊を信じていない。何かしら宗教の恩恵を受けた団体だし、もともと貴族でなにもわからないやつらだ。と、夢の中の私は思った。

いろいろ考えている間にも、白髭は赤ら顔をますます怒りで赤らめ、家に一歩踏みいって吹き抜けの天井を撃った。後ろの赤服たちは少しざわついた。

私は悪霊じゃないとわかったし、退いて、何の用ですかと再び聞いた。白髭はばかにしたように私をちらりと見て、無視して中へ入っていった。うちは商売をしているし、不正の疑惑が何かあったのだろう。他の赤服たちも入ってきた。招いてはいないので、勝手に入ってくる奴等は少なくとも大丈夫だ。

メイン玄関の警備に当たった白人のひときわ顔面のいいやつが、ごめんねと私に呟いた。あの人仕事に熱心すぎるんだ、と。私はふとおもいついて、彼に「家のなかで実は盗難が起きていて、これから尋問するところだった、仲間がいるかもしれないから、誰も家に入れず、誰も外に出さないでほしい」と言った。私は大きい商家の娘で、見た目が割りといいはずだったから、色仕掛けだった。男は「そうだったのか…」と神妙な顔をし、わかったよとにっこり笑った。他の人にも頼みに行かないとというと、僕が言うよと請け負ってくれ、メイン玄関の鍵を閉めて、他の赤服のもとへ行ってくれた。一度開けられたドアが閉められていくことを確認して、私は二階へ行った。子供たちが暖炉を覆う布のかなで震えていた。いまの季節は暖炉を使わないので、他の冬家具と共にまとめて布で覆っていたのだ。大丈夫だよ、悪いことしに来た訳じゃないから、と声をかけ、父や叔父?など、大人の男どもがいる書斎へ私も向かった。


ところがそこから、二階か三階程度の屋敷だったものが、ガラス張りのビルのような見た目になっていた。もしかしたら三階だけそうだったのかもしれない。とにかくちょっとジャンルの違う見た目だ。そしてまた銃声が聞こえて、ガラスの割れる音がした。天井が割れたのだ。これはまずいとおもった。天井は入ってくるからだめだった。私がみんなに声をかける前に、もう悪霊は入ってきていた、ガラスは曇っていき、銃は融けた。食べ物は腐り、カーペットもカサカサになる。赤服たちは驚いて階下へ走った。赤ら顔も顔を真っ青にしていていい気味だった。家族の男たちも、自分の妻と子供を探して走った。私の父はわからなかった。もともといなかったかもしれないし、もう殺されたかも知れなかった。

私はその場に残った。なぜかはわからないけど、私がここにいれば、二階へは行かないと思った。三階に人がいないことを確認して、二階への階段を塞いだ。ガラスは止めどなく降ってきて、痛くないのに血が出た。ものすごい音がした。強い風が細い隙間に吹き込むような音と、叫ぶような音。うるさすぎてよくわからなかった。階下からパニックを起こしている声は聞こえたが、どうでもいいことだった。


ここからシーンが変わったのか同じなのかわからない。書いてみると続きなんだけど、記憶としてはなんか違う映画のシーンみたいな。

三階は壁もなにもかも吹き飛んでいった。屋敷の外に、家族や赤服が避難しているのがわかった。二階への簡単なバリケードはもうなかった。そろそろ屋敷が崩れると思った。足元が急になくなる感じがして、なぜかすごく高いところから、ビルの十階くらいから落ちてるような感覚がした。

夢の中の私は思い出した。

私の家はゲーム?VR?のような映像技術があって、私はデバックする度に落ちていた。つい最近は、現実で言うマインクラフトの影Modを入れたような世界で、橋と崖で採掘したり落ちたりしたなと思った。

