雪
今日は何をしよう と言いながら制服を着ている 「なんか変なにおいがするな」 昨日は昼寝している翼にかけていたので 翼の匂いがくっついていた すーーはーーと言いながら外を見ると雪がしつこいように振っていた
家の前の道には白く薄く積もっていた よくよく考えると少し寒いな 朝食を食べるためにリビングに降りていく 天気予報では雪予報 そして、今日からの天気予報が雪だった
ご飯を食べていると 口に硬い物が当たっていた 吐き出してみると 卵の殻があった そう たまごやきに卵が混ざっていたのである ぬあ 「兄さん!」 犯人は確定していた 両親は朝から仕事 ご飯は兄さんが作ってくれている 兄さんに苦情をいうと 「ごめんな~今度から生卵にしてあげる」といわれて むかちんときた
雪用靴を履いて バス停にむかう 「だーれだ!」 ふんわりとした手袋で目を抑えられる 「翼」せーかい!という答えが返ってきた 翼の手を見ると もこもこしている手袋があった 「かわいいね」 まずその言葉が出た バスがやってきた 「あれ?」
学校行、と書かれているが見知ったバスではない いつもの運転手がいることで 学校行のスクールバスだということが判別 乗り込む、座席は普通のいつもの車両だった 普通に出発していく 「前の車両より高さが低くなったよね、新車みたいな顔してるし」交通機関にあんま興味を示さない翼くんもこんなことを言っている なんだろうと思っていると 翼が車両を調べていた 「水野観光車両 札幌300 あ 46-01 いすゞエルガ 自家用 2TG-LV290N3改」とかかれていた 改造なのは後ろを見ればわかる通り 便所が付いている 「この会社太っ腹だね、」よくよく見れば座席が前の車両と一緒だ 移植したのかな? さすがにあんなに改装したからねえ、 バスは順調に高速道路を走っていく トイレを使用する音が時折聞こえる
水野駅に到着する スクールバスに乗る学生も困惑している 「おっすお二人さん」 水川&橋野コンビが乗ってきた いつもの席に座り込むとバスの話題を始めた 「新車をやっと導入したのね?!」橋野先輩も満足であった そういえば橋野先輩も交通機関大好きだった そんな話をしながらバスは学校に向かっていった
「じゃあまた部活で、」と先輩二人が出て行ったあと 新車おめでとうを運転手に伝えて降りていった 実を言うと この系統の車両を新型に交代させただけで 別系統では今までの車両が残るらしい さすがに排気ガス規制が悪いバスを運転しているのはよくねえな、ということにこの会社が、、「けんた 授業だよ」 と腕を掴まれて 教室に連れていかれた
教室に到着 朝の会の準備がしてあった ぼくと翼の机に紙が置かれる 「雑務部 登校時間変更のお知らせ、」 なんでや! 雪が降り始めたので 雪かき要員として 学校に登校する時間が早いという よくよく見ると 朝の仕事は日当3000円 放課後バス到着前から到着まで 1000円支払うとのことだった 費用は学校が生徒に払う 一週間に1回手渡しで払うようだ 「翼、アルバイトじゃん」二人は登校時間が早まって バスの時間が、って頭を書いている
水野観光車両がマイクロバス(定員6名)を運転するからそれ乗ってという もう朝早く学校来ないといけないみたいになっている
朝の会は終り 一限の授業が始まった 授業の準備をして 隣を見ると 早速すやすや寝ている翼がいる 「おきて!!!」 椅子をゆすると起きてくれた そのあとは宿題の提出を要求されたり 翼が寝てたせいでいろいろ当てられたりした
ランチ休み 外を見るとベランダでみんなが雪合戦をしていた 「あざが出来そう、、、」 見ていて痛そうだなとおもった ランチを食べながら 空気を見ていた 「けんたくんどした?」 琥珀が心配そうに見てきた 「あ、いや とくにどーってことないんだけどね 雪かきかあって思って」 琥珀は前からこの土地に住んでいるから慣れている 「雪かきすれば腕鍛えられるし いいよ?」と琥珀の提案が来た 琥珀の提案を受け付けて 頑張る意気込みが付いた
部室にやってきた 相変わらずの翼の乗りである いいノリしてるね 部室に入った瞬間 先輩に靴を脱げと 言われて靴を脱ぐ 気が付くとカーペットが敷いてあって さらにこたつまで用意されていた すでに橋野先輩と稲野先輩と水川先輩が入ってお菓子を食べていた そしてもう一つ ストーブも用意してあって エアコンもガンガンに吹いている 温室かよ!って思うほどだった
そんなツッコミもしたこともあるけど 快適ならそれでいい 先輩が至近距離でこたつに入りながら座っているという光景に ちょっと驚いていながら 先輩の話に耳を傾ける 「すでに学校から配布された 雪の時の登校時間変更なんだけど 前日夜23時にグループチャットで登校か通常時間か送るから」そういうことだった
時間なので雪かきを取りにガレージに向かう ガレージには3つ雪かき機(巻き上げて飛ばすタイプ)と2つフツ―の奴だった 先輩がみんなを見渡すと 翼と水川先輩に雪かきを渡して 部長と橋野先輩は 雪かきマシンでやることになった まずは昇降口から校門までと バス停の整備だった 僕は昇降口周りを雪かきマシンで飛ばしている
ふと 雪が首元に飛んできた 後ろを振り向くと 第二球を振りかぶろうとしている琥珀がいた 「雪かき頑張って! 俺はもう帰るけど!」といって 琥珀は目の前から去って行った 雪かきをしながら 音楽を聴いてやる
先輩達が手伝っているので すぐに雪かきは終わった 「これじゃあ済まないときが今後待っているから そん時はそん時だ 頑張ろう」 と橋野先輩が言った よくよく見ると 橋野先輩も稲野先輩も冬毛のようでもっふもふしている 暑そう
部室で温まっていると 今後の話が出てきた 「12月は合同スキー、お泊り会 3月が部長の卒業のイベントが待っている 12月末にスキー場に行ってみんなで年末年始を過ごそう 3月は部長の卒業」と橋野先輩の説明があった
12月のスキーの話は 〇〇温泉スキー場に行くことが決まった 温泉街なので宿にはお風呂はないよ?と稲野先輩が説明する 「あ 翼くんとけんたは初心者かな?」と稲野先輩が聞いてきた 「あ、いや 家族旅行で毎年行くので 翼くんと」 ふむふむと先輩たちがうなずく
バスが来る10分前 外を見ると暗くなっていて 雪はそんなに積もっていなかった 外では雪合戦している子もいる 「部員総出で雪合戦、楽しそう」と翼が言葉を漏らした 「雪はこれから飽きるほど降るから、まあ楽しむのはいつでもできるよ」
解散した 今日も一日終了して 新車のバスに乗り込んでそれぞれ解散していく 僕も翼のしっぽを追いかけていく あしたは「雪時間登校です」と先輩が解散の時に告げて来た ままにいわないとなあ、
バスは家に向かって出発していった 液晶にはバスの走行動画が流れているけど 見ている人は居なさそう むしろみんな寝ていると思う 翼も寝てるし、僕も寝よう 今日も一日疲れたなぁ
バスが家に到着する バス停には見知った人が立っていた 「「翼、けんた おかえり」」兄さんたちが雪かきスコップを持ちながら待っていた 疲れた顔をしながら雪かきを終わらせて 家に戻っていった
「ここって札幌都市圏なの?」(それは、秘密)