その時と同じように、なぜか私は水に落ちた。ゲームの時とは違い、濡れた感覚がある。


崩れた屋敷の中であることには違いなかった。残骸がある。でも回りは霧でなにも見えない。足がつかないほど深い水だ。水も濁っていて見えない。幸い残骸がたくさんあるので、捕まりながら少し移動してみた。残骸に捕まって水に浸かっている男を見つけた。黒髪短髪でメガネをかけ、すごく魅力的に見えたことは覚えている。私はなぜかとてもどきどきしていた。

私はなぜかここから、高いビルで何かアクションがあり、逃げ惑い落ちる映画を見ている、ということになっていた。寝落ちしつつ見ていて、その黒髪の俳優がかっこよすぎて夢にまで見る、みたいな感じだった。この場所は、概念の世界みたいな名前がついていて、ゲームの裏側のような、世界の裏側のような、場所らしい。ゲームのステージで崩れたり落とされたりしたものの果て、みたいな設定だった。

とにかく私は目線を二つ持ちながら、黒髪の男へ近づいた。男は、君も落ちてきちゃったのか、と言った。

「あなたも昔に落ちてきたの?」

「いや、俺はもともとここにいるよ。ずっとね。すごくつらい」

「なんでいるの?」

「わからない。でもずっといる。このがらくたに囲まれながらね。こうしてる間に追加が落ちてくるんだ。霧の向こうがみえないだろ。果てがないんだ。この水の下もね。果てがない。」

「怖いね、それ」

「そうだよ。沈みたくても、どこまで沈んでいくのかわからなくて怖い」

「怖いね」

彼はすごくネガティブだった。でもどうしようもなく魅力的だった。私は触れる距離まで彼に近づいた。

「他にも落ちてきた人がいる?」

「さあ、知る限りはいないよ。俺の近くに落ちてこないと、見えないからわからないけど」

私は、彼と意思疏通できることに違和感があった。用意されている感じがすごくあるし、彼がいる意味もわからなかった。

「みてよこのがらくた。邪魔なんだ。どんどん邪魔になっていく。ずっと水に浸かって、がらくたに捕まってるんだ。邪魔だけど、がらくたがなくなったら何に捕まればいいんだ。こわい」

彼は片手で顔をおおった。ますます意味がわからない。

「最初からがらくただらけだったの?」

「……」

「最初からいたなら、上から追加で降ってくるなら、ここのがらくたはもっと少なかったんでしょう?」

「……」

「あなたはこのがらくたを消せるし、水もきれいにできるし、沈むことも、迷うこともないんじゃない?」

私がなぜこんなことを言ったのか、私にもわからなかった。落ちた私目線では謎の確証を持っていたし、映画を見ている目線では、すごくわくわくしていた。

水が波打っていた。彼が動揺しているからだと思った。

ここは彼自身だと思った。

「そうか…そうだった」

彼はエンディングにふさわしい感じのエフェクトを纏って、世界をきれいにして、水も底は見えないけど青くきれいにして、私も彼も水に浮いていた。

「俺はここそのもの、だけど世界そのものじゃない。君を戻してあげることができない。でもいつか君も消えるだろう」

彼は悲しそうだったが、私はむしろ、できるだけここにいたいと思った。

「消えるときまでそばにいてね」と私が言うと、彼は私を抱き締めてくれ、二人から遠ざかるようなカメラワークで締められた。そして『観ている私』は目を覚ました。私は映画を見ていて、素敵なエンディングだと思った。内容はやっつけな感じもするが、雰囲気と、俳優たちがすごくよかった感じがした。好き嫌いは別れるけど、私は好き、そんな映画だと思った。しかしエンディングはウトウトしながらだった。この記憶のエンディングは、夢だったかもしれない。終盤から、夢と映像が混ざっているかもしれない。映画レビューを書く前にもう一度見直さなきゃなと思った、そこで本当に目が覚めた。

水に浸かっていた不快感がまだからだに残っていた。ぬるく濁った水だった

あと俳優にときめいていたくせに顔を覚えていないことがショックだった。おわり。

